骨格や顔のパーツにまでこだわった「似合わせショート」で売上300万円を達成!「Memories」渡来俊彦さん

美容師にとって売れっ子か否かの基準のひとつとなる100万円の売上。なかなか達成できない人も多いなか、サロン勤務時代に200万円、独立後はマンツーマン施術で300万円を達成したのが「Memories」代表・渡来俊彦さんです。前編ではどのようにして売上を実現しているのかについて伺いました。

話しを伺ってわかったのは、「似合わせショート」のブランディング確立と、だれもが来やすいインスタの運用という2本の柱で、高い売上を実現したということ。以前に働いていたサロンで身につけた小顔カットをさらに進化させ、骨格、髪質、顔のパーツを総合し似合わせカットを実現しているという渡来さん。そこには細かなこだわりが詰まっていました。

今回お話を伺ったのは…

渡来俊彦さん

美容師・銀座「Memories」オーナー・美容師のためのオンラインサロン「SEED」オーナー
都内有名店で副店長を経て、30歳で独立。独立後は骨格や顔パーツにあわせたショートの似合わせ技術と、インスタに投稿しているビフォーアフター動画で人気を集め、アシスタントをつけずに、月の売上300万円を実現。その後、同じ銀座に拡張移転し、今では4名のスタッフを抱えている。現在、新規顧客の予約は2ヶ月待ち

ショートの似合わせでブランディングを確立!売上300万へ

渡来さんのもとにはその腕を頼って、今までショートをためらっていた人も多く訪れるという

──独立後、ひとりで300万円の売上を達成したとのことですが、どのようにして実現したのでしょうか?

ショートの似合わせを得意としているのでそのブランディングと、だれもが来やすいようにインスタを運用し集客に成功したことで、実現することができました。前に働いていたサロンが小顔を売りにしていたのですが、独立後はより特化させショートの小顔、似合わせをブランディングにしたのです。ショートのほうがよりシルエットがわかりやすいですし、骨格や髪質、顔のパーツとカットについて語れる人がほかにあまりいなかったことから、差別化が図れたのかなと思います。

──なるほど。サロンワークで心がけていることはどんなことでしょうか?

カウンセリングにしっかりと時間をかける、正面からどう見えるかにこだわる、長さを切りすぎない。この3つのことに気をつけています

まずカウンセリングですが、一枠に予約はふたりまでにして、1人ひとりにかける時間を多くとってきました。お客さまの要望、悩みをちゃんと聞きながらも、もっと素敵になるような提案を心がけています。たとえばお客さまから長さは切りたくないけれど、ボリュームを抑えたいという希望があれば、一歩踏み込んでもう少し短くするとボリュームが半分くらいになりますよ、と伝えることもあります。説明力、提案力は顧客満足度に直結すると思うので、大切にしていることのひとつです。カウンセリング、ヒアリングは前のサロンのときにたたき込まれきたので、その技術があがったのかなと思います。

横顔ではなく、正面から見た姿を重視したカットにこだわる

独立後1店舗を経て、現在の場所に店を構えている「Memories」

──正面からどう見えるかにこだわるというのは、具体的にはどういうことでしょうか?

ショートのカットをするとき、美容師目線で考えるとやはり真横からのシルエットを重視する方が多いと思います。理由は単純で、そのほうがインスタに映えますし、それがショートの醍醐味だからです。でもお客さまはほとんどの場合正面から、見えたとしてもちょっと斜めからしか自分を見る機会がないので、正面から見たカットがきちんと作れているかが大切なのかなと。

そこでカットの最中にしっかり自分の目でお客さまの顔を正面から見て、美しい、かわいい、悩みが気にならないというシルエットとバランスを心がけています。美容師はお客さまを真後ろから見ることが多いと思うのですが、さまざまな角度からお客さまの髪型を見ていくといろんなことに気づき、カットの幅が広がっていくと思うのでおすすめです。

──たしかに自分が見る姿は正面からがほとんどですよね。ほかにもこだわりはありますか?

流行っているヘアスタイル、メイクや眉の形にあわせた似合わせも意識しています。今でしたら薄めの前髪が流行っていますが、長めの前髪でも薄めにしたいという方が多いんです。元々ハチの目立つ方が薄めの前髪にすると、もっと目立って四角いシルエットになってしまうので、そういう人には奥行きをもう少しとってから薄めにするとバランスがよくなります、と伝えてカットします。このように時代性も考えた似合わせを実現していますね。

──長めに切るというのは、どういうことでしょうか?

僕は顎ラインくらいでショートを作ることが多いんです。正直もっと短くしたほうが、シルエットがきれいだし、かわいいスタイルができるのですが、お客さまからすると短すぎるということに気づきました。切ったあとにちょっと違ったなと思われるくらいなら、お客さまの感覚を優先させるようにしています。これもお客さまに来てもらえる理由なのかな、と考えていますね。

悩みを前面に押し出したビフォーアフター動画で、「来やすさ」を表現

インスタに投稿する写真は共感が生まれやすいよう、どんな思いでお店に来たのかが人目でわかるようにしているそう

──フォロワー数が3万人いらっしゃいますが、インスタの運用で心がけていることはどんなことでしょうか?

来店したお客さまの悩みやコンプレックスを前面に押し出すことで、来店しやすいと思ってもらえるような投稿を心がけています。フォロワー数がこんなに増えたのは、ビフォーアフター動画がきっかけなのですが、それぞれのお客さまがどんな悩みやコンプレックスを持っているかをわかりやすく投稿しているんです。そうすることで、自分も行ってみようと思えるのではないかと。ほかにもインスタ運用では、自分の強みがわかるプロフィール、フォロワーの方のライフスタイルにあった時間に投稿すること、イラストのアイコンにして親しみやすい印象にしたり。フォローしやすくなることを心がけています。

今では新規のお客さまがインスタから月に30~40人来てくださっていて、大体2ヶ月待ちくらいになっていますね。新規のお客様は、カットに15,000円をいただいているので、それも売上に大きく貢献しています。

──動画を作るのは、大変ではありませんか?

いえ、10分くらいでできますね。コツは撮影のときにずっと撮り続けることはせず、撮る部分をあらかじめ決めることです。カウンセリングが1~2分、カットは最初の5分。そのカットの間になぜ切ろうと思ったのか、このサロンに来ようと思ったのはなぜかを聞いた部分を撮り、ワックスつけたあとに仕上がりの部分を30秒~1分くらい。そうすれば編集もそこまで大変にはならないと思います。

なぜここに切りに来てくれたのか、なぜショートにしようと思ったのかはかならず聞くようにしています。なぜかというと、切りたいと思っているけどきっかけがないという方がすごく多いからです。そういう方が、周りが短くしたから、インスタを見て、お子さんが生まれて時間がなくなったとか、理由の部分を聞くと、私も切りたいと思ってくれるはずなので。
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渡来さんが高い売上を維持できている3つの理由

渡来さんが高い売上を維持できている理由をお聞きすると、以下の3つでした。

1.骨格や顔のパーツにまでこだわったショートの似合わせブランディング

2.横顔ではなく、正面から見た姿を重視したカットにこだわる

3.来やすさ”を意識した、共感を生むインスタ動画

後編では現在5名のスタッフを抱える渡来さんに、人材育成について伺います。ご自身のサロン勤務時代は、長時間拘束されるのが当たり前だったそうですが、今振り返ってみるとその生き方はさまざまなものを犠牲にしていたと気づいたそうです。そこでスタッフには拘束時間を短くしながらも、濃い時間のなかで学び、成長することを大切にしてほしいと考えていると、渡来さん。「楽しく、美容師として高い水準になってもらう環境を整えることが、自分の役割」といいます。

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Salon Data

Memories
住所:東京都中央区銀座3-3-7サカイリ9ビル3F
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