スポーツトレーナーになるにはどのような勉強をすればいいの? 必要になる知識や勉強の仕方についてお伝えします
スポーツの人気はどの時代でも変わらず、最近では特にマイナースポーツの人気も出てきています。
スポーツが好きな人の中には、マネージャーのようなサポートをする方が好きだと言う人もいます。そういった人は、スポーツトレーナーとして選手のサポートを行うのも良いでしょう。
現在の日本では、スポーツトレーナーに関係のある資格はすべて民間資格となっている為、職業的な地位は高いとは言えないのが現状です。
そんな中アメリカでは、スポーツトレーナーの国家資格がある為、地位も認められています。
それでも日本で働くスポーツトレーナーは、選手にとっては確実に必要不可欠な存在です。
今回は、日本でスポーツトレーナーを始める際に必要な知識・技術・経験について詳しく説明していきたいと思います。
スポーツトレーナーに必要となる知識
スポーツトレーナーに求められる知識・技術・経験は、クライアントによっても大きく違ってきます。
一般の人に対してサポートを行う場合、実業団など本格的にスポーツをしている人に対してサポートを行う、プロアスリートなど高い専門知識や技術力でサポートを行うの3つがあります。
パフォーマンスを向上させるトレーニング方法・知識
スポーツ選手をサポートする仕事の1つに、パフォーマンス向上があります。
試合といった本番において、必要な力が発揮されるには競技的な技術以外にも要素がたくさんあり、精神的な部分や身体的な能力も問われます。
スポーツトレーナーの役割としては、身体的な能力の向上が仕事になるため、普段からストレッチやトレーニングのメニュー立案、練習後のケアを行わなければなりません。
担当する選手の現状と、目標に対して具体的なプランを立てて、納得した上で実行と改良を繰り返します。
競技や選手個人によって、トレーニング法の向き不向きがあるため、臨機応変に対応できる知識や技術があるかも試されるでしょう。
ケガの応急処置やリハビリのサポート
パフォーマンスを向上させる以外にも、万が一ケガをしてしまった際の応急処置や、ケガ後に復帰するためのリハビリをサポートしていく役割もあります。
これは資格によって出来る内容も変わってきますが、医療系の資格を取得している人はそういったサポートが可能です。
ただし、資格の必要ないテーピング技術や、一般的なマッサージに関しては、知識と技術があれば誰でも行うことは可能なので、習得しておくといざというときに役立ちます。
リハビリに関しては、理学療法士や柔道整復師、医師の資格を持った人であれば専門的なサポートが行えるため、選手にとっても必要な存在となるでしょう。
選手やコーチなどとのコミュニケーション能力
専門的な知識や技術はもちろんですが、重要なことのひとつにコミュニケーション能力があります。
クライアントである選手に対して、痛みや病気、気分などの情報をしっかりと聞き出し、それらの状況に対して適切な処置を行っていかなければなりません。
選手と上手に意思疎通が出来なければ、必要なサポートが行えず、ケガをしてしまったり、復帰までに時間がかかってしまったりする可能性も考えられます。
また、コーチや監督、他のスタッフといった人たちとも情報共有を行い、選手を中心に協力サポート体制が作れているかも大切です。
プロアスリート個人との契約であれば、1対1で深い付き合いをしていきますが、チームや企業などであれば、周りとの協力がより求められるでしょう。
スポーツトレーナーの勉強の仕方
最初でも述べたように日本ではスポーツトレーナーは国家資格ではなく、民間資格となります。
そのため、資格を何も持っていない人がスポーツトレーナーとして働くことも不可能ではありません。
しかし、何も知識や技術を持っていなければ意味がないので、必要な勉強をしていかなければなりません。
インターネットなどから最新情報を手に入れる
現代社会では、ネットから世界中のあらゆる情報を手に入れることが可能です。
スポーツトレーナー、スポーツ指導者、選手が行っているトレーニング法やストレッチなど、最新情報を発信しているサイトや、動画サイトに投稿されている情報まで、調べることが出来ます。
古い情報が載っている昔の教科書で勉強するよりも、ネットを使うことで、とても効率の良い勉強ができると言えるでしょう。
また、語学が得意であれば公開されている海外の論文なども読むことで、最新のスポーツ科学に基づいたトレーニングや指導法を学ぶこともできます。
すべての情報を鵜呑みにしない
パソコンを利用して勉強する際は、載っている情報が全て正しいとは限らないのでしっかりと自分で判断ができないと間違った情報を元に勉強をしてしまう恐れがあります。
有名なスポーツトレーナーや指導者による動画だからと言って、全てが正しいとも限りません。
つまり、ネットによる情報は、あくまで参考程度にするべきであり、それを中心に勉強をしてはならないと言うことが言えます。
スポーツセミナーに参加して知識を得る
様々なスポーツ団体や、個人的にスポーツトレーナー・指導者によるセミナーが開催されていることもあります。
参加制限・参加条件が設けられているセミナーもありますが、ネットやスポーツ団体の窓口に問い合わせてみると、意外と多く開催されてるのでチェックして参加してみましょう。
プロアスリート選手をサポートしているスポーツトレーナーであれば、参加してみないと得られないような現場の生の声や、指導法などを知ることが出来ます。
また、そこで交流を深められれば、仕事を得たり、他の参加したスポーツトレーナーとの情報交換なども可能になったりするでしょう。
専門学校でスポーツ理論を学ぶ
最も確実に安定して勉強をすることが出来る方法は、スポーツトレーナーになることの出来る専門学校に通うことです。
アスレティックトレーナー資格を取得することも可能なので、時間や費用に余裕がある人は、確実に専門学校で知識・技術を身につけると良いかもしれません。
全国各地に専門学校がありますが、取得できる資格によっても通うべき専門学校が変わってくるため、事前に情報収集を行い、しっかりと検討してから通うようにしましょう。
スポーツトレーナーには知識だけではなく対応能力も必要
本格的にスポーツをしている選手をサポートしていく場合には、特に知識や技術だけではカバーしきれない場面も出てきます。
競技者としての経験もプラスに働くことはありますが、やはりスポーツトレーナーとしての経験が最も必要になってくるでしょう。
予期せぬことで短時間での判断が必要になる場合も
激しいコンタクトスポーツや、ケガのリスクが高いスポーツであれば、ケガをしない選手はいないはずです。
そういったスポーツ選手のスポーツトレーナーである場合、ケガの際に応急処置を素早く行わなければなりません。
時には継続を断念したり、応急処置だけ施して復帰させたりする事もあり得ます。その場合、テーピングを素早く行い、痛みやケガの部位に対して悪化しないような処置を施します。
継続が困難で休ませなければならない場合でも、次の復帰に向けて最善の処置を行い、自分が可能な最大限のサポートを行わなければなりません。
時には選手生命にも関わるような場面もあるため、やりがいもある一方で責任も非常に大きな仕事だと言えます。
選手によっては知識だけではなく経験も必要になる
単にケガの処置を行ったり、痛みに対しての施術を行ったりするだけでは、判断が不十分だという事もあります。
選手によっては同じケガを繰り返していたり、他の要因で痛みを引き起こしていたりするという事も。
スポーツトレーナーは選手からのヒアリングだけでなく、今までのケガ歴や他の痛みや動作による原因を探ることも時には必要です。
また、選手自身の年齢や目標、身体の状況によっても同じケガや痛みに対して対処の仕方が違ってきます。
資格を持っているだけでは意味がない
スポーツトレーナーは、資格自体に意味があるわけでなく、必要な状況に必要な対処が出来るか否かが最も求められる能力です。
医者もそうですが、診断をして病名が分かっても、治療法が分からずに対処できなければ全く意味が無いと言えますし、スポーツ選手も同様に、痛みや動作に対して正確に対処して改善できなければ知識も技術も意味を成しません。
スポーツトレーナー次第でアスリートの能力を大幅に上げることが出来ます
スポーツトレーナーはスポーツ選手だけでなく、コーチや監督、周囲のスタッフとも上手く連携して質の高いサポートをしていかなければなりません。
もちろん、1人で全てに対応できるわけではないため、状況によっては他のスタッフや専門家にサポートを任せたり、引き受けたりすることもあるでしょう。
情報共有をしっかりと行い、選手やチームのためにどれだけ力を発揮していけるかは常に意識してサポートをしていきましょう。