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介護・看護・リハビリ 2021-11-21

手指・腕の運動、協調運動にうってつけな「紙コップ」を使ったゲーム2【介護レクリエーションvol.36】

現場で役立つレクリエーションのアイディアをご紹介する「介護レクリエーション」。

今回は、紙コップを使って遊ぶゲームレクリエーションを、中級レクリエーション・インストラクターの大野孝徳さんに教えていただきます。

「今回は『紙コップでお宝探し』と『紙コップ倒し』というレクリエーションをご紹介します。『紙コップでお宝探し』は、伏せた紙コップの中を次々と覗き、内側に『当たり』と書かれた紙コップを探し出すゲームです。紙コップを掴む動作が必要になります」(大野さん)

では『紙コップ倒し』は?

「『紙コップ倒し』は、積み上げた紙コップにカラーボールを当てて倒すゲームです。ボールを握る・投げる動作が必要になります」(大野さん)

それでは『紙コップでお宝探し』と『紙コップ倒し』を行うことによって期待できる身体面と精神面の効果とは?

「どちらも手指・腕の運動、協調運動の効果が期待できることに加え、競争心を養うのにぴったりなゲームです。また『紙コップでお宝探し』は、認知力・意欲の向上が期待できます。一方の『紙コップ倒し』は、集中力の向上、達成感を得るのにうってつけです」(大野さん)

それでは早速、『紙コップでお宝探し』と『紙コップ倒し』の遊び方をご紹介。

紙コップでお宝探し

【対象者】コップがあることを認識できる方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、認知力・意欲の向上、競争心を養う
【人数】2人以上なら何人にでも
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】紙コップ50個、2〜3人がけ程度の大きさのテーブル1脚、参加者が使用する椅子など
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】伏せた紙コップの中を次々と覗き、内側に「当たり」と書かれた紙コップを探し出すゲームです。運や素早さも重要ですが、より多くの紙コップを見るためには一度見た紙コップを覚えておくことも必要なため、認知力の向上にも役立ちます。

レクを始める前の準備

・スタッフは紙コップ50個を用意し、そのうちの15個の内側に「当たり」と書いておきます。

遊び方

1.スタッフはテーブルの上にすべての紙コップを伏せて置きましょう。参加者は2人1組になり、向かい合わせに座ります。

2.スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、参加者は次々に紙コップの中を覗き、内側に「当たり」と書かれた紙コップを探しましょう。当たりの紙コップは側にいるスタッフに渡し、ハズレの紙コップはテーブル上の空いている場所に戻します。スタッフは参加者の側でゲームをサポートしながら、ストップウォッチなどで1分計測しておきましょう。

3.1分が経過したらゲームを終了します。スタッフは、より多く「当たり」を見つけることができた参加者を発表しましょう。

4.2組目以降も1〜3同様にゲームを行いましょう。

進め方のコツ

ゲームをスタートする前に、スタッフは参加者の前で紙コップを混ぜましょう。そうすることで「当たりはバラバラですよ」と参加者に印象づけることができ、さらにゲームが盛り上がります。

アレンジ

・紙コップの内底に何種類かの花や野菜の名前を書き、スタッフが指定したワードが書かれた紙コップを探すゲームにアレンジしてもOKです。その場合、スタッフはコップの内底に書かれている言葉を参加者に伝えましょう(例:『さくら』と書かれた紙コップを探してもらう場合、「『さくら』と書いてある紙コップを探して下さい」と指示を出す)。ゲームの難易度を上げたい場合は、あえて参加者が頭を使う伝え方をしましょう(例:『さくら』と書かれた紙コップを探してもらう場合、「『春の花』が書かれている紙コップを探して下さい」と指示を出す)。

・参加者を赤チームと青チームに色分けし、「当たり」も赤字と青字で書いたものを同じ数ずつ用意し、自分のチームカラーの「当たり」を探してもらうようにアレンジしてもOK。相手の色の「当たり」を引いたときに表情を読まれないようにする心理戦的な楽しみ方ができます。

紙コップ倒し

【対象者】投げる or 落とす行為ができる方
【レクの目的】手指・腕・協調運動、集中力の向上、達成感を得る、競争心を養う
【人数】2人以上なら何人にでも
【実施に好ましい場所】ホール
【必要な道具】2種類の色の紙コップ各10個(ビール用の大きいサイズのものだと◎)、2種類の色のカラーボール各10個、テーブル2脚、参加者が使用する椅子など
【制限時間】5分〜
【レクリエーションの内容】積み上げた紙コップにカラーボールを当てて倒すゲームです。うまく当たれば「バコーン!」と音を立てて紙コップがはじけ飛び、爽快感をあじわえます。

レクを始める前の準備

・スタッフは各チームのテーブルの上に、紙コップを上図のように積み上げておきます。

遊び方

1.参加者を同じ人数になるように2チームに分け、チームカラーを決めましょう。各チーム1人ずつ前に出て、自分のチームカラーのボールを10個持ち、紙コップが積まれた机から1〜1.5m程離れた位置に平行線上に座ります。

2.スタッフの「よーいドン」の合図が聞こえたら、前に出ている参加者2名は紙コップに向かって次々にボールを投げましょう。先にすべての紙コップを倒したほう、もしくは手持ちのボールをすべて投げ終えた時点で残りの紙コップの数が少ないほうの勝ちになります。スタッフは勝敗の結果をホワイトボードなどに記録しておきましょう。

3.2番目以降の人も同様に対戦し、参加者全員の対戦が終わった時点で勝ち星の多かったチームの勝ちになります。

進め方のコツ

・何度もゲームを行うときは、上図のように紙コップの積み方に変化をつけると、さらにゲームが盛り上がります。

・参加者が投げたボールや、はじけ飛んだ紙コップが当たらないよう、他の参加者にはテーブルから離れた位置で応援してもらいましょう。

アレンジ
1人1投にして次々とメンバーを交代し、より少ない人数ですべての紙コップを倒したチームの勝ちとする内容に変更してもOK。その場合は、参加者全員がゲームを楽しめるよう、投げる順番を変えて何ゲームか行うようにしましょう。

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今回ご紹介したレクリエーションは、手指・腕の運動能力、関節可動域の維持・向上が狙えるゲームです。参加者のレベルや状況に合わせて柔軟にアレンジしながら、是非取実践してみてください。

イラスト:SMILES FACTORY
文:小沼奈央(レ・キャトル)

教えてくれたのは…

大野 孝徳さん

合同会社A-assist代表、介護福祉士、介護予防指導士、中級レクリエーション・インストラクター。学生時代は子ども会集団指導者講師として岐阜県内でレクリエーション指導に従事。そこでの経験が評価され、介護業界に入職。介護職・相談員・管理職、在宅・施設両面での介護業務と、介護現場において幅広く活躍。2016年に独立し、A-assistを設立。訪問型介護予防体操教室やレクリエーションサポート活動を展開。現在も現場に入り介護福祉士として従事する傍ら、「え~(良い)アシスト」を提供するべく全国を対象に事業を展開している。

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