美容師のハサミはどう選べばいいの?|起きやすいトラブルとセルフメンテナンスのポイント

美容師にとって大事な商売道具であるハサミですが、実際にどのような視点で選んでいるのでしょうか。

ここでは、ハサミの選び方のポイントと起こりやすいトラブルやセルフメンテナンスの方法についてくわしく解説します。

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美容師のハサミはどう選べばいいの?


美容師が使うハサミは持ち手のデザインや刃の形、ブランドなどによってさまざまな種類があるため、なにを基準に選べばよいか悩む人もいるでしょう。ここでは、美容師のハサミの選び方のポイントを解説します。

自分に合ったシザーとは? 美容師がハサミを購入する前に知っておきたいポイントまとめ

1. 長さで選ぶ|美容師さんにおすすめのサイズとは

美容師がハサミを選ぶ際に、指の長さを基準にする方法があります。髪をカットする際に、ハサミを持つ反対の手の指同士で髪を挟んでカットするため、指の長さとハサミの刃の長さが同じくらいであればカットしやすくなるからです。

指の長さを基準にする際には、利き手でハサミを持ち、もう片方の手の指先をハサミの刃先と向かい合うように当てて、刃先が指の第二関節と第三関節の間にくるハサミを選ぶとよいでしょう。

2. ハンドル部分で選ぶ

ハサミを選ぶ際に、ハンドル部分のデザインを基準にする方法もあります。美容師が使うハサミのハンドル部分には、「メガネハンドル」と「オフセットハンドル」があり、それぞれデザインによって力の伝わり方に違いがあるのです。

つづいては、メガネハンドルとオフセットハンドルの特徴やメリットなどを解説します。

メガネハンドル|正刃・逆刃で使える

メガネハンドルとは、ハンドルが左右対称でメガネのような形をしているのが特徴です。左右対称なので持ち手を変える際に便利であり、上下、左右、斜めからなどさまざまな角度からのカットもスムーズにおこなえます。

多様なヘアスタイルに対応し、裏返して正刃、逆刃で使えるのもメリットです。自由度が高く、安定して持てるため、慣れればさまざまな使い方ができます。

オフセットハンドル|静刃が安定しやすい

オフセットハンドルは、ハンドル部分の形が左右非対称な形をしています。これは人間工学にもとづいたデザインによるもので、静刃が安定しやすく、カットの際にスムーズな開閉が可能となり、利き手への負担を最小限に抑えることが可能です。

美容師は一日に何人ものお客様のカットを担当することもあり、手を痛めてしまうこともあります。このタイプのハサミを使うことで親指や手首の痛み、腱鞘炎などの予防にもつながるでしょう。

3. 種類で選ぶ|使いわけてカットを効率よく

美容師が使うハサミは刃のデザイン、形によってあらゆる種類があり、用途や組み合わせ方によって多様なカットに対応できます。つづいては、ハサミを種類で選ぶ際のポイントを確認しておきましょう。

ベーシック

ベーシックはハサミに2つ刃がついたタイプのもので、刃の形によっておもに3つの種類にわかれます。

・直刃
剣のように刃がまっすぐのもののことです。刃がまっすぐなのでカットしやすく、初心者にも扱いやすいでしょう。また、毛先をそろえるブラントカットや毛先に動きを持たせるチョップカットの場面で活躍します。

・カーブ刃
刃が上に向かってカーブしているのが特徴です。刃がカーブしていることで、毛量の微調整がおこないやすく、こまかなカットもスムーズで小刻みな髪の動きを表現したいときにも適しています。

・笹刃
刃が丸く、笹のような形をしているタイプです。直刃やカーブ刃よりも安定感があり、ストロークカットやスライドカットなどで、刃を移動させながらカットする技術で役立ちます。

セニング

セニングはすきバサミのことで、刃の形によっておもに3つの種類があります。

・V溝刃
片方の刃に、アルファベットのV字のような形がいくつも連なっている構造です。V字部分でキャッチした髪の毛がカットできるため、少ない量でこまかなカットをしたいときに適しています。

・クシ刃
クシのような構造になっており、刃の先が平らになっているのが特徴です。そのため、鋭利な刃よりもキャッチできる毛量は多くはなく、少しずつカットしたいときに適しています。

・段刃
刃の先が一段、二段と階段のようなデザインになっているタイプです。刃に段が入っていることでハサミをまっすぐに入れても、カットラインが残りにくく動きのあるヘアスタイルに仕上げられます。

スライド

スライドは刃が片方のみで、開閉によって髪を滑らかに移動させながらのカットができます。髪をすくとどうしてもパサつきが残ることもありますが、スライドは髪を滑らせるため、毛先に向かって束感を残したいときに便利です。

セニングに比べると、小刻みな開閉で一度に減らせる髪の毛の量は少なく、セニングとスライドとを組み合わせて使うとスピーディーに毛量を調節でき、毛先の束感の調整も叶います。

アール

アールシザーは、ローマ字のRのように刃が上向きに反っているのが特徴です。刃が反っていることで毛先にカーブをつけ、やわらかい仕上がりにしたいときなどに適しています。

毛先にカーブをつけると、あちこちにはねてしまうのを防ぎ、ツヤ感を持ち合わせたヘアスタイルに仕上げられます。毛が伸びてパサつきが気になるとき、まとまりやすいヘアスタイルにしたいときなどにおすすめです。

4. 実際に手にとって選ぶ|噛み合わせ・切れ味の軽さ

美容師が使うハサミにもさまざまな種類があり、実際に手でとって目で見て確かめることが大切です。

その際には、持ちやすさは切れやすさはもちろんですが、切れ味の軽さ、耐久性などもチェックすることを忘れないようにしましょう。

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起きやすいシザーのトラブルとメンテナンスのポイントとは?


ハサミを使っていると、汚れや水分が刃に付着して放置することで、切れ味に影響するなどのトラブルを招いてしまうケースがあります。

ここでは、美容師がハサミを使う際に起こりやすいトラブルとメンテナンスのポイントを確認しておきましょう。

どんなトラブルが起きやすいの?

美容師がハサミを使う場面では、どのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。つづいては、起こりやすいハサミのトラブル例をご紹介します。

刃に関するトラブル|バリや刃こぼれなど

ハサミに起こりやすい刃のトラブルとしては、バリの発生や刃こぼれがあります。バリとは、ハサミの刃同士が摩擦によって刃が反ってしまった状態のことです。小さく目に見えないバリを長い間放置してしまうと、カットの際に髪にひっかかる場合や思うように切れないなど切れ味にも影響をおよぼします。

また、刃こぼれといって、ピンなどのヘアアクセサリーや硬いものにぶつかり、刃が一部欠けてしまうトラブルも起こりやすいです。

ネジが緩すぎる・締めすぎる

ハサミは、長く使っているうちにネジの部分が緩くなることもあるのです。ネジ部分を締めすぎてしまうと刃を開閉しにくくなり、手を痛めたり、疲れやすくなったりする場合があります。

そのため、ネジ部分は緩すぎず、締めすぎない程度に調整することが大切です。ネジ部分の締め具合が適切であれば、スムーズに開閉できるため、刃の劣化やトラブルの予防にもつながるでしょう。

サビが出ている|ステンレス素材

ステンレス素材は、一般的に耐水性や耐汚染性に優れているのが特徴です。しかし、美容師が使う場面では、パーマ液が付着したり、濡れた髪による水分などでサビが出てしまったりすることがあります。

刃がさびてしまうと切れ味にも影響し、お客様の髪をカットする際に髪にひっかかって痛い思いをさせてしまう可能性もあるため、注意が必要です。

ヒットポイントのゴムの欠損

ヒットポイントはハンドルとハンドルの間にある、やや突出した形をしている部分です。ゴム製のものと金属製のものがありますが、ゴム製の場合に欠損してしまうと、ハンドル同士の「カチカチ」とぶつかる音がハサミの開閉のたびに響くのでカットに集中しにくくなる可能性があります。

カットの切れ味を鋭く保つセルフメンテナンスの方法とは

ハサミは、毎日使っていると切れ味がよくないなどといったトラブルが起こるケースもあるようです。ハサミの切れ味を保つために、実践すべきおすすめのセルフメンテナンスの方法をご紹介します。

1. 汚れを落とす|しっかりと水気を拭う

ハサミについた汚れは、放置しておくとサビの原因となってしまいます。そのため、使用後は必ず水やお湯でざっと汚れを落とすようにしましょう。その後、清潔でやわらかいタオルなどでしっかりと水気を拭きとることが大切です。

2. オイルを垂らして拭う|刃はセーム革で

ハサミの切れ味が低下してしまったら、ハサミを開いた状態でネジの下の触点部分に専用のオイルを1~2滴垂らしましょう。その後、刃の表面全体にオイルが届くように清潔でやわらかい布やティッシュで拭き、余ったオイルも拭きとります。

オイルを多く塗ってしまうと、カットした細かい髪の毛が付着し、蓄積する原因となるので注意しましょう。また、メガネを拭く際にも使用される「セーム革」はなめらかでハサミ表面を傷つけにくいため、刃を拭く際に便利です。

3. ネジをチェック|開閉の調節をおこなう

ハサミは何度も使っているとネジが緩んでしまうので、使用後は必ずネジの具合をチェックし、開閉の調整をおこないましょう。

必要であれば専用のドライバーを使って、ハサミの刃を上に向けた状態で持ち、刃から手を離して自然に刃が1~2cmの間隔を残して閉じるようにネジの締まりを調整してみてください。

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美容師のハサミはプロの技術を支える相棒! 手に合った物を選んで大切に使おう


美容師のハサミはハンドル部分や刃の形、デザインによってさまざまな種類があります。また、バリや刃こぼれ、ネジのゆるみ、サビなどといったトラブルが起きやすいため、ハサミ本来のスペックを最大限に発揮できるよう日頃のメンテナンスも重視しておこなうことが大切です。

実際に手にとってみて、持ちやすさや重さ、開閉のしやすさなどをチェックしてぜひ自分に合ったハサミを選び、長く大切に使いましょう。

引用元サイト
OKAWA PRO-SCISSORS 美容師・理容師のハサミの選び方|長さの決め方
https://okawa-proscissors.co.jp/blog/about-scissors/blog-3103/
HSC ハサミは何本必要?
http://hsc-scissors.com/column/290
KIKUI SCISSORS 美容師ハサミ(シザー)の研ぎ修理と切れ味を保つセルフメンテナンス
https://www.scissors.co.jp/blog/scissors-togi-maker/
KIKUI SCISSORS 美容師シザーのお手入れ、自分で出来るポイントをメーカーが教えます
https://www.scissors.co.jp/blog/how-to-maintenance/
HSC ハサミは何本必要?
http://hsc-scissors.com/column/290

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