フィットネスインストラクターの職務経歴書はどう書く? 書き方とサンプルを紹介
転職するにあたって、まず必要になるのは自身の人となりを表す『履歴書』と『職務経歴書』です。
履歴書は学歴や生年月日、住所など、基本的な情報をまとめたものです。それに加えて、どのようなキャリアを積んできたのかをより詳しくまとめたものが、職務経歴書です。
職務経歴書の書き方は、人それぞれ、さまざまな形式がありますが、大切なのは伝えたいことが人事担当者にしっかりと伝わる書き方をすることです。
単純に今までの職歴を書き連ねただけでは、それで何を伝えたいのかという点がぼやけてしまいかねません。
今回は、フィットネスインストラクターとして転職する際に必要となる職務経歴書の書き方、工夫すべき点について考え、その一例としてサンプルを提示してみたいと思います。
フィットネスインストラクターの職務経歴書に書いておいたほうが良い項目
自身がこれまでに勤め上げてきた職務の経歴を、一目見れば分かるようにまとめたものを「職務経歴書」といいます。今までどのような業務に就き、積み上げた実績を書きます。
雇用する側である企業は、その人の氏名や住所、学歴などの基本的な情報が書かれた履歴書に加え、この職務経歴書を参考にして採用・不採用を決定します。
つまり、求める人材に合致するかどうかを見極めるための書類であるため、誤字・脱字はもちろんのこと、誤った経歴を書くことは許されていません。
そのようなルールを踏まえつつ、自身の長所をアピールするためのものと考え、丁寧に書くように心掛けましょう。
インストラクターとしての指導経験
企業側の求める実務能力を満たしているかを判断してもらうためにも、これまでのインストラクターとしての指導経験を書く必要があります。
どのような職場で、どれくらいの期間活動したかという基本的な情報を書くことが欠かせません。それに加えて、就労意欲があるということを強調しましょう。
インストラクターの仕事は、トレーニングを通じてお客様を指導することです。そのため、現場においても、ある種のプレゼン能力を発揮して仕事をしています。
良い指導を行える人は、職務経歴書においても説得力のあるプレゼンができるものです。そのことを意識して書くことが大切です。
持っている資格・スキル
フィットネス関連の資格を持っていることを書けば、採用に有利に働くでしょう。その資格によって、その人の持ち合わせている知識がある程度把握できるためです。
また、同じようなことが、どのような実技の経験を持っているのかという点にも当てはまります。これは、その人の持つスキルと言い換えても良いでしょう。
職務経歴書では、キャリアを積み重ねていく上で武器となる資格・スキルを自身の強みとして自覚し、そのことをしっかりと打ち出せているかもポイントになります。
採用の場で正当な評価を受けるためにも、持っている資格やスキルは余すところなく書くように心掛けましょう。
職務経歴書で特にアピールするべきポイント
職歴を単純に書き連ねていくだけでは、そこから得られる情報が少なく、自身の能力や魅力をうまくアピールできません。
時間軸の職歴に合わせ、その時に担当した業務を詳しく述べ、そこで得たものを書くことで、その人がどのようなキャリアを構築してきたのかが明確に伝わります。
また、店舗の規模や売り上げなど、具体的な数字を明記することも大切です。それにより、採用する側はその人の上げた成果を理解しやすくなります。
そして、自己PRを書く場合にも注意が必要です。必要な情報が入っているだけではアピールできないので、読み手を引き付ける書き方を心掛けましょう。
人柄が分かるエピソード
採用担当者は、担当業務などの実績を知りたいことはもちろんのこと、その人がどんな人なのか、その人柄を知りたいと感じています。
そのため、職務を通じて自身がどのような対応をしたのかという『エピソード』を盛り込むことは、大きなアピールになります。
例を挙げるならば、お客様のことを第一に考え、サービス向上に努めたことを、エピソードの形式で示すことなどが考えられます。
そのような情報が入っていると、プロとしての自覚を持ち、しっかりと仕事に取り組む人物像が浮かび上がってくるはずです。
インストラクターで役に立つ資格
持っている資格を明記することは、その人のインストラクターとしての力量がハッキリと分かるポイントといえるでしょう。
この仕事をやっていく上で、絶対に欠かせないと考えたからこそ、特定の資格を取る訳ですから、そこへのこだわりを書くことも重要です。
そのような情報が入った職務経歴書からは、インストラクターのなかでも、とりわけ何のスペシャリストなのかが明確に伝わります。
また、自身が持っている資格が、採用者である企業にどのような利益をもたらすかを強調すると、読み手に深い印象を与えることになるでしょう。
インストラクターを選んだ理由
数ある職業のなかで、なぜインストラクターを仕事として選んだのかを書くことは、自身をPRするためにも欠かせません。
このことは、数あるフィットネス関連の企業のなかから、なぜその会社を選んだのかという志望動機にもつながってくるでしょう。
自身の考える理想的なインストラクターの姿を提示し、それを実現するために、就職・転職の道を選んだことをしっかりと書くようにしましょう。
そうすると採用する側は、どこに魅力を感じて志望したのかを把握できます。募集する側と応募者のミスマッチを防ぐためにも、インストラクターを選んだ理由を伝えることが大切です。
フィットネスインストラクターの職務経歴書サンプル2つ
どれだけキャリアが豊富な人も、職務経歴書は、一般的にA4用紙で1~3枚に収めなくてはなりません。
そのような限られた枚数のなかで、効果的に自身をアピールしなくてはならないので、ちょっとした工夫が必要になります。
いくつかの項目かに分けた上で、伝えたいことをシンプルに書くことが重要になるでしょう。
ほんの一例ですが、職務経歴書の書き方を以下に挙げます。必ずしもこの通りに書く必要はないので、自分なりの職務経歴書を作る参考にしてください。
サンプル①
職務経歴書
20XX年X月X日
氏名○○ ○○
【経歴要約】
フィットネスクラブで3年間、インストラクターとして仕事に従事してきました。エアロビクスの指導ができることを目指し、養成コースでADIの資格を取得。トレーニング全般の業務を担当しながら、エアロビクスインストラクターとして仕事に携わってきました。今回、自身の特性を生かしたいと考え、大手スタジオである御社を志望しました。
【勤務先企業】
株式会社○○(20XX年XX月~現在)
資本金○千万円
従業員数○○名
フィットネスクラブ
【職務内容】
・フィットネスインストラクター
安全面に配慮し、誰もが楽しく運動できる場を提供することに努め、顧客の要望を満たすべく、トレーニングメニューの作成、指導を行ってきました。
【営業実績】
20XX年度 売り上げ:〇千万円 備考:体育大学で習得したスポーツ理論をもとに、指導法を身に付ける
20XX年度 売り上げ:〇千万円 備考:エアロビクスの資格であるADIを取得。普段の業務に加えてエアロビクスインストラクターとしても活動
20XX年度 売り上げ:〇千万円 備考:自身の考案したプログラムにより集客率が○○%上昇
【アピールポイント】
(1)○○体育大学でスポーツ理論を修了
体育大学でスポーツ理論を専攻。身体に関する医学的な知識を学ぶことで、職場において理論に基づいた指導を行うことができます。
(2)ADIを取得
エアロビクスインストラクターとして著名な○○氏を招へいしたことが機会となり、自身もエアロビクスの資格であるADIを取得しました。そのため、専門性を備えた指導ができます。
(3)顧客に合わせて最善のメニューを作れる
フィットネスクラブに通われる方は、さまざまな動機を持っておられます。3年間の接客を通じて、一人ひとりの要望に応えるメニューを作り、指導することができます。
サンプル②
職務経歴書
20XX年X月X日
氏名○○ ○○
【経歴要約】
スポーツジムに2年間、勤務した経歴を持っています。リスク管理や法的責任など、施設管理の運営に関心があったことから、トレーニング指導士の資格を取得しました。都内全域に店舗を構える御社で、施設の管理・運営に携わりたいと思い、志望しました。
【勤務先企業】
○○株式会社
資本金○千万円
従業員数○○名
スポーツジム
【職務内容】
・スポーツ指導士
普段はインストラクターとして勤務していました。対象者別・目的別にたくさんの顧客に対して指導・助言してきた経験があります。
【営業実績】
20XX年度 売り上げ:○千万円 備考:専門学校に通いながら取得したスポーツ指導士の資格を生かし、運営面で寄与。
20XX年度 売り上げ:〇千万円 備考:設備投資を提案し、○○の設備を導入。その結果、集客率が〇%向上。
【アピールポイント】
(1)専門学校で基礎的な知識を習得
フィットネスインストラクターの専門学校に通い、インストラクターとして必要とされる知識やスキルを習得しました。
(2)スポーツ指導士の資格を取得
スポーツ指導士の資格を取得したことで、スポーツ医科学への理解を深め、傷害予防・応急処置、栄養学等の理論も学びました。
(3)施設の管理・運営ができる。
ジムで用いられる器具の管理はもちろんのこと、集客率アップに向けて必要となる設備投資や運営のあり方を提言できます。
職務経歴書を書くときにはポイントをしっかりと押さえて書くようにしてください
以上、フィットネスインストラクターが職務経歴書を書くに当たって、大切にしたい点を述べてきました。
「フィットネス」と名の付く施設はたくさんあります。そんな状況においてなぜ、その企業への就職を願うのかという点を明確に述べなくてはなりません。
また、採用する側が知りたいのは、その人がどのようなキャリアを積み、どのような人柄であるかという点です。
そのため、必要ならば具体的な数字を出すなどして、自身の貢献ぶりをアピールすることも必要でしょう。
同時に、自身の体験談といったエピソードを交えることで、効果的な自己PRを生み出せることも、忘れずにいましょう。