絶妙な心地よさがたまらない『Hair Design Gram』
下町風情がただよう博多区古門戸町に佇む、古い倉庫を改築したサロン『Hair Design Gram』。鉄でできた特徴的な「g」のサインが目印で、ショップスタッフや第一線で活躍するクリエイターなど、トレンドに敏感な人が足繁く通うことで知られるサロンです。前編では、“個性派サロン”といわれる理由を探るべく、サロンの中核を担っている蒲原弘典さんに、ご自身のキャリアや仕事のこだわり、空間性や働くスタッフの魅力についてお話を伺いました。
スキルはさることながら、趣味性の高さが魅力に
――美容師を志したきっかけを教えてください。
「僕は、商業高校卒なんですが、当時校則が本当に厳しくて、卒業後はもう少し規則にとらわれずにいたいと思っていました。サラリーマン以外の職を模索していたとき、雑誌で広告業界のヘアメイクの現場レポートを見て、すごく面白そうだなと。とはいえ、それまで僕は、床屋にしか行ったことがなくて(笑)。周りの友人たちからは、何をいっているんだと呆れられていましたね」
――どんな流れで『Hair Design Gram』に入社されたのですか?
「そもそも僕は新卒採用ではなくて、中途採用なんですね。学生時代、全日制の専門学校のヘアメイク科に通うかたわら、美容専門学校の通信教育で美容師免許取得に関する勉強をしていました。それでキャリアのスタートは、先生から紹介され学生時代からバイトをしていた、繁華街にある中洲のサロンでした。その後、福岡県小郡市にある家族向けサロンを経て、ここに入りました。スタッフにカルチャー好きの人が多いという噂を耳にしたことと、古門戸町の落ち着いた環境がいいと思いました」
――それまで働いていたサロンとの違いはありましたか?
「そうですね。それまでは、好きな音楽や本、イベントなどのプライベートな話をできる人が周りにはあまりいませんでした。自分と感覚が合う人と働きたいと思ったことから、転職した感じです」
経験値をフルに生かした、高い提案力
――美容師としてのこだわりとは?
「お客様に、ここで何か新しい発見をしてほしいといつも考えています。意外と似合うヘアスタイルだったり、普段出会うことのない情報を手にしたりなど。
僕は本好きなので、接客しながらお客様の好みそうな本を、おすすめの一言を添えてお渡ししていますね。ヘアスタイルも、似合いそうなカラーやデザインがあれば積極的にご提案します。それがしっかりできるよう、普段から心に余裕を持って働くことも大事にしています」
――サロンの中ではどんな存在ですか?
「うちのサロンはスタイリストかアシスタントかの違いしかなく、後輩・先輩の区切りがないので、それぞれ直接意見をぶつけられるんです。だから僕も、後輩からも指摘を受けること、よくあるんですが(笑)。あとサロンのブログで作品をよくあげているので、表現することを伝えることを大切にしている、とよく言われます」
――サロンワークで大切にしていることとは?
「毎日が本番だと思って、気をぬかないようにしています。アシスタント時代、オーナーから、人形相手の練習ばかりしていないで、周りの方に協力してもらってリアルな経験を積んでいきなさいといわれていました。また、『Hair Design Gram』の特徴のひとつでもあるんですが、入社何年でスタイリストになるとか、そういった決まりごとがないんですね。決まりごとを作ると、その範囲でやっていれば大丈夫となってしまうことも多いので、なんに対しても自らの考えで動くことを意識して働いています」
後編では、『Hair Design Gram』のスタッフ構成や師匠であるオーナー・渡辺さんについて、職場環境作りから採用にまつわるお話まで詳しく伺っていきます。
ルックスより個性を大切にする『Hair Design Gram』>>