うっかりすると違法行為?サロンで流すBGMや映像を考える

ビューティサロン、ネイルサロン、エステサロン。カフェやレストランなど、接客業のお店では、雰囲気を演出するためにBGMや映像を当たり前のように使っています。仕事の内容やサービス、店内のインテリアとBGMや映像がぴったり合っていると、センスのいいお店だな、という印象を与えることができる大切な演出のひとつです。

ところで、そのBGMや映像は何を利用していますか?

BGMや映像は、個人が楽しむ分にはまったく問題はありません。
けれども、お店などで使用する場合は、「著作権」が問題になることもあります。そこで、どういう使い方が違法になるのか、しっかり理解して利用することが大切なのです。

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音楽をお店で使用する場合

自分で購入したCDなのだから、自分のお店で使うのは自由でしょ?……と思う人は少なくありません。けれども、それは、あくまでも自宅や自分の事務所などで楽しむ場合に限るのです。

日本では、ほぼ大半の音楽著作権は、「JASRAC(一般社団法人・日本音楽著作権協会)」が管理しています。カフェやレストラン、美容室などの「お店」でCDをかける場合には、原則的にはJASRACに「著作権使用料」を支払う必要があるのです。

あなたがCDを買ったということは、CDという「物」の所有権はあなたにあるのですが、音楽の著作権まで購入したというわけではありません。お店でお客さまに聴かせるためにCDをかける行為は、「営業行為の一環」にあたるため、著作権を支払う必要があるのです。

もちろん、iPodやパソコンなどに取り込んだ音楽を流すのも同じになります。ただし、お店の従業員が休憩する場所や事務所などで使用する場合は支払う必要はありません。

著作権使用料(CD)の支払い方法は?

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著作権使用料は、JASRACに申し込んで許可を得てから料金を支払う手続きをします。JASRACのホームページの「音楽をつかう方」のページに、いろいろなお店や施設で音楽を利用する場合の申し込み方が書いてあります。

著作権使用料の目安(年額使用料)をご紹介しましょう。
・ 区分1…店舗等の面積が500㎡まで→6,000円
・ 区分2…店舗の面積が1,000㎡まで→10,000円
・ 区分3…店舗の面積が3,000㎡まで→20,000円
・ 区分4…店舗の面積が6,000㎡まで→30,000円
・ 区分5…店舗の面積が9,000㎡まで→40,000円
・ 区分6…9,000㎡を超える場合→50,000円

大型店舗ではない限り支払い可能な金額でしょう。JASRACと正式な手続きをして利用料を納めれば、「利用許諾契約」をした契約店という証明ステッカーを交付してもらえます。

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DVDをお店で上映する場合

CDと同様に、映画やアニメーションなどをお店で上映するときには使用料を支払う必要があります。ただし、映像関係はJASRACのような団体はないので「業務用DVD」というシステムを利用することになります。業務用DVDを扱う業者は、映画やアニメーションの著作権を持っている映画会社から許諾を受けた業務用DVDを持っています。

お店で映像を使用したい場合は、それを借りることになるのです。業務用DVDを上映したい場合は、各メーカーに問い合わせをしましょう。「JVA(JAPAN VIDEO SOFTWARE ASSOCIATION)」のホームページ「ビデオコピライトFAQ」のページには、「上映用・業務用問合せ窓口一覧」があります。

USENの場合はどうなるの?

「USEN=有線」は、昔からお店のBGMとして、多くの店舗が利用しています。USENの場合は、利用者に変わってJASRACに著作権利用の手続きと支払いをしてくれるのです。加入すれば契約店である証明ステッカーをもらえます。USENへの申し込みや資料請求は、USENのホームページからや電話でできるのです。

TV放送は流していいの?

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カフェやレストランで、スポーツの試合などTV番組を大型スクリーンで流しているのをよく見かけます。これも「集客目的」になるので著作権違反とみなされることが多いのです。原則としては、その番組と放送局の両方に許可をとる必要があります。放送したい番組のテレビ局に問い合わせをしてください。

バレなければ大丈夫なのでは?

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サロンで勝手にCDやDVDなどを使っても、警察などが見回りをしているわけではないので「バレなければ大丈夫でしょ?」と楽観視している人も少なくありません。けれども、2015年にはJASRACが簡易裁判所に対して、使用料支払いを求める調停を(171の業者と258の施設に対して)申し立てています。

バレなければ大丈夫……というのは、通用しないと思ったほうがいいでしょう。
著作権料未払いで訴えられるのは、営業的にもイメージのいいものではありません。サロンの雰囲気に合ったBGMや映像は、よりお店の雰囲気をアップしてくれる大切なツールです。お客さまにすてきな空間とサービスを楽しんでもらうためにも、きちんと手続きをしてから利用するようにしましょう。

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