賢く買っておしゃれに!人気スタイリスト・福田栄華さん流買い物術 #1

「かわいいから」「旬だから」「流行っているから」ではなく、「この服は胸まわりにシャーリングがあるからやせて見える」「この丈のスカートは脚長効果がある」など、スタイリング1体1体にきちんとした理由がある理論派スタイリスト・福田栄華さん。

“大人のプチプラ着こなし術”の第一人者として、TVや雑誌でその名前を目にしたことがある人もいるかもしれません。実は福田さんが、プチプラファッションに目覚めたのは、子どもが産まれてから。それまでは「稼いだギャラのすべてをファッションにつぎ込んでいた(笑)」と言います。

それがなぜプチプラファッションを楽しむようになったのか? そんな話も含めて、今すぐ役立つ、サロンでも着こなせる、そんな賢い楽しみ方をお聞きしました。

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2月末までが勝負。来期使えるアイテムを買うチャンスです!

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福田さんが今年の年明けセールで買った、次の冬にも使える戦利品。

年間を通してさまざまなセールが開催されますが、年明けのセールがいちばん値下げ率が高く、買い時だと福田さんは言います。「でも、パトロールは前年から開始。ショップやネットを見て回り、欲しいものをチェック。なぜ前もってパトロールしておくかというと、ファッションマニアたちは“年明けがいちばんお買い得”ということを知っているから、いざセールが始まると押し寄せるんです。それこそ店内は身動きできない状態に。だからこそ先に商品の確認はもちろん、店の動線や配置も調べておき、セールが始まったとき、混雑する中、効率良く欲しい商品をゲットできるようにしておくんです。また、ネットに関しては、欲しい商品をあらかじめカートに入れておくとキープがかかり、年明け値下げするとその連絡が来ます。こちらはとても便利でストレスフリーな買い物術。それにネットは店頭で売り切れていたものが見つかる確率も大!『売り切れてた~!』というときは、ぜひネットをリサーチしてみてください」

とはいえ、年明けになると春ものが並び、外はまだ極寒だというのに、ついそちらに目が奪われがちですが……。「気持ちはわかります。でもその年の春ものの本番が始まるのは3月から。1~2月に出るものはトレンチコートやカーディガンなど定番もので、すでに持っていたりするものが多いんですね。だからとくに焦って買う必要はありません。ですので1~2月は、“今年の冬~来年の冬”に使えるような“ちょっといいもの”を安く買うことをおすすめします。写真のファーのポンポンチャーム(ユナイテッド・アローズ)にグリーンのチェックのストール(ブランドはとくになし)も、年明けに半額で買った戦利品。こうした定番モノなら流行に流されず、今年の冬も使えますからね」

<福田さんが必ずチェックするネットショップ>

YOOX

インポートものの靴を買うなら、ここ!シーズン最後の値下げ率もハンパありません。デザインが良くて大好きなイタリア靴も、ここなら1万円以下、ときには5000円で手に入れています。

ZOZOTOWN

商品数の多さはやはりピカイチ。店頭で売り切れていたものを探すときは“ZOZO”に頼ることが多いですね。

ELLE SHOP

隠れた名品が多いWEBショップ。モードな品揃えなので、いつもの着こなしのスパイスになるような服や小物がそろっています。

アイルミネ

あの「ルミネ」の公式WEBショップ。旬の若い子ブランドがそろうので、小物をチェック。流行をチェックするのにも役立ちます。

安っぽく見せない! プチプラ買い福田流テクニック

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20代の頃は、ファッション雑誌「CanCam」(小学館)のスタイリストとして大活躍。しかも実家暮らしだったため、手にしたギャラはすべてファッションにつぎ込むことができたという福田さん。ところが、結婚・出産を経て状況は一変!限られた収入の中、生活と両立させながらおしゃれを楽しまざるを得ない状況に。

「そこからです、私のプチプラ買いが始まったのは。でも値段が値段だけに、頑張っていいモノを探さないと安っぽさが出てしまうんです」そこで、福田流プチプラファッションの買い方のコツを教えてもらいました!

デザインがシンプルなものを

「安いメーカーのものって、なぜかごちゃごちゃと装飾過多なモノが多いんですね。でも、これだと安っぽさ全開!白いシャツやデニム、装飾のないシンプルなニット類、Tシャツに限っては無地か、もしくは英字のシンプルなロゴが入ったものなどを狙いましょう」

淡い色よりも濃い色を!

「プチプラ服のパステルカラーも、これまたチープ……発色が悪いんですね。だからこそ、濃い色を探してください。たとえばネイビーも濃度が薄いと貧相に見えますが、こっくりと濃いネイビーは上質に見えます。だからこそ、意識して濃い色を選んでください」

意外な落とし穴。ボタン

「皆さん、見落としがちなんですが、プチプラ服でデザインはいいのに、ボタンがチープというもの、すごく多いんですね。私など付け替えてしまいますが、プチプラ服を買う際、ボタンはチェック項目ですよ」

まずはこの3点を意識して買うだけで、プチプラ服のセレクトが変わるはず、と福田さんは言います。それともう1つ。

「普段からファッション誌やネットでハイブランドの服を見ておくことも大切。プチプラブランドでは、“似たデザイン”のものが必ず出ていますから、それを買うのも“アタリ服”を買う、1つのテクニックです。ただし、ちょっとでも迷ったら買わないこと!せっかく安く買っても、たんすのこやしになっては意味がないですからね」

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プチプラコーディネートは、小物で今っぽさをプラス

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シンプルなデニムスタイルも、足元に旬を取り入れて今っぽく。

「先に挙げた条件でプチプラファッションを買ってコーディネートを組むと、シンプルで、ベーシックなスタイリングになるんですね。確かにハズさないスタイリングではあるんですが、でもそれだけだとやはりファッションとして寂しい。だから小物で今っぽさや女性らしさをプラスしていきましょう」と福田さん。

そして小物も“ブランド”にこだわる必要はないといいます。「今、靴やアクセサリーもプチプラでいいものがたくさん出ています。それらを上手に着こなしに取り入れてみてください。何でもないシンプルなスタイルでも、靴をビビッドな色のパンプスにしてみるだけでぐっと今っぽい着こなしになりますよ」

また、福田さん自身が愛用している、不変の万能小物は『コンバース』のスニーカーとパールのネックレスだそう。「この2つはホンット永遠に使えるアイテム!パールはどんなスタイルにも合い、そして着こなし全体を格上げしてくれます。もちろん普段の着こなしですから、本物である必要はありません。『オーサムストアー』などで上質なフェイクパールが売っていますから、それを使ってください。そして『コンバース』!こちらも永遠。スカートやジャケットスタイルに合わせるといい感じに着こなしを崩してくれ、“こなれ感”を演出してくれるんですよ。キャンバス地でもいいのですが、35歳以上でしたら、大人っぽいレザータイプもおすすめです」

取材・文/児玉響子

Profile

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福田栄華さん

1972年生まれ。スタイリスト。文化服装学院スタイリスト科卒業後、ファッション誌「CanCam」(小学館)にてアシスタントを経て独立。同誌で10年活動後、「CLASSY」(光文社)、「MISS」(世界文化社)など多くの女性誌で活躍。2012年、初めての著書「スタイリストが本音で語る 大人のおしゃれ再入門」(アスペクト)が大ヒット。最近では、シニアのスタイリングも手がけ、「いくつになってもおしゃれに 大人のシンプル着こなし入門」(朝日新聞出版)を出版。反響を呼んでいる。

春ファッションを楽しむ。人気スタイリスト・福田栄華さん流買い物術 #2>>

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