榎戸さんに聞きました！マンネリ仕事からの脱却！レベルアップには何が必要か？

おシゴトをしていると避けられないさまざまな試練。新人には新人の、トップにはトップの困難があるかと思います。そこで「迷える美容業界相談室」と題して、いろんな人たちの悩みに「フルーツルーツ」の榎戸さんがお答えします。

業界を引っ張るリーダーの言葉は重くて鋭い！　６回目はもっと成長したいと思う方のお悩みを取り上げます。

「人間的に成長したいとはいいことですよね。成長に一番必要なことは何かということについて、僕が最初に入った会社で教わったのは『人に会う』『本を読む』『旅をする』ということでした。この３つの共通点は、自分の内面を広げるということです。僕は今でも心がけていて、『人に会う』は仕事柄、出張やセミナーが多いので、実現できています。『本を読む』というのは、本にはいろんな場所のことが書いてあったり、いろんな人のことが描写されていますよね。その人に関心を持ったら、さらに調べていくことで知識が増えていくんですね。

オススメの本ですか？　僕は起業家なので、やっぱり会社を起業した人の本が好きです。スタッフに勧めるのは、喜多川泰さんの本が多いですね。小説ではないんですが、全部小説調で書いてあって、とにかく読みやすいです。喜多川さんはもともと塾の先生で、勉強だけじゃなくて生き方も教える人なんですよ。エステティシャンは基本的に本を読むのが苦手な子が多いですから、ピッタリだと思うんですよね。本って一度ハマったら、とことんハマるじゃないですか。だから、最初に手に取る本ってすごく大切なんですよ。

『旅をする』っていうと、すごく遠いところへ行くイメージがあると思うんですけども、それだけじゃなくて、街に出るというか。サロンワークってけっこうハードなので、休みの日は１日中寝ているというスタッフも多いわけなんですよ。そうすると、世界が狭いままなので、街に出て今流行っている店へ行ってみるとか、話題のものを食べてみるとか。それだけでも成長できますし、お客様との会話のネタにもなっていくじゃないですか。渋谷でも原宿でもいいんですよ。エステティックでも美容室でも、サロンって流行を追いかける仕事なので、最先端を行くべきだと思いますので、そういう努力は必要ですよね。

僕は出張するときに、仕事プラス１日を必ず取っています。その１日は名所を見て、おいしいものを食べる日に当てています。ただ遊んでいるだけなんですけどね（笑）。でも、その1日が成長するための栄養だと思っています。

そういえば、最近、マラソンを始めたんですよ。来月末に大会に出場することも決めました。10年ぶりぐらいに走ったんですが、おもしろいですよ。家の近所を走るんですけども、基本的に駅が右にあったら右にしか行かないじゃないですか。だけど、普段行かない方向へと走ってみると、『ここ行けば近道だったんだ』や『ここにこんなオシャレな店があるんだ』とか、発見があるんです。

僕は10kmの部にエントリーしたんですけど、仕事が終わった夜に走っています。うちのスタッフにも走るのが好きな子がいて、サロンで一人二人始めると、流行っちゃってみんな始めたりするんですよ。中には、女の子なのにキックボクシングを始めた子もいましたね（笑）。私生活にメリハリがあると、毎日が充実します。充実していれば、人間的に成長できるし、ストレスも減ります。今回の相談者も仕事だけでなく、趣味ややりがいを見つけるといいかもしれませんね」

美容と趣味

美容業界で働く方々に「趣味」の話をうかがうと、『何もない』と答える方が多々いるようです。美容業界の方々が無趣味というわけではなく、趣味＝仕事という方が多いことが、この理由の一つになっているようです。

そんな方々におすすめする趣味の作り方として、美容に関連する資格の取得ということがあります。

美容に関連する資格は、民間資格で多々存在します。資格の取得は、無理や無茶で取るのではなく、自身の今の仕事に生かせるものから取得してはいかがでしょう。

例えば、エステティシャンにとってアロマやセラピストの資格は、持っていても無駄にはならないはずです。お客様とのコミュニケーションに、施術のプラスアルファとしても役立てることだと思います。

美容が好き、お客様を満足させたいという気持ちから「新たな資格取得＝趣味」としてみてはいかがでしょう。

Profile

榎戸淳一さん

（株）ES-ROOTS代表取締役社長

船井総合研究所時代に社内にエステ業界のコンサルティングを立ち上げ、実績を残す。退社後、（株）ES-ROOTSを設立し、オーガニックコスメエステティックサロン「フルーツルーツ」をオープン。２年後に第２回エステティックグランンプリ、モデルサロン部門、フェイシャル技術部門で全国１位受賞。著書に「サロンはスタッフ育成で99％決まる」「愛されるエステティシャンの秘密！」などがあり、業界を牽引する役割を果たしている。

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