アイリストの面貸しはどのような人に向いている? メリット・デメリットや相場料金についてお伝えします
会社に縛られることなく、自分のやりたいことを自由に実現したい。昔は会社のために働くという意識が強かったのですが、最近では自分のために働くという意識も広がってきており、男女の職業の性差がなくなってきたり、フリーランスという働き方もますます広がっています。
色々な業界でフリーランスとして働く人も増えてきましたが、最近は美容業界のフリーランスも増えてきています。美容師やネイリスト、アイリストといった職業の人達です。全体的に見れば、数はまだ多いとは言えないですが年々増加しています。
いくつもある職業の中で、今回はアイリストについてご紹介していきます。通常アイリストは、アイラッシュサロンやヘアサロン、エステティックサロンの一スタッフとして働いているイメージが強いかと思います。
しかし、意外とフリーランスのアイリストとして面貸しを利用している人も数多くいます。お客様として利用したことのある人もいるかもしれませんが、面貸しについては意外と知られていないかもしれません。
そこで、面貸しについての基本的な情報から、面貸しのメリット・デメリットなどについて詳しく見ていきましょう。正社員よりも収入アップが期待できるかもしれませんよ。
アイリストの面貸しとは
先ず、面貸しについて詳しく見ていきましょう。面貸しというのは、フリーランスで働いている人のための貸しスペースになります。職種に合わせた面貸しをしているスペースもあれば、様々な用途で利用できるスペースもあります。
例えば、美容師のための面貸しであれば、ドレッサーやシャンプー台などが用意されています。アイリストであれば、施術台が設置されているスペースもあります。
面貸しとはスペースの時間貸し
面貸しをしているオーナーさんが、どういった人に貸し出したいのかをある程度決めているため、アイラッシュサロンとして利用できるスペースであれば問題ありません。それ以外の場合は、オーナーさんと相談して決めていくことになります。
借り方としては、時間貸しになるため、利用した分だけのお金を支払うことになります。1時間当たり、1日当たり、1ヶ月当たりなど、単位の決め方は場所によって違ってきます。
また、売上に対して決められた割合のお金を支払う形などもあります。どの契約方法が良いかは人によっても変わってくるので、計画を立てて、シュミレーションをしてみると良いでしょう。詳しくは後程紹介していきます。
面貸しは都市部に多い
面貸しが行われている地域としては、都市部が多いようです。利用者が多いというのもありますが、美容に対する支出額も都市部は地方よりも多いため、面貸しを行っている場所も多くなっていると考えられます。
また、面貸しを行うオーナーやアイリストから見ても、借り手が少なかったり、利用してくれるお客様も多くはないため採算が合わないという点からも、都市部に集中してしまうといった現状です。
面貸しで働くことによるメリット
一般的な社員としてサロンに勤めて、お給料をもらうよりも、面貸しを利用してフリーランスなどで働く方が良い点もあります。特に面貸しにおいては、時間、収入、経験の3つがキーワードになってきます。
働いた分だけ自分の収入になる
面貸しを利用して働く人の多くは、フリーランスか空き時間を利用して行う人の2種類があります。契約方法によって固定給と歩合給を組み合わせた給料システムのサロンもありますが、基本的には固定給がほとんどのようです。
つまり、お客様を何人担当したり、頑張ってはたらいたりしても固定給である限りは決められた額以上のお金はもらえません。しかし、面貸しのフリーランスとしてやるということは、お客様を担当した数だけ収入も比例して上がっていきます。
働いた分だけ収入がアップすれば、モチベーションの向上にもつながり、やりがいも得られるはずです。
働き方を自分で決定することが出来る
フリーランスということは、会社に縛られることがない働き方が可能であることを意味します。自分自身は、アイリストとして会社を経営する代表ということになるので、どれくらい働いたり休みを入れるかは自由になります。
アイリストとして稼ぎたい人であれば、休みを減らして稼げるときに稼ぐことも可能です。逆に、育児などで長時間働けない人は、空いている時間だけ働いて、家計の足しにしたりすることも可能です。
まとめて働いて、長期的に休暇を取る働き方も可能なので、自己責任にはなりますが、自分で働き方を選択できるメリットがあります。
経営に関する経験を積むことが出来る
フリーランスをメインとして働く人は、個人事業主として届け出をして経理から運営まで自分で行うことになります。特に大変なのが経理になりますが、経費の計算や確定申告の準備なども普段から行う必要があります。
一般的な会社に勤めていれば、会社の経理担当者が給料の計算から保険料、納税額の計算から納付まで行ってくれます。しかし、個人事業主であれば税理士や会計士を雇ってお任せしない限りは自分で行わなければなりません。
特に初年度は書類の提出から、確定申告の手続き、経費の計算方法などでつまずく人も多いので、周りに相談をしながら身につけていくしかありません。慣れてくれば、作業効率も上がって、流れもわかるので精神的にも作業的にも負担は軽くなります。
会社員として勤めるよりもはるかに経営に関する知識や経験を積めるため、今後の強みにもなっていきます。
面貸しで働くことによるデメリット
フリーランスとして面貸しを利用していく場合のメリットだけでなく、デメリットも確認しておきましょう。リスクを知った上で利用していくことで、何か起こった際の対応も変わってくるはずです。
経営以外の雑務も自分で行う必要がある
会社に属すことなく、個人事業主として面貸しを利用して働くことは、準備や片付け、道具の仕入れから管理、お客様の対応から担当・管理など、全て自分1人で行わなければならないことを意味します。
会社に勤めていれば、協力して作業をしたり、準備や片付け、お客様の管理なども他の人や会社が行うことも出来ます。しかし、面貸しは基本的に場所の提供だけであって、業務内容や管理については一切手伝ってくれることはありません。
トラブルなど問題は自分で解決をする必要がある
長く働いていれば、大小さまざまなトラブルに遭うことは誰しもあるはずです。会社に勤めていれば、上司や会社が対応してくれたり、サポートしてもらえますが、面貸しのフリーランスで働いていく人はそうではありません。
個人事業主であるため、自分が従業員であり、代表でもあります。何かトラブルがあれば全て自分で対応して解決しなければなりません。
トラブル対応によって仕事に差支えが出てたとしても、自分の責任になるため、最後までやり切るしかありません。そういったフリーランスのための協会や団体組織もあるので、加入していざという時に備えることも可能です。
収入が安定するまでには時間がかかる
特に苦労するのが、お客様のリピート率です。固定客がどれくらいいるかがフリーランスの面貸しで働いている人は、収入の数字にダイレクトに反映されます。
最初は、物珍しさや紹介で利用してくれるかもしれません。しかし、また利用したいと思ってもらえなければ、固定客として再度利用してもらえなくなってしまいます。その分、収入も安定せず、苦労してしまいます。
また、お客様によっては利用したい時間などもあり、他のお客様と上手く調整していかなければなりません。1人で担当するには上手く予約を埋めて効率良く行っていく必要があります。
集客方法
集客方法はいくつもありますが、昔ながらの方法ではマンションや一軒家などのポストにチラシを入れていくポスティングや、駅周辺でのビラ配りがあります。
しかし最も効果があるのは、やはり知人の紹介などの人脈になります。また、固定客のお客様の口コミといった評判をどれくらい広めてくれるかも大切な要素です。
SNSや公式LINEアカウント、ホームページをなどの、ネットを活用した集客方法も若い人を中心に使われています。固定客にしたいターゲット層によって、集客方法を使い分けていくと良いでしょう。
面貸しで働くことによる料金相場はどれぐらい?
実際に面貸しを利用したい場合、どれくらいの料金がかかるのかや、どういった料金システムなのかを紹介します。
面貸しの料金システム
面貸しでは、主に次の料金システムがあります。歩合貸し、時間貸し、月額買取の3つになります。どのシステムかは場所によって違うので、事前に確認しておくと良いでしょう。
歩合貸し
歩合貸しは、売上に対して一定の割合のお金を面貸しをしているお店側に支払う方法です。例えばお客様が来店して1万円のコースを利用、歩合還元率が70%の場合は、自分の手元には70%の7千円が入り、面貸しをしているお店側には30%の3千円を支払うという事になります。
面貸しを利用して、料金を支払ったのにも関わらず、お客様が1人も来なかった場合は損になりますが、歩合貸しであれば、売上に対しての支払になるため、安心して利用できるメリットがあります。
時間貸し
時間貸しは、必要な時間だけ借りて、その使用し分だけのお金を支払う方法です。単位はお店によって違ってきますが、1分単位や1時間単位など細かく借りれるようになっています。
お客様が来店する時間帯だけ借りれば、必要以上の使用料は支払わずに済むので定期的に利用しているお客様が多いアイリストであれば利用しやすいと思います。
月額買取
月額買取は、1ヶ月や3ヶ月、1年単位などで面貸しを利用できる方法です。月単位で借りることが出来るため、時間を気にせずスペースの利用が出来ます。
特にお客様が多いアイリストであれば、一定額以上の収入があれば、それ以上の売り上げは全て自分の収入として稼ぐことも可能です。ただし、固定客が少ない人には負担になってしまう可能性もあります。
料金システムの相場
立地によって相場は変わってきますが、時間貸しの場合は、売上の40%~60%をお店側に支払うケースがほとんどになります。年々、手数料を安く面貸ししている場所も増えてきているので、将来的にはさらに平均値は下がっていくと思います。
時間貸しの場合は、1時間当たり1,500円~2,500円が相場のようです。1日単位の場合もあり、5,000円程度になります。月単位になると5万円~8万円で借りることが出来るようです。
歩合制でも時間制でも、高額に設定されてしまっている面貸しもあるので、いくつかの場所や値段を比較してから、ベストな面貸しを選ぶようにしましょう。
アイリストの面貸しで働くことをおススメする人
同じアイリストだとしても、面貸しで働いた方が良い人、サロンに勤める働き方が良い人それぞれ違います。
収入を増やしたい人
社員としてサロンに勤める場合は、決められた給料をいただけるので、計画を立てたり、買い物も安心してすることが出来ます。
しかし、どれだけ努力しても契約を変えない限りは収入が増えることはありません。面貸しで働けば、努力してお客様を担当した分だけ収入を増やすことも可能です。
面貸しのフリーランスへ転身して、収入が大幅にアップしたアイリストも数多くいるので、どちらが良いのかを検討してみるのも良いでしょう。
自分の実力を試してみたい人
実力のある人であれば、やはりどこまで通用するかを試してみたいと思う人も多くいるでしょう。収入の面でも、評価の面でも、実力が認められれば自分の努力が形になり、さらなる高みを目指すきっかけにもなります。
成功して海外でチャレンジするという選択肢もあるので、自分の力を発揮して試してみたいという人にはお勧めです。
開業のために準備をしている人
将来的に独立して開業していきたいと考えている人は、まず面貸しを利用してみると良いでしょう。経営について経験を積んだり、自己責任でお客様を担当したり、トラブルに対応したり様々な経験を得ることが出来ます。
開業して失敗しないためにも、先ずは面貸しで実践経験を積んで感覚を掴んでおくと良いでしょう。
面貸しはこれからの美容業界で浸透していく働き方です
アイリストに限らずですが、面貸しによるフリーランスといった働き方は、ますます広がっていくと予想されます。面貸しをするスペースも増えており、お店側もアイリスト側もお互いにメリットがあります。
自分の力を試してみたい人や、収入を増やしたい人、生活スタイルに合っている人など、面貸しを利用する人は様々ですが、しっかりと面貸しのシステムを理解して、不利益にならないように上手に利用していきましょう。