ブランクがある美容師でも働きやすい復帰後の3つの選択肢

“ブランクがあるけれど、美容師に復帰したいという人も多いでしょう。しかし、特に結婚や出産をきっかけに仕事を辞めた人の場合、復帰しても長時間は働けないケースが少なくありません。

しかし一般的なサロン勤務の形式でなければ、必ずしも長時間働く必要はありません。シフト制・業務委託・面貸しなどの選択肢で、自分が働く時間を自由に決めることはできます。昔と違い、これらの働き方をサポートする仲介サービスもたくさん登場しています。ブランク前のイメージより、実際に働き始めると簡単に感じることが多いでしょう。ここでは、このような「ブランク明けの美容師の復帰で、検討したい選択肢」をまとめます。

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シフト制のサロンなら好きな時間・曜日に働ける

シフト制は飲食店のアルバイトなどではよく見られる形態ですが、美容院ではこれまで少数派でした。営業時間が飲食店より短いので「最初から最後まで全員いる」というパターンが多かったのです。

しかし最近は少子化で美容業界も人材不足になり、ブランク明けの人材の活用が課題となっています。そのため育児や親の介護をしている美容師でも働きやすいように、シフト制を導入するサロンも増えています。特に会社組織として大々的に経営しているサロンで多く見られるパターンです。

シフト制であれば、たとえば「子どもが学校から帰ってくる夕方には上がりたい」などの希望を出すことができます。サロンの面接時にそのような希望を伝えれば、その条件で仕事に復帰できるでしょう。

また「フルタイムで勤務できるけど土日は休みたい」ということであれば、そのようなシフト希望を出すこともできます。通常は土日に完全に休みを取れる美容院は少ないのですが、それはシフト制でない場合で、シフト制ならこのような希望も出せます。

基本的に休日や時間に関する希望が少ないほど採用されやすくなります。しかし店舗によっては「ちょうど午前中だけが足りない」とか「土日だけが足りない」ということもあります。そのような「店舗が人を入れたい曜日・時間」に合致する希望であれば、むしろフルタイム希望の美容師より採用されやすいということもあります。

特に個人店で経営が順調に行き始めたお店などは、オーナーが経営全般の仕事に回る必要が生じます。そのため「時間はいつでもいいからとにかくオーナーに自由時間を作ってくれればいい」というスタイルで募集をしていることもあります。このようなサロンであれば、特にシフト制の勤務希望が通りやすくなるでしょう。

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業務委託は収入が不安定だけど時間の自由が利く

時間の自由が利く美容師の働き方では「業務委託」もあります。サロン内の美容師は全員個人として働いていて、サロンは場所だけ提供しているというものです。このスタイルだと月給が保証されていない代わりに歩合制で自分の取り分も増えますし、好きな日時に働くことができます。

好きな日時と言っても歩合制なので「働く時間が減れば減るほど収入が減る」というデメリットがあります。しかし、収入にはこだわらないから好きな時間に働けるのが一番いいという場合は、業務委託は最適なスタイルの1つです。シフト制よりも自由度が高いので、育児や介護などの家庭の事情に合わせて働くことができるでしょう。

また業務委託のメリットとして「サロン内の人間関係にあまりこだわらなくてもいい」という点があります。全員同じ店舗の従業員ではなく、「同じ場所を使っているだけの完全な個人」だからです。もちろんお客様から見たら「1つの店舗のスタッフ」ですし、ある程度の連携は必要です。しかし、仕事上必要な連携をしっかりしていれば、プライベートで濃い付き合いをする必要がありません。以前美容師の仕事を辞めた理由が「人間関係」だった場合は、その点でも業務委託にはメリットがあります。

デメリットとしては、業務委託は「収入が安定しない」というのがネックです。一応出勤日数などに応じて一定の報酬を出してくれるサロンもありますが、基本的には完全歩合制なので毎月の収入には波があります。「収入が不安定でも時間の自由が利く方がいい」という美容師に向いているスタイルです。もしくは「ブランク明けだけど稼ぐ自信があるのでガッツリ働いて稼ぎたい」という美容師にも向いています。

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面貸しサロンなら、休日も時間も完全に自由

業務委託がさらに進化したスタイルが面貸しです。サロンの1席だけを自分のものとして借りてそこで「独自のサロン」を運営するものです。たとえばサロンがAという名前だったら、その中で自分のサロンBを開業します。住所は「サロンA内B」という表記になります。もちろんあえてBという名前を付けなくても個人名で運営してもかまいません。

面貸しも業務委託と同様に働く曜日や時間を自由に決めることができます。業務委託だと「土日は最低何日出勤しなければいけない」などの制限もある程度ありますが、面貸しでそのような制限は一切ありません。サロンに対して「席のレンタル料金」を月額で払っているので、サロン側からの注文は何もないのです。店舗の品位を落とすようなことさえしなければすべて自由です。

面貸しは独立開業にも近いものなので、いきなり踏み出すのは抵抗がある人もいるかもしれません。ブランク明けでまだ自信がないという場合には、業務委託から始めた方がいいでしょう。業務委託なら自分で集客しなくても店舗が集客してくれます。そこでスタイリングの勘を取り戻し、面貸しとして独立しても付いて来てくれそうなお客様がある程度確保できたら、面貸しに移行するというやり方でもいいでしょう。サロンの中に業務委託・面貸しの両方に対応している所もあるので、そのようなサロンだったら業務委託から面貸しへのステップアップもやりやすくなります。

面貸しは日本ではまだまだ浸透していませんが、美容師の独立志向が強い欧米では一般的なスタイルです。面貸しを後押しするWEBサービスなども増えているため、日本でも面貸しスタイルで働く美容師が増えています。SNSなどを使ったセルフブランディングもやりやすくなっており、今後は以前より面貸しで働くことが容易になるでしょう。

自分に合った働き方から勤務するサロンを探そう

シフト制にしても業務委託や面貸しにしても最終的に「このスタイルが一番働きやすい」ということは決まっていません。シフト制より業務委託・面貸しの方が稼げるとも言われますが、押しの弱い控え目な性格の人だと、完全歩合のこれらのスタイルではむしろ稼げなくなることもあります。仮に稼げるにしても、業務委託や面貸しだと結果を出すために「むしろ勤務時間が増える」ということも人によってはあり得ます。一方、シフト制なら「これだけの時間勤務してこれだけの月収」ということが確定しているので、人によっては時間面でもシフト制の方が安心できていいかもしれません。

わかりやすく分類すると、美容師としてのレベルごとに「初級ならシフト制・中級なら業務委託・上級なら面貸し」がそれぞれ向いています。ここに個人の性格も絡んで適性が決まると考えてください。

どのスタイルを選ぶにしても、まずは多くの求人情報をチェックすることが大切です。同じシフト制の美容院でも自由度は店舗によってまったく違います。シフト制とは名ばかりの店舗もあるでしょうし、逆に業務委託に近いくらい自由に働かせてくれる店舗もあるでしょう。業務委託や面貸しについても同様で、報酬のバック率などあらゆる条件が店舗によって異なりますから、応募する前にできるだけ多くの求人情報を調べるべきです。

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