美容師がヘアスタイル撮影をする3つのメリット|モデル撮影に向くカメラは一眼? スマホ?
美容師の多くは、ヘアスタイルを完成させた後にその写真を撮り、勤め先である美容院のウェブサイトや個人のSNSなどにその写真を上げていることでしょう。
美容師のスタイル写真ブームはスマホが普及し始めた2010年ごろだといわれていますが、当時は一眼レフで撮影するのが主流でした。最近はスマホのカメラ機能が大きく向上し、アプリで簡単に修正したりSNSにスマホから直接アップしたりというのが一般的になってきています。
実は、美容師がヘアスタイルの写真を撮影すると、集客をはじめさまざまなメリットがあるのです。そこでこのページでは美容師がヘアスタイルを撮影するメリットと、一眼レフカメラやスマホカメラの特徴、使い分けの方法などを詳しくご紹介します。
美容師がヘアスタイル撮影をする3つのメリット
まずは、美容師がヘアスタイルの写真を残すメリットについて見ていきましょう。
1.作品として写真を残せる
最初にメリットとして挙げたいのが、作品として残すことができるという点です。メイクやネイルアートなど美容関係一般に言えることですが、ヘアスタイルはお客様が帰宅してシャワーを浴びたらそこでなくなってしまいます。そこで、美容室で施術が終わってすぐのベストの状態を記録しておくことは非常に大切です。
さらに、ヘアスタイルを作品としてストックしていれば、独立して開業するときや新しいサロンに転職するときに非常に役に立ちます。今まで本格的に写真を撮ったことがない方は、ぜひ次回担当するお客様から声をかけてみてください。
2.客観的にチェックすることができる
髪型の仕上がりや印象は、写真に収めることでより客観的にチェックできます。一眼レフや最近のスマホは綺麗に撮れるからこそ、ちょっとした細かな乱れや全体のバランスなどがよく見えてくるようになるものです。
写真撮影が上手くなれば、ヘアスタイルの細かな作り込みをもっと追求したくなり、スタイリングが上達すればモデルをより魅力的に写せるように努力するようになります。このように、写真は単純に自分のモチベーションアップになるだけでなく、ほかの美容師やお客様からアドバイスやリアクションをもらえれば、よい刺激にもなります。写真とヘアスタイリングには、思わぬ相乗効果があるのです。
3.ブログなどに掲載することでサロンの集客や予約につながる
美容師がヘアスタイルの写真を撮るメリットとして最後に挙げたいのが、集客アップです。美容院のウェブサイトや自分のブログ、SNSなどさまざまな媒体に撮影した写真を上げてみましょう。
SNSのいいねやコメント、フォロワーが増えれば、SNSで存在感を見せることができ、来店してくれるお客様や自分を指名してくれるお客様を増やすことにつながります。ほかにも、写真があることで、今の髪型に不満や悩みがある方や新しい髪型を探している方へ、具体的なヘアスタイルを提案できるようになります。
モデル撮影に向くカメラは一眼? スマホ?
雑誌などで本格的な撮影をするときはプロのカメラマンに撮ってもらうことが多いですが、経費をかけずに自分で写真を撮りたいときは、どうしたらよいのでしょうか。
最近はスマホのカメラの質も向上し、写真を加工するアプリも増えているので、簡単にスマホで撮っているという方も多いかもしれません。ここでは、一眼レフとスマホの特徴や撮影のポイントをご説明します。
1.一眼レフカメラの特性とメリット
最先端のスマホに付いているカメラと、初心者~中級者向けの一眼レフを比較すると、実は画素数に大きな違いはありません。何が違うかというと、センサーの大きさとレンズの種類の豊富さなのです。
薄いスマホに内蔵しているセンサーと比べる、と一眼レフのセンサーは圧倒的に大きく、光・色の情報や、背景のぼけを感知する能力が格段に違います。そのため、店内が暗くても明るく色が鮮やかな写真を撮ることができます。
一眼レフを使うメリットとしてもうひとつ挙げたいのが、レンズのバラエティーの豊富さです。一眼レフに使うレンズは、広角から望遠までいろいろな焦点距離のものがあります。レンズを変えて撮ることで、被写体の周囲をぼかしたり、遠近感を変えてダイナミックに撮ったりすることが可能です。
仕事の合間に室内で簡単に撮る場合は、広角~標準のレンズが良いでしょう。広いスペースのある屋外やスタジオで時間をとって撮影したいときは、望遠レンズもおすすめです。
レンズにはズームイン・アウトができるズームレンズと、焦点距離が固定の単焦点レンズがあります。単焦点レンズは、被写体の輪郭や細かい部分までよりくっきり写すことができます。
ただしズームができないので、撮りたい構図に合わせて自分が前後に動かなくてはいけません。忙しい店内で素早く撮影したい方は、ズームレンズを選ぶのが無難でしょう。
一眼レフカメラで上手に撮影するポイント
一眼レフでは簡単にできるけれど、スマホやコンデジでは上手く再現できないのが背景のぼかしです。ヘアスタイル撮影のように人物を撮る際は、背景をぼかして被写体に焦点の合ったかっこいい写真が撮りたいですよね。
そこで注目したいのがレンズの箱に書いている最小のF値です。F値とはレンズの絞りを表していて、これは数字が小さいほど背景はぼけやすくなります。広角や標準のレンズを買う場合は、F2.8〜3.5くらいまでのものを選ぶと、スマホで撮った写真との差を実感できるはずです。
背景をしっかりぼかしたいときは、被写体と背景との距離をできるだけ空け、カメラは被写体に近づけて撮りましょう。
2.スマホカメラの特性とメリット
スマホカメラの特徴は、撮ってすぐに編集して投稿できることです。スマホで撮影すると、アプリでフィルターを重ねて色味を変えるだけで、簡単にかっこいい写真を作ることができます。
とくに、近年はやっている「グレージュ」などのアッシュ系は、彩度(色の鮮やかさ)の感度が低いスマホのほうがむしろ綺麗に撮れるという声もあります。ただし、スマホのカメラはセンサーが小さいため、暗い場所では画質が下がってしまいがちです。屋外の明るい場所や自然光の入る窓際であれば、スマホでも十分に綺麗な写真が撮れます。
最近ではSNSの普及にともない、写真の編集アプリがますます充実しています。そのため、美容院のホームページや雑誌の取材のような本格的な撮影以外は、スマホで撮ってアプリで編集をしているという方も多いようです。
一眼レフは携帯のようにポケットに常に入れておけるものではないので、お客様が撮影に協力してくれるとなれば、奥からカメラを持ってこなくてはいけません。写真にこだわりのある方はレンズを変えたり絞り値や構図、フラッシュの当て方を試行錯誤したりと、意外と時間がかかります。忙しい仕事中に簡単に撮影したい方は、スマホのカメラや編集アプリを活用してみてください。
スマホカメラで上手に撮影するポイント
スマホで綺麗な写真を撮るためには、ピントをしっかり合わせましょう。画面上の被写体にタッチすれば、機種にもよりますが、フォーカスを合わせたい部分を決めることができます。
その際、同時にスライドバーを上下に動かすと明るさを変えられることも多いです。これをうまく利用することで、髪色やツヤをはっきり見せることができます。
さらに、スマホの設定を変えると撮影時の画面上にグリッド線を引くことができます。構図を決める際や水平・垂直の基準として便利なので、試しに使ってみてはいかがでしょうか?
美容室の集客にヘアスタイル写真は欠かせない!
美容師は、常に勉強して技術を磨き、研究を重ねて上手に流行に乗っていくことが求められる職業です。ブログやSNSで自分を上手に表現することは、集客やスキルアップには欠かせません。美容師にとって、写真は将来の可能性を広げてくれる存在でもあります。
とはいっても、写真にそもそも興味がないという方もいるでしょうし、最初からプロ仕様のカメラを持つ必要はありません。
一眼レフには被写体の引き立った「プロっぽい」写真を簡単に撮れるメリットがありますが、知識がないと上手に扱えませんし、撮影や編集、SNSへの投稿に時間と手間がかかる欠点があります。
スマホはポケットに収納でき、簡単に撮影から投稿まですぐにできる点が魅力ですが、写真のクオリティーは一眼レフには負けます。
一番大切なことは、それぞれの特性を活かして、自分の作品をお客様にアピールすることです。皆さんもこのページを参考に、自分のヘアスタイル写真をSNSにアップしてみてはいかがでしょうか?