カットのブロッキングは美容師国家試験で必須の技術!|ワインディングとオールウェーブセッティングとは
美容師の資格は国家資格であるため、国家試験に合格しなければ取得することができません。国家試験の内容は年度によって若干異なるものの、基本的なことはあらかじめ決められているため、それに則って対策をする必要があります。
今回は美容師国家試験において審査の対象となるカットなどに関する技術として、「ブロッキング」「ワインディング」「オールウェーブセッティング」の3つを挙げ、それぞれの詳細や有効な対策をご紹介していきましょう。
カットのブロッキングは美容師国家試験で必須の技術!
美容師国家試験の実技試験では、カットに関する技術として「ブロッキング」が審査対象となります。この実技試験は美容師国家試験において必須の科目となるため、美容師になるうえでは避けてとおることのできない関門といえるです。
ここでは最初にブロッキング技術の審査がおこなわれる実技試験について解説したあと、ブロッキング技術をマスターするためのポイントについてもご紹介します。
実技試験第1課題のカッティングで必要
美容師の国家試験は複数の段階に分けておこなわれ、それぞれの段階ではあらかじめ課題が決められています。このうち実技試験の第1課題としては「カッティング」が指定されており、この課題をクリアするうえで習得しなければならないのがブロッキングの技術です。
ブロッキングはカットをする際に欠かすことのできない技術のひとつであり、美容師として施術をおこなううえでも不可欠であるといえます。
ブロッキングをマスターしよう
髪をカットする際には全体を同じ長さにそろえるのではなく、上下をいくつかのブロックにわけ、それぞれの長さを少しずつ変えることで段差をつけることが一般的です。このようなカット方法は「レイヤーカット」と呼ばれ、この施術をおこなううえで欠かせないのがブロッキングという技術になります。
ブロッキングを上手におこなうためには、「位置」「名称」「とりかた」の3つを覚えることが必要です。ここでは、これら3点を中心にブロッキングの方法やコツをみていきましょう。
三角ベースの寸法はどれくらい?
ブロッキングにおける三角ベースとは、黒目の中心とガイドライン(おでこにある髪の生え際)が交わる2点と、その上部にあるトップライン(つむじ)を結ぶことでできる三角形を指します。
この三角形はトップラインを頂点とした二等辺三角形のような形をしており、高さは約7cmです。レイヤーカットをする際には、この三角ベースをしっかりと形作ることが重要となるため、この寸法は必ず覚えておくようにしましょう。
ヘムラインの取り分け方法は?
ヘムラインとは髪の生え際のことを指し、レイヤーカットをする際にはこのヘムラインをしっかりと取り分けていくことが重要です。ヘムラインは上述した三角ベースを基礎としながら、その周辺を複数の部位に分け、少しずつ取り分けていきます。
ヘムラインの取り分けにおいては頭部のブロック分けの仕方を理解する必要があるため、実戦経験を積みながら少しずつ覚えていくことがおすすめです。
サイドはどの範囲を取り分ける?
サイドの髪のフォルムは全体の印象を大きく左右するため、レイヤーカット時にも、とくに慎重におこなう必要があります。サイドの髪を上手にカットするうえでも、ブロッキング時の取り分けをしっかりとおこなうことが重要です。
この点においても、実戦経験を十分に積むことが求められます。サイドの髪の取り分けは、両耳の少し上あたりのポイントに対し後頭部を回る形で結んだラインが基本です。このラインとおでこの生え際で囲まれたブロックを、さらに複数のブロックに分けていきます。
三段ブロックはどれくらいの寸法で分ければいいの?
レイヤーカットを上手におこなうためには、後頭部を3つのブロックにわけた「三段ブロック」を正確に取り分けることがポイントです。
この三段ブロックでは、後頭部を三つに分けたブロックのうちの一番上を第一ブロック、中段を第二ブロック、一番下を第三ブロックといい、第二ブロックがもっとも大きなものとなります。これらのブロックは、それぞれでサイズや形状が異なるため、その寸法は必ず覚えておかなければなりません。
試験対策におすすめ! ブロッキングの勉強に役立つ動画を紹介!
レイヤーカットの方法を覚えるうえで不可欠なブロッキング技術を習得するためには、実際に施術をしている様子を見ることがおすすめです。通常、このような施術は美容師学校などでも目にすることができます。しかし何度も見ながら確認したいという人は、ネット上にアップされている動画を閲覧することがおすすめです。
続いては、ブロッキングの勉強に役立つおすすめの動画を2本ご紹介します。こちらも国家試験対策をする際の参考にしてみてください。
【トータルビューティー】美容師国家試験 レイヤーカット1《名古屋文化短期大学 NFCC》
名古屋市にある短期大学「名古屋短期大学 NFCC」がアップしている動画です。この動画ではレイヤーカットをするための準備として、ブロッキングの方法がご介されています。同大学のチャンネルでは、このほかにも美容師の施術に関する動画が一覧でアップされています。美容師としての総合的な技術向上を目的として、チャンネル登録をしておくのもよいかもしれません。
出典元:【トータルビューティー】美容師国家試験 レイヤーカット1《名古屋文化短期大学 NFCC》
美容師国家試験 カット ブロッキング 2014
こちらの動画でも、レイヤーカットを目的としたブロッキングの手順を段階的に追うことができます。全体が簡潔にまとめられているだけでなく、手元が見やすいようにアングルを変えながら撮影されているため、ブロッキング技術の習得を目指す人にとってもよい教材となるでしょう。
カッティング課題以外にもブロッキングは必要? ワインディングとオールウェーブセッティングとは
ブロッキングの技術は、レイヤーカットを正確におこなううえで不可欠です。しかし、それ以外の施術でもブロッキングを欠かすことはできず、美容師がおこなう施術の基本といえます。
レイヤーカット以外のブロッキングを活用する施術は「ワインディング」と「オールウェーブセッティング」のふたつです。続いては、国家試験でも課題として出されるふたつの施術の詳細をみていきましょう。
実技試験の第2課題で登場|試験を受ける年によって違う
美容師になるためには、国家試験にておこなわれる実技試験を通過することが必要です。第2課題としては、ワインディングとオールウェーブセッティングが出題されます。
詳細な課題内容は受ける年によって異なるものの、レイヤーカットとあわせてこのふたつが出題されることはほぼ間違いありません。このことから、試験対策においてはこれらの施術技術を身につけておくことが必須となります。
ワインディングとは
ワインディングとは、髪を10程度のブロックに分けて巻く施術のことです。この施術もまたレイヤーカットなどと同様に、美容室でおこなわれている基本的な施術となります。
国家試験においてはブロックの数や使用するロッドの本数が指定されるため、その範囲内できれいに髪を巻けるよう技術を高めておくことが必要です。ワインディングをする際には事前に髪をカットする必要もあるため、ロッドで髪を巻く作業とセットで技術を習得することが求められます。
オールウェーブセッティングとは
オールウェーブセッティングは、全体が波打っているように見えるセッティング方法です。こちらもまた、レイヤーカットやワインディングと同様に基本的な施術方法となります。この施術においてもブロッキングを正確におこなう必要があり、そのためには補助ピンの使い方を覚えることが重要です。
ブロッキングをマスターして美容師国家試験合格を目指そう!
レイヤーカットやワインディング、オールウェーブセッティングといった美容師国家試験の課題として出されることもある施術を上手におこなうためには、ブロッキング方法を習得することが必須となります。
国家試験においてはこれらの施術を制限時間内におこなわなければならないため、手早くできるようマスターすることが重要です。そのためには美容・衛生について学べる学校の授業だけでなく、ここでご紹介した動画やブログなども参考にしながら技術の向上に努めるとよいでしょう。
出典元:
公益財団法人理容師美容師試験研修センター 第41回美容師国家試験受験案内