美容師なら持っておいて損はない?サロンワークやキャリアアップに役立つ検定!
美容師として働く際に必要となる資格といえば「美容師免許」です。もちろん美容師免許さえあれば問題なく美容のプロとして従事できるわけですが、よりハイレベルなサロンワークを目指す場合、取得しておきたい検定がいくつかあります。それらの検定に合格するために培った知識や技術はキャリアアップにも役立ちますし、サロンワーク以外の仕事で効果を発揮することもあるでしょう。ここでは、美容師の仕事に活かせる検定について詳しく解説していきます。
カラー系の検定3選
美容師にとって、色彩に関する知識や感覚は大切な要素です。ですから、美容師として働くうえで色彩に関する検定を取得しておくことは、重要度が高いといえるでしょう。美容師の仕事で役立つカラー系の検定としては、「色彩検定」「色彩技能パーソナルカラー検定」「パーソナルカラリスト検定」の3つが挙げられます。
「色彩検定」は、色彩活用能力を証明するための検定です。公益社団法人色彩検定協会が、色に関係した幅広い技能と知識の習得を目指して実施しています。20年以上の実績を誇り、文部科学省からの認定も受けている検定試験です。色についての技能や知識を理論的および系統的に学び、実践的な色彩活用能力を身につけたいという人におすすめの検定となっています。色彩検定は1~3級に分類され、合格するために必要な知識や技能がそれぞれ異なります。難易度は1級がもっとも高く、2016年度の試験の合格率は3級で75.25%、2級で62.84%、1級で29.77%となっています。検定試験の日程は夏期と冬期に分かれ、受験できる等級が試験日によって違います。3級試験はマークシート方式で、試験時間が70分となっています。2級試験はマークシート方式に一部記述問題が加わり、試験時間は80分です。1級試験は1次と2次があり、1次がマークシート方式と一部記述方式、2次が記述方式と一部実技試験となります。試験時間は1次90分、2次90分という配分です。検定料は3級で7000円、2級で1万円、1級で1万5000円となっています。
「色彩技能パーソナルカラー検定」は、日本で最初のパーソナルカラーの検定となります。運営母体はNPO日本パーソナルカラー協会で、ファッションや美容の現場に実用性の高い色彩理論を導入することを目的として実施されています。内閣府認証全国検定推進機構にも登録された、評価の高い検定です。実務上で必要となる色の見分けに重点を置いた検定であり、モジュール1(初級)とモジュール2(中級)とモジュール3(上級)にクラス分けされているのが特徴となります。出願方法はオンラインと郵送の2通りで、届いた受験票に試験日と試験会場が記載されています。試験方法はモジュール1がマークシート方式で試験時間60分、モジュール2はマークシート方式で試験時間70分、モジュール3は実技試験と小論文で試験時間70分です。検定料はモジュール1が7000円、モジュール2が8000円、モジュール3が1万1000円となります。
「パーソナルカラリスト検定」は日本カラリスト協会が実施する検定で、色彩知識と配色調和を身につけるための試験です。色彩やCUS配色調和に関する知識や技能は、接客サービスや販売などといったさまざまなビジネスシーンで活かせるでしょう。また、日常生活を豊かに彩りたいときにも役立ちます。検定は1~3級に分類され、等級によって試験日が異なります。3級は試験時間90分で、検定料7560円です。2級は試験時間90分で、検定料1万800円となっています。1級は1次と2次に分かれ、それぞれ試験時間は90分ずつです。検定料は1万7280円で、1次または2次免除者の場合1万800円となります。
メイク系の検定3選
美容師は髪のスタイルやデザインに関わるのがメインの仕事ですが、メイクの知識や技能を習得しておけば、総合的な美容のアドバイスができるようになります。さらに、髪型とメイクを合わせて1つの作品とするようなアプローチも可能となるでしょう。そんなメイクの検定には、「日本メイクアップ技術検定」「日本化粧品検定」「メイクセラピー検定」などの種類があります。
「日本メイクアップ技術検定」は、国際的に活躍できるメイクアップアーティストの育成を目指して実施される検定試験です。一般社団法人JMAが定めるメイク基準が基本となります。メイクの基礎を学んだり、メイクで人に喜びを与えたりしたい人にぴったりの検定だといえます。日本メイクアップ技術検定は1~3級に等級分けされ、1級合格には高度なメイク接客スキルが求められます。検定試験は年に2回行われ、試験内容は実技が中心となります。試験時間は3級が30分、2級が50分、1級が15分(カウンセリングとスキンケア)+30分(フルメイク)です。検定料は3級と2級が6500円、1級が8500円となっています。
「日本化粧品検定」は、化粧品や美容についての知識の向上と普及を目指して行われる検定となります。化粧品や美容皮膚科学、法律などといった各分野の専門家が監修した内容を、体系的に学習することができます。美容知識や化粧品のプロフェッショナルとして活躍したい人におすすめです。検定は1~3級に区分され、1級が最高難易度となります。試験は約半年ごとに実施され、試験会場はその都度違います。試験方法は3級が四択式20問のWEB試験(20分)、2級がマークシート方式60問の筆記試験(50分)、1級がマークシート方式60問の筆記試験(60分)となっています。検定料は3級が無料で、2級が6480円、1級が1万2960円です。
「メイクセラピー検定」は、メイクによるメンタルサポートについて学べる検定です。心理カウンセリングの手法を導入したメイクアップ技法に基づき、外見を綺麗にすることに加え、心理的な援助を目指します。一歩踏み込んだメイクを実践したいという人に適した検定だといえるでしょう。検定の等級が、特級と1・2・3級に分類されているのが特徴です。試験は3級が年3回、2級と1級が年2回、特級が年1回の実施となります。試験内容は3級が筆記試験60分(マークシート方式)、2級が筆記試験60分(マークシート方式+記述方式)と実技試験30分、1級が筆記試験50分(マークシート方式+記述方式)と実技試験40分、特級が筆記試験30分(記述方式)と実技試験50分です。検定料は3級で5400円、2級で8640円(再受験時5400円)、1級が1万800円(再受験時7020円)、特級が1万2960円(認定講座受講料5万7040円)となっています。
他にも美容師の仕事に活かせる検定がある!
カラー系とメイク系以外にも、美容師の仕事で役立つ検定として「ヘアケアマイスター認定」や「着付け技能検定」などがあります。どちらも持っていると仕事の幅が広がるので、興味がある人は取得を目指してみると良いでしょう。
「ヘアケアマイスター認定」は、日本ヘアケアマイスター協会が運営する検定試験です。豊富なヘアケア知識でお客様の毛髪を正しく診断し、処置やケアに関するアドバイスを行える人材を認定します。プライマリー・ミドル・マイスターの3コースから構成され、試験は毎年5月と10月に実施されます。試験内容はマークシート方式100問で、制限時間は1時間です。検定料は3240円(マイスター2次のみ専用テキスト代込みで7560円)となっています。
「着付け技能検定」は、着物の着付け業務に関する技能の向上と普及を目指す検定です。着付けのプロを育成すべく、全日本着付け技能センターが実施しています。検定は1級と2級に区分され、試験日程についての年間スケジュールは全日本着付け技能センターのホームページで公示されます。1級・2級ともに学科試験と実技試験が行われます。検定料が2級で学科試験8900円・実技試験1万6700円、1級で学科試験8900円・実技試験1万8500円です。
勉強方法のポイントとは?
各検定に合格するには、やはりコツコツと地道に勉強を積み重ねるしかありません。しかし、美容師の仕事は忙しく、業務外の時間をカットやパーマなどの技術練習に充てているという人も多いでしょう。そのため、しっかりと勉強をするには、美容師として働き出す前か、転職を考えて退職したあとの期間を利用するのが効率的です。時間があるうちに集中的に勉強し、目的の検定に挑戦しましょう。とはいえ、せっかく習得したスキルを活かせる職場を見つけられなければ意味がありません。ですから、美容師の仕事を探すときは「リジョブ」のような美容業界の求人情報サイトを活用し、自分にぴったりの職場を選ぶと良いのではないでしょうか。