アイデザイナーはどんな仕事をするの? まつエク施術に必要な資格は?
アイデザイナーという職業を知っていますか。目元のおしゃれをデザインする人、つまりよくご存知の、まつ毛エクステやまつ毛パーマをしてくれる人のことです。
昔のアイメイクは「ビューラーを使ってまつ毛を上向きにする」か、「まつ毛にマスカラを塗る」「アイシャドウをつける」くらいしか選択肢がありませんでした。
ところが今や、時代の流れとともに、人の手でまつ毛を植毛する「まつ毛エクステ」や薬剤を使ってまつ毛をカールさせる「まつ毛カール」「まつ毛パーマ」などの技術が発達して高い人気を得ています。
他の施術系の職種に比べ、給料が高めなこともアイデザイナーという職種の特徴です。
アイデザイナーとは
アイデザイナーは、「アイリスト」とも言い、まつ毛ケアのプロフェッショナルを指します。
まつ毛パーマやまつ毛エクステが人気の秘密は、ビューラーやマスカラをしなくても目元がぱっちりするのでメイクの時間短縮になり、朝忙しいときや旅行に行くときなどに助かるからです。
そこで、目元のケアを専門に行う「アイデザイナー」が増えてきたのです。
アイデザイナーは、美容院をメインにして活躍しています。美容師や美容部員とおなじように、若い女性を中心に憧れを集めている職業でもあります。
アイデザイナーがいるのは、まつ毛エクステ専門のサロン、美容室やネイルと併設したトータルビューティーサロンなどです。
アイデザイナーはどんな仕事をするの?
アイデザイナーは、どんなことをするのでしょうか。
1. カウンセリング
お客様が来店したら、最初にカウンセリングをします。
「まつ毛が短いと思う」「まつ毛が下を向いている」「逆さまつ毛が目に入る」など、人によってさまざまなまつ毛の悩みがあるので、丁寧に話を聞きながら、どのメニューでケアをするのかお客様と一緒に決めていきます。
肌が弱いお客様もいるかも知れないので、事前にそういった情報もしっかり聞き出しておき、薬剤によるトラブルを減らすのです。
まつ毛エクステであれば、カウンセリングで、こういう仕上がりにして欲しいという希望や、普段のメイクのやり方なども聞きます。
これまでのまつ毛エクステの経験などをもとに、どんな素材を何本つけるかなどを決めていきます。
まつ毛カールの場合は、長さと巻き具合を相談し、逆さまつ毛の場合は、逆に伸ばしてもらいたいことをお客様から聞くことになるでしょう。
2. 施術
内容が決まったら、いよいよ実際に施術します。
初めてのお客様は特に緊張していますし、慣れているお客様もリラックスしてもらうために、BGMをかけていたりアロマを利用したりしているお店が多いようです。
まつげエクステ
①施術の方法は
医療用のテープを貼って、まつ毛の生え際から1〜1.5mmのところから人工のまつ毛を接着していきます。根本に近づけすぎるとまばたきのときにチクチクするので注意しなければなりません。
付ける本数はお客様の希望に合わせて100本単位で決めます。100本を1時間〜1時間半ほどかけて接着します。
②仕上がりは3種類
仕上がりは大きく3つに分けられます。
目尻の部分のまつ毛を長めにするとセクシーな印象に、黒目の上の部分のまつ毛を長めにすると黒目が強調されキュートな印象に、そして全体的に同じ長さ にするとつけまつ毛のようなボリューム感が出て、仕上がりは自然になります。
まつ毛カール
まぶたの上にラバー状のロットを乗せ、そこにまつ毛を楊枝で貼り付けていきます。
地のまつ毛を見て、硬い人は時間をかけるなどかかり具合を調整したり、地のまつ毛の長さによってロットを変える判断をしたりします。
また、どう見せたいかを聞き、根本からしっかりもち上げてカールするか、自然な感じにするか、また左側はいつも取れやすい、右側わりとはかかりやすいというようなお客様の話も考慮して施術をします。
3. メンテナンス
まつ毛エクステやまつ毛パーマを施術した後、ほんの数日でたくさん抜けてしまった、パーマが取れてしまったなどのトラブルがまれに起こることがあります。
そういうことのないように、しっかり施術はすると思いますが、そのとき使ったテープやグルーとお客様の相性が悪かったり、気温によって付きづらくなっていたなどの原因で、クレームになることが考えられます。
そこで、たいていのサロンでは通常10日間くらい無料メンテナンスをしています。その際の施術も仕事のひとつになります。
まつエク施術には資格が必要!
アイデザイナー、アイリストと呼ばれる人は、ほとんどが美容師です。
ヘアのエクステやパーマは、ヘアデザイナー、美容師がやってくれますが、美容師の中で特にまつ毛の施術を学んで資格を取った人だけが行うことができます。
必須資格 美容師免許
以前にまつ毛エクステが流行した初めのころは資格は必要ありませんでした。
資格が必要なかったころに健康被害が
ところが健康被害が続出したため平成20年3月に厚生労働省から「まつ毛エクステンションによる危害防止の徹底について」という通達が出されたのです。
それからは、美容師免許所持者だけが施術が行えることになりました。
美容師でもまつ毛を扱う技術を習得することが必要
必須資格は美容師免許です。けれどもこの仕事は専門技術なので、美容師免許を持っているだけで独学で技術を身に付けることは難しいです。
まつ毛エクステンションのスクールに通い、専門的な技術を十分に習得することが必要です。
スクールは通学制と通信制があるので、自分のライフスタイルに合わせて無理なく学ぶことができます。
アイリスト技能検定という、技術を証明する資格を取得すると、採用条件が良くなったり今の仕事に活かすことができます。
また、お客さまひとりひとりの希望に合わせた施術をていねいに、正確に行うことができる手先の器用さが求められます。笑顔や言葉遣いなどの接客スキルも必須条件といえるでしょう。
厚生労働大臣が指定する理容・美容師養成施設がある
平成22年に厚生労働省が「まつ毛エクステンション施術は美容師法上に基づく美容に該当する」という解釈を通知しました。
まつ毛エクステンションの技術者・アイデザイナーは、必ず美容師でなければならないのです。アイデザイナーを目指すなら、まずは国家資格である「美容師免許」を取得しましょう。
美容師免許を取得するためには
美容師免許を取得するには、厚生労働大臣が指定する理容・美容師養成施設へ進学して、その課程(昼間・夜間2年間/通信3年間)を修了しなければなりません。
そして「筆記」と「実技」の2種類の美容師試験に合格しなければなりません。
筆記試験は、美容関係法規と制度、衛生管理、美容保険、美容物理・科学、美容理論など、美容師として必要な知識に関するものです。
実技試験は、ローラー、カール、セッティング、カッティング、美容衛生の取扱いについての試験があります。
これらの課程をすべて合格して初めて国家資格である美容師免許を取得することができます。
専門資格 認定資格やディプロマ
美容院でスキルをつける
美容師の専門学校ではもちろんヘアメイクが中心になるので、まつ毛エクステの技術や知識の習得は弱くなります。
それで、各自でアイデザイナーとしてのスキルアップを目指すことになります。
多くのアイデザイナーは、就職先の美容院で先輩から指導をしてもらって技術を身につけていき、約3〜6ヶ月の研修期間を経てから実際のお客様に施術を行うことになっています。
スクールや講習会に参加する
またはまつ毛エクステの技術を学べる外部のスクールや講習会に通ってスキルアップに努める人もいます。
民間資格を取得する
他には日本アイリスト協会などが実施する技能検定試験を受験して、民間資格を取得すると良いですね。
一定の技術的な水準を満たした人しか合格できないので、知識と技術の証明になります。2級・1級とレベルに合わせて受験できます。
プロのアイリストとして必要な、毛髪学や衛生学、まつ毛の構造などの専門知識を問われる筆記試験と、プロのアイリストとして「安全」を一番に考えた技術があるかを試される技術試験があります。
合格者にはライセンスカードが与えられます。
ディプロマを取得する
それから、お客様に対して、きちんと知識と技術を身につけているという証明になるのは「ディプロマ」です。
ディプロマとは卒業認定証のことで、スクールの課程を修了した人や、検定試験に合格した人に与えられます。スクールによってディプロマが与えられる条件はさまざまです。
卒業試験をしてディプロマを与えるスクールもあれば、課程を全部修了してもディプロマが与えられないスクールもあるので、スクールを選ぶときには確認する必要があります。
アイデザイナーでまつエク施術のプロを目指そう!
女性がメイクをするときに一番力を入れるのは目です。その目をまつ毛エクステで飾ることで、お客様の印象はとても華やかになります。とても喜んでいただける仕事でもあります。
自分の技術を施したことでお客様が笑顔になるのを見ることができるのはなにものにも代えがたい喜びです。
さらに、お客様があなたの技術のファンになり、指名して定期的に通ってもらえるようになると、さらにやりがいも増します。
まつ毛エクステの技術は、すぐに誰もが身につくものでは決してありません。とにかく実践を重ねて少しずつ早く、正確に美しく施術ができるように努力しましょう。
技術が上がればあがるほど、ご指名のお客様も獲得できるでしょう。
先輩のアイデザイナーからもいろいろ教えてもらいましょう。
経験だけがモノを言いますから、知人・友人・家族に協力をお願いして練習台になってもらい、毛質、目の形、骨格、角度、クセ、まぶたの厚みなどを把握して施術の練習を重ねましょう。
そうして数多くの実践経験を積み、一人前のアイデザイナーを目指しましょう!