春ファッションを楽しむ。人気スタイリスト・福田栄華さん流買い物術 #2

「かわいいから」「旬だから」「流行っているから」ではなく、「この服は胸まわりにシャーリングがあるからやせて見える」「この丈のスカートは脚長効果がある」など、スタイリング1体1体にきちんとした理由がある理論派スタイリスト・福田栄華さん。

“大人のプチプラ着こなし術”の第一人者として、TVや雑誌でその名前を目にしたことがある人もいるかもしれません。実は福田さんが、プチプラファッションに目覚めたのは、子どもが産まれてから。それまでは「稼いだギャラのすべてをファッションにつぎ込んでいた(笑)」と言います。

それがなぜプチプラファッションを楽しむようになったのか? そんな話も含めて、今すぐ役立つ、サロンでも着こなせる、そんな賢い楽しみ方をお聞きしました。

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サロン勤めのファッションで気をつけたいこと

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「このサイトをご覧になっている方々は、皆さん何かしらのサロンなどに勤めていらっしゃると思います。美容業界とファッション業界って通じるものがあって、美を提供する職業ですから、やはりある程度“旬”なものを身につけていないとお客さまへのアピールにならないと思うんですね。とはいえ、美容業界は他の職種に比べ、手先を使って、顔まわりやときにはボディにも触れることもあり、お客さまとの顔の距離が近いですよね。もし流行りだったとしても、あまり顔まわりや手首にジャラジャラとアクセサリーがついていたりすると、施術される方は気持ちのいいものではありません。それだけに、ちょっとおしゃれに制限かかかるかもしれませんね」と福田さん。

「でも、選び方次第で色々と楽しめますよ。これからの季節、おすすめなのは、七分袖のトップス。手先の動きを制限しませんし、着こなしもすっきりと見えるんですね。昔から言っているのですが、手首・足首というのはどんなに太っても、唯一太らないところ。ここを露出することによって着やせ効果もあるんです。そこへ手首にフィットするような、小ぶりで細身のブレスレットをプラスすれば、控えめながらもおしゃれに気を使っていることがわかる、好印象のファッションに。モデルたちに人気の『ジューシーロック』や、駅ビルなどにも入っている『アネモネ』などはプチプラでありながら、最旬のデザインのアクセサリーがそろいますから、チェックしてみてください」

インパクトのある着こなしにしたいなら、靴で遊びましょう!

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「おしゃれは足元から」、昔から言われているファッション格言ですが、福田さんも「これは本当!」だと言います。「人というのは、服やアクセサリーにお金と気を使いがちで足まで手が回らないんですね。でも本当におしゃれな人というのは、足先まで気を使っている……その比喩なんです。先ほどサロンワークの場合、あまりアクセサリーで遊べないといいましたが、足元だったら思う存分、遊べます。去年からブームの紐ぐつや厚底靴に加え、今年の春夏は、ビビッドなカラーのパンプスやストラップシューズ、プリントものがきますから、それらを普段の着こなしに取り入れるだけで今年っぽい表情になりますよ。今、1万円以下で買える、デザインもクオリティもいいシューズブランドはたくさんありますから、ぜひチェックしてみてください」

ただ靴の合わせ方にもちょっとしたコツがあるとか。「とにかく今の着こなしで大切なのは、“こなれ感”。やたらと耳にする言葉ですよね。これは服をきっちりと着るのではなく、着こなしのどこかを崩して、おしゃれ上級者に見せるコーディネート術。ですから、靴もカジュアルなファッションにはあえてパンプスを、女性らしいスカートスタイルにスニーカーを合わせてハズし、こなれ感を出してください」

<1万円以下で買える、おすすめシューズブランド>

ルタロン
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2017年春夏、押さえておきたいトレンド・キーワード

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ビッグメゾンで春夏コレクションが開催され、次のシーズンのトレンドが発表・予測されますが、やはりショーの服を私たち一般人がそのまま着るわけにはいきません!そこで福田さんに、一般人にも取り入れやすそうな、この春夏のキーワードをお聞きしました。「春夏コレクションというのは、やはり季節柄、パンチの効いた元気なデザインや色が多いんですね。その中でも今年、一般市場でも出回りそうなのが“プリント・ボタニカル柄・アフリカンテイスト”の3つだと思います。だからこれらは何かしら1点買っておくと重宝しますよ。

とにかく今年はプリントものが圧倒的に多い!中でもボタニカル(植物柄)!とはいえ、プリントものやボタニカル柄って、苦手な人もいますよね。そういう人はトップスにもってくるのではなく、顔から離れるボトムスや靴、もしくはバッグなどの小物で取り入れてみてください。そうすると取り入れやすくなりますよ。また、パンキッシュなアフリカンテイストの服も出回るんじゃないかしら?こちらもかなりインパクトのあるものなので、シンプルな着こなしに1点取り入れるくらいがベストだと思います。アフリカンテイストの木のアクセサリーなんかを取り入れるのもおすすめです」

でも、この今年の3大要素、かなり“くせもの”で個性的。おしゃれがあまり得意じゃないという人にはハードルが高い気も……。「確かに無地・ダークカラーが好きな日本人にとって、プリントものってハードルが高いんですよね(笑)。いくら小物で取り入れてくださいと言っても、やはり好き嫌いもあると思います。そんな人たちにおすすめなキーワードは“アシンメトリー”。カットソーやスカートで、前後の長さが違うデザイン見たことありますよね?あれが“アシンメトリー”です。これは意外にもスタイルを良く見せる効果があり、無地のデザインのものが多いので、普段の着こなしに取り入れやすいですよ」

取材・文/児玉響子

Profile

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福田栄華さん

1972年生まれ。スタイリスト。文化服装学院スタイリスト科卒業後、ファッション誌「CanCam」(小学館)にてアシスタントを経て独立。同誌で10年活動後、「CLASSY」(光文社)、「MISS」(世界文化社)など多くの女性誌で活躍。2012年、初めての著書「スタイリストが本音で語る 大人のおしゃれ再入門」(アスペクト)が大ヒット。最近では、シニアのスタイリングも手がけ、「いくつになってもおしゃれに 大人のシンプル着こなし入門」(朝日新聞出版)を出版。反響を呼んでいる。

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