整体師の基本の知識。なり方は?必要な資格は?最短期間は?
東洋医学の考えをベースとし、体の痛みや不調を改善したり予防したりすることを、仕事とするのが整体師です。パソコンやスマホなどによる目の疲れを原因とする肩こり、デスクワークによる腰痛など、今や現代病ともいわれる体調の不良は日常の生活だけではなく、美容にも悪い影響を与えるといわれています。骨格を正しい位置に直すことで小顔にしたり、体全体の姿勢や顔の歪みを改善させたり、血行やリンパの流れを良くすることによって新陳代謝をアップさせ、肌の状態を改善することも期待できるといわれているのです。
そこで、日常生活のなかで感じる体の不調や改善したいと思う部分への、悩み解決の手助けをする仕事、整体師になるための具体的な方法について解説します。
専門学校、大学、通信講座。整体師になるためにすすむべきルートとは?
整体師になりたいと思ったら、専門の知識や技術を学ぶ必要があります。整体師になりたいと考えたとき、学ぶ方法として検討するものは主に、専門学校・大学・通信講座の3つではないでしょうか。整体師になるための学校やコースに対して、決まったカリキュラムは定められていないため、学校やスクールによって学習内容はさまざまです。このため、一概にいうことはできませんが、一般的には専門学校が推奨されるルートです。専門的な知識を、基本からじっくりと学ぶことができるからです。また、通学制であるため、整体師として大切な実践的技術を正しく学ぶことができるという点も利点となっています。整体師を育てる専門学校のなかには、日中にほかの学校へ通っていたり仕事をしたりしているため通学することが難しいという人向けに、土日だけの授業で組まれているコースや夜間授業を行っているコースを用意しているところもあります。また、整体院の付属として専門学校が存在するところもあり、実践的な研修や就職へのフォロー体制が整備されている学校もあります。同じ通学制であっても、大学には整体師を目指すための専門学部や学科のある学校はありません。大学で学びたい場合には、整体師の知識や技術と直結しませんが、ほかの医療系学部に入り、体のつくりや仕組みを学ぶことで活かすことは可能です。学校に通学して学ぶことができない、あるいは通わずに学びたいと考えている人が選択できる方法として、通信講座が挙げられます。通信講座では多くの場合、講座を行っているスクールが発行するテキストを使用して知識を学び、DVDの視聴により実技を学びますが、整体師は実技が重要な仕事であるため、スクーリングが取り入れられている講座もあります。通学制の学校や通信講座以外にも、短期の講座やセミナーが開かれているところもあります。
それぞれの特徴を比べて、自分のライフスタイルに合った方法で整体師を目指すと良いでしょう。
独学でもなれる?学校へ通わずに整体師になる方法
専門学校や大学に通学したり通信講座を受講したりすることで、専門的なカリキュラムに沿って学ぶ方法は、整体師になりたいと思っている人にとって安心の学習方法です。実際に、そのような方法で知識や技術を学んで整体師になる人は少なくありません。しかし、実際に学校へ行ったり通信講座を受けたりすると、どうしてもそれなりの費用がかかってしまいます。そこで、経済的な負担を少しでも軽くしたい場合に検討する方法が、独学ではないでしょうか。整体師には、独学でもなることは可能です。たとえば、市販のテキストを購入して知識を学び、DVDやオンラインで視聴することができる講座を利用して、整体師として必要となる技術を学びます。一般的に本屋で販売されているテキストは、整体師として現場で活躍している人や、整体師を目指す人向けの学校や講座で先生として教壇に立っている人により監修されているものであるため、実践に必要な知識を学ぶことが可能となります。また、DVDなどを利用することで自分の自由な時間に何度でも視聴することができますから、じっくりと学ぶことも可能となるでしょう。ただし、整体師の仕事に就くためには、何より施術につながる実践的なスキルが大切です。何度も熱心に視聴して理解していると頭では思っていても、実際に施術を行ってみると理解できていないことを自覚したり、疑問点が出てきたりすることもあります。プロとして整体師となったら、お客様に対してひとりで施術を行わなければならないため、学びの期間に基本から正しくしっかりとスキルを植え付けておくことが必要です。独学の場合でも、整体師を育成するスクールや整体院を経営している整体師による短期のセミナー、講座などを活用して、実践的なスキルも必ず学んでおきましょう。
取得しておくものとは?整体師に必要な資格
整体師になるために、取得しなければいけない資格はありません。柔道整体師や鍼灸師、あん摩マッサージ師などのような国家資格とは異なり、整体師は特定の資格を取得しなければ働くことができないという法律の決まりはなく、あるのは民間の資格だけです。しかし、整体師として働くためには、実際に人の体に触れて施術を行うこととなるため、専門的な知識や技術の取得は不可欠となります。特に、体の不調を改善させるための仕事である整体師にとって、基礎的な医学の知識を学び知っておくことは基本です。また、施術の目的とする正常時の体のつくりや働きを正しく知っておくためにも、解剖学や生理学は必須の学問となります。お客様の希望や悩みを解決するためには体のどの部分を施術し、どのように骨格を矯正すれば良いのかという施術方法を考えるうえで、不可欠な知識となるからです。的確な施術をスムーズに行うことができなければ、お客様からのクレームにつながるばかりか、健康を逆に悪化させるという取り返しのつかないことにもなりかねません。資格は不要でも、自身が困らないためにもしっかりと正しい知識をつけておきましょう。そしてさらに、学問的な目的だけではく、実際に現場で仕事を行うようになったときに困らないために、整体における専門的な用語を知っておくことも必要です。現場でスムーズに仕事を進めるために、一緒に働く整体師やスタッフとの会話で専門用語が使用されていることは多いため、知っておくことで安心して業務に従事することが可能となります。
早くなりたい!整体師になるまでにかかる期間の最短はどのくらい?
整体師を目指している人のなかには、現在就いている仕事に活かしたい、体に悩む患者さんを助ける知識を持ちたい、手に職をつけておきたい、将来開業して自分だけのお店を持てる仕事がしたいなど、さまざまな理由を持っている人がいることでしょう。なかには、少しでも早くその夢を叶えたいという想いを持っている人もいるかもしれません。整体師になるためには決まった道のりがあるわけではないため、実際に仕事に就くまでの期間は、はっきりとしていないのが実状です。どのような勉強方法を選択し、どのくらいの期間を学習に充てたいかによって、人それぞれ異なってきます。たとえば、知識がゼロの状態から整体師を目指し、専門の学校に通う場合には、その学校で通う授業コースの長さが整体師になるために費やす期間となります。通信講座を受講する場合も同様で、講座が終了するまでの期間が整体師になるまでにかかる期間です。一般的には短くても3カ月から半年、長ければ1年から2年ほどの期間を有します。期間が定められていないのが独学です。学習の進む速度を自分で調整することが可能であるため、努力次第で整体師になるまでの期間を短くすることも可能となります。最短で整復師になりたいという人には、適しているといえるでしょう。ただし、整体師として実際に仕事をしたときに自分自身も困らないためにも、基本となる専門的な知識とスキルは学びの期間で十分に蓄えておくことが大切です。特別に急ぎで整体師にならなければいけない理由がない場合には、慌てずに十分に学習することができる期間を確保しておくことが安心です。