マッサージ師(あん摩マッサージ指圧師)の平均年収や給与はどれくらい? 年収を上げるためにできる3つの方法
小さいころに、家族に肩たたきをして喜ばれた記憶は、多くの人があるかもしれません。人に何かをして喜んでもらうことが好きな人は、マッサージ師に向いていると言えます。
エステティシャン、もみほぐし屋さん、足つぼ店、温泉施設の癒し処など、マッサージを行っている場所は、どこにでも見かけることが出来るはずです。一般人からすると、どれもマッサージ師が行っていると思われがちですが、実はそうではありません。
日本においてマッサージ師というのは、厳密には「あん摩マッサージ指圧師」のことを指します。あん摩マッサージ指圧師は国家試験に合格して、資格を取得した人が名乗ることが出来ます。
国家資格のため開業する権利を持ち、マッサージをすることを法律で認められている数少ない資格になりますが、マッサージ師として活躍している人たちはどのくらいの収入があるのか気になる所です。
そこで今回は、マッサージ師(あん摩マッサージ指圧師)の平均年収についてや、具体的なモデルケース、年収をアップさせる秘訣などを紹介していきます。
マッサージ師の平均年収や給与は?
マッサージ師として仕事を行っていく上で、収入がどのくらい得られるのかというのは、ほぼ全ての人にとって非常に重要な位置にあるはずです。収入が少なくても、お客様に喜んでもらえるならばという人もいますが、最低でも生活を成り立たせなければなりません。
いくつかの調査結果や、データを基に男女別、年齢別、雇用形態別に分けて紹介していきますが、その前に、収入額別の割合を紹介しておきます。
収入額別の割合を見てみると、全体の20.5%が10万円未満、11.2%が10万から15万円未満、20.2%が15万から20万円未満、21.7%が20万から25万円未満、11.9%が25万から30万円未満となっています。つまり、全体の約70%が30万円以下の収入だという事が分かります。
年収が600万円を超える人も2.6%と、高収入の人も多くはありませんが、確実にいることも分かっています。
男女別
平成28年10月に、公益社団法人東洋療法学校協会が「第5回あん摩マッサージ指圧師・はり師及びきゅう師免許取得者の進路状況アンケート調査報告書」を発表しました。その中で、マッサージ師の年収についても数字が公表されました。
先ず、男性と女性で収入に差があるのかという疑問ですが、結論から言うとあると言えます。
男性の収入
男性の場合では平均の月の収入が22.8万円と、平均額だけで見ると、一般的な人よりは、あまり多いとは言えない数字になっています。
また、男性は20万から25万円の収入額の割合が最も多く、23.2%となっており、10万円未満は16.3%となっています。
女性の収入
女性では、平均の月の収入は16.8万円と、男性と比べて6万円もの差が出ています。雇用形態や、年齢によって差は変わりますが、男女間での差はあると言えます。
男性に比べて、やはり女性の方が収入額は少なく、割合を見ても、20万円以下が65%も占めています。
年齢別 20代~50代以上
次に、年齢別ではどのような違いがあるのかを見ていきます。20代から50代以上の4つに分けていきます。
20代
20代の中でも、前半では15万から25万円の収入額の割合は73%を占めますが、20代後半になると56%に減り、25万円以上の割合が増えていきます。
15万円未満の割合も、20代前半と後半では変わらず約18%となっています。
30代
30代になると、前半と後半であまり変化はありませんが、収入が増えていく人の割合が多くなってきます。収入額が25万から35万円の割合は約25%となり、最も収入の多いピークの年代になります。
40代に入ると少しずつ収入額は下がっていく傾向が見られます。
40代
40代に入ると、10万円未満の割合が約28%と、10万から25万円未満も約45%と、収入の低い人の割合が一気に増えてくる傾向がありようです。
しかし、逆に高収入の人の割合は増えていき、独立したり、役職に就いて収入が上がる人も少なからずいるようです。
50代以上
50代に入ると、10万から25万円未満の割合は40代までとほとんど変化はありませんが、10万円未満の割合が、約45%にもなり、全体的にも収入に差が出来てしまいます。
体力も必要とする仕事なので、そういった部分でも収入に影響があるかもしれません。
雇用形態別 開設・勤務
マッサージ師として仕事をしていく上で、働き方は様々あると思いますが、大きく分けると2つあります。1つは整骨院やマッサージ店など、お店に勤めてお給料をもらう勤務形態か、もう1つは自分でお店を開設して運営をしていく形態になります。
どちらが良いかは一概には言えませんが、ここでは収入の面における違いを紹介していきます。
お店に勤務
お店の従業員として、勤務してお給料をもらう形で働いている人は、30万円未満の人は全体の90%を占めており、10万円未満の人が12.6%、10万から15万円未満が10.5%、15万から25万円が70%とまんべんなく収入を得ている人の割合がいるようです。
高収入の人の割合は少なく、30代をピークに収入が下がっていくイメージとなります。
お店を開設
独立して自分のお店を持つようになると、経営次第で収入もアップさせることは可能です。ただし、開設して間もない場合や、お客様が少ない場合は10万円未満の収入の人の割合も多く、35.5%も存在します。
しかし、30万円以上の収入を見てみると、勤務形態の場合では10%以下しかいなかったのに比べて、開設している人は約25%も存在します。つまり、開設した人の4人に1人は30万円以上の収入を得ているという事になります。
マッサージ師の年収 勤務と開設の違い
データを見て予想するのも良いですが、自分の場合ではどのくらい収入が得られるのか、具体的な例がないと想像できないと思います。
様々なケースがあり、全てを紹介することは出来ませんが今回は2つのモデルケースを紹介していきます。
3正社員として勤務する場合
どこかの会社や整骨院などに社員として契約をして勤めた場合に、どれくらいの収入が見込めるのかをみていきます。
どこに勤めているかで、収入や仕事内容に違いが出てくるようです。
整体院・整骨院
一般的な整体院や整骨院などに社員として勤務した場合ですが、月8日休みで、手取りの平均は15万から25万円くらいになるので、年収としては賞与を加算しても大体200万から300万円ほどになると思います。
店長などの役職に就けば、年収は330万円ほどになるので、しっかりと腕を磨いてステップアップを目指すと良いでしょう。また、正社員であれば、福利厚生もあるので独立するよりは安心出来る材料があると言えます。
リラクゼーションサロン・エステサロン
マッサージ店などで資格を活かして働く場合では、指名料や歩合制などが導入されていれば更なる収入アップも可能です。
契約条件にもよりますが、30万から60万円を稼ぐことも可能です。自分に合ったスキルや性格によって、勤めるお店を選ぶと良いでしょう。
病院・介護施設
病院や介護施設では、リハビリや治療の中でマッサージが必要な際に活躍してきます。理学療法士や作業療法士などと一緒に勤務することも多いですが、仕事内容は主にマッサージによるサポートになります。
収入は、年収300万円前後になることが多く、高収入になることはあまりありません。患者さんから感謝されることは多いので、やりがいは特に感じられると思います。
経営者として開業する場合
同じ仕事場でも、勤めてお給料をいただくのと、自らが経営者として報酬を得るのでは大きく変わってきます。全て自分次第ということになるので、収入が勤めている人よりも少なくなってしまう人もいます。
しかし、上手に経営をしていけば、社員として勤めるよりも高収入を得られる可能性も大きく秘めています。
整体院・整骨院
社員として下積みを行ってから整体院や整骨院などを開設する場合、多くの人は自宅を利用して始めています。自宅であれば、賃料や借りるための資金が新たに必要ないため、少ない資金で開設することが可能です。
また、機材や大型の設備なども必要なく自分の身体一つで開設が可能なので、始めやすさという点からも開業はお勧めです。ただし、正社員とは違い、お客様がいなければ報酬が得られず、収入がないという事態にもなってしまいます。
自らが経営者としてやっていく場合には、とにかくお客様がどれだけ来店して、リピーターとして付いてくれるかによるでしょう。
安定してお客様が来てくれるようになれば、収入は月当たり30万円以上、年収も350万円以上と、店長クラス以上の収入が見込めます。規模を大きくすれば、800万から900万円の収入がある人もいます。
リラクゼーションサロン
もみほぐしや足つぼなど、町にあるお店と同じように開業することも可能です。
痛みに対する施術だけでなく、リフレッシュを目的とした人も利用するので、やり方次第では高収入も可能です。従業員を雇って、規模を大きくしたり展開することも出来るので、経営者としての腕も試されます。
マッサージ師が収入を上げる3つの方法
マッサージ師として、収入を上げていくには様々な要素が求められてきますが、誰でも出来る3つの方法を紹介していきます。
1. 資格取得でキャリアアップ 様々な資格を加える
お客様の立場で考えてみると、お店で施術をしてくれる人が、様々な資格を持っている場合、資格がない人よりも安心して受けられるのではないでしょうか。資格を多く取得しているという事は、それだけ知識や技術を持っている証明にもなります。
あん摩マッサージ指圧師以外にマッサージ関連の資格と言えば、はり師、きゅう師、理学療法士などの国家資格が代表的です。また、民間資格でも整体師やトレーナー、エステティシャンなど、様々な資格を取得すると、視野も広がって、技術向上にも役立つはずです。
資格をしっかりと取得して、お客様に対して安心を届け、集客アップによる収入アップを目指していきましょう。
2. 勉強会などでスキルアップ 新たな技術を身につける
マッサージと言っても、東洋的な考えや西洋的な考え、それぞれの中でも手法は様々存在しています。どれが良いか悪いかということよりも、様々な視点から知識を付けておくことで、お客様に対して質の高い施術が可能になるはずです。
様々なアプローチが出来るマッサージ師になれば、評判も必ず広がり、集客・収入のアップも期待できるでしょう。
3. 勤務形態なら 独立開業を目指す
自分の腕を試したい人や、自分のやり方で自由にやっていきたいと思う人、収入を上げていきたいという人は、開業がお勧めです。責任はすべて自分が背をわなければいけませんが、その分やりがいもより感じられ、成功すれば収入も確実にアップするでしょう。
お店を展開して、経営者としても成功していければ、正社員として勤めていくよりもはるかに高収入が可能になるでしょう。
収入UPを目指すならキャリアアップやスキルアップしてみよう!
仕事に対するやりがいは非常に大切な要素ではありますが、同じように収入面も、生活するためには避けては通れない部分ではあります。
精神的にも金銭的にも余裕が生まれることで、お客様に対する施術や、その他の仕事にもメリハリが生まれ、好循環になっていくはずです。
そのためには、知識と技術を積極的に身につけて、資格を取得することが最も収入を増やすための近道でしょう。また、開業を目指す人は経営者としての知識も身につけておくと良いかもしれません。