ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2022-01-11

保育士のお給料・平均年収はどれくらい?|収入UPを目指す4つの方法

政府は、今後の経済対策として、保育士や介護士、看護師などの賃上げを実施する取り組みをおこなうという方針を固めました。保育士の給与水準が上がると期待されていますが、そもそも保育士のお給料や平均年収は一体どのぐらいなのでしょうか。

ここでは、保育士の気になるお給料や平均年収についてご紹介します。さらに、収入アップできる方法も一緒に学んでおきましょう。

保育士の給与・平均年収はどれくらいなの?|令和2年賃金構造基本統計調査

厚生労働省による令和2年賃金構造基本統計調査のデータをもとにして、保育士の給与や年収をご紹介いたします。

上記のデータは、男女合わせて正社員保育士、平均年齢37.6歳、平均勤続年数7.7年、企業規模計10人以上の平均です。月給や賞与、年収別に確認しておきましょう。

保育士の平均月給は約25万円

厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査によると、正社員保育士の決まって支給される現金給付額は24万9,800円となっているため、平均では約25万円です。

ただし、決まって支給される現金給付額は、所得税や社会保険料を控除する前の金額となります。控除額は人それぞれで異なるため、実際の手取り額はもう少し下がると考えておくべきでしょう。

月給の推移を紹介

最新の保育士の平均月給がわかったところで、ここでは2019年以前の数年間の月給推移を確認しておきましょう。

2017年:22万9,900円
2018年:23万9,300円
2019年:24万4,500円

過去3年間の情報だけでも、月給は徐々に上がっていることがわかります。

賞与の支給額は年間で約74万7,000円

賃金構造基本統計調査のデータによると、年間賞与は74万7,400円となっていたため、平均では約74万7,000円となっています。

これは月給のおよそ3カ月分に相当しますが、こちらも社会保険料などが控除されるので、ここから数万円引かれることになると考えておくべきでしょう。

保育士の平均年収は約375万円!

保育士の平均月給は約25万円であり、年間賞与は約74万7,000円ということがわかりました。これらの数字を年収にすると、平均年収は約375万円、正確には374万5,000円ということになります。

過去の月給データから見ると年々保育士の給料は上がっているようなので、これから先も上がっていく可能性はあるでしょう。

公立私立・事業での違いは?|幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果

保育園には、公立や私立、また事業の違いなど、さまざまな経営体制があります。ここでは、令和元年度の幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果によると施設別や公立私立での給料の違いを確認しておきましょう。

公立と私立で比較|公立が高め

保育園には、公立と私立があります。保育教諭を対象にした調査結果によると、私立の場合、平均勤務年数11.2年、給与月給30万1,823円となっていました。

それに比べて、公立の場合は平均勤務年数11.0年、給与月給30万3,113円となっており、公立の平均勤務年数が少ないのにかかわらず、2,000円程度給与が高いことがわかります。

事業別で比較|家庭的保育事業が高め

保育園の事業としては、家庭的保育、小規模保育、事業所内保育という事業があります。これらのなかでもっとも給与がいいのが、家庭的保育事業です。

保育士を参考にそれぞれご紹介すると、家庭的保育事業が35万8,988円、小規模保育事業A型が26万8,755円、B型が26万9,617円、私立が29万1,775円、事業所内保育事業が23万8,168円となっています。事業内容によって給与は異なります。

幼稚園や認定こども園と比較|公立の認定子ども園が高め

幼稚園や認定子ども園では、どうでしょうか。幼稚園は指導教諭、保育園は指導保育教諭を参考に比較してみました。

まず、幼稚園の私立の場合は32万7,529円、公立の場合は45万2,013円です。認定子ども園の私立の場合、33万6,739円、公立の場合、45万5,717円となっていました。つまり、給与がもっとも高いのは認定子ども園の公立ということがわかります。

保育士が収入UPを目指す4つの方法を紹介!

これまでは、保育士の給料についてご紹介してきました。保育士がさらなる収入UPを目指すためには、どんなことをするとよいのでしょうか。

1. 保育士等キャリアアップ研修を受講する|処遇改善加算

この研修は、2017年に厚生労働省によって新設された制度で、給与の底上げを目指すものとなっています。

研修修了者については保育園の規模により、人数制限などがあるかもしれませんが、職務分野別リーダーには月5,000円、副主任保育士・専門リーダーには最大で月4万円の処遇改善手当が支給されます。研修を受講することで、給与アップを目指せるでしょう。

保育士のキャリアアップ研修についてはこちら:K-462公開後リンク貼る

2. 経験を積んで昇進を目指す|主任保育士・施設長など

経験を積んで昇進を目指し、給与アップを目指す方法もあります。経験を積むことは地道な努力が必要なので、すぐに給与UPには結びつかないかもしれませんが、主任保育士や施設長などの給与は保育士より高いため、目指す価値はあるでしょう。

内閣府の調査結果によると、公立保育所では施設長の給与月給が63万2,982円、主任保育士の給与が56万1,725円、保育士の給与が30万3,113円となっています。主任保育士へ昇進するだけでも、大幅な給与UPが見込めるでしょう。

3. 資格を取得する|スキルアップ・キャリアアップ

育児系の資格や食育関係の資格など取得することで、資格手当が支給されるところもあるようです。自身のスキルアップが見込めるほか、キャリアアップにもなるため、子どもたちへの指導の幅が広がるでしょう。

また資格を取得することで、安全・安心した保育環境を提供できることや子どもたちへのさまざまな教育環境が整っている保育園としてのアピールにもなり、給与UPにつながる可能性があります。

保育士が幼稚園教諭を目指すには?|実務経験が活かせる

保育士が幼稚園教諭を目指す場合、幼稚園教諭免許状授与の所要資格の特例があるのでご紹介します。

保育士資格を保持している場合、それまでの勤務経験を評価してくれ、幼稚園教諭に必要な単位数を軽減するというものです。これには、幼稚園教諭免許状および保育士資格の2つの資格所持を促進する目的があります。

つまり、実務経験が活かせるので、その後の各都道府県でおこなわれる試験に合格することで、幼稚園教諭の資格を取得することが可能です。

4. より条件のよい保育園に転職する|保育士は人手不足

公立保育園は給与が高いとご紹介しましたが、この場合は公務員ですので、安定した給与と賞与が支給されるでしょう。たとえば、私立保育園で勤務しているのであれば、公立の保育園を目指すなど、よりよい条件の保育園や施設に転職するという方法もあります。

現在の日本では、保育士は人手不足となっているので、保育士の転職は需要が高いです。保育士募集の求人を探して、好条件の勤務先を探してみましょう。

公立保育園へ転職するには?|自治体の採用試験を受けよう

公立の保育園の職員は公務員となるため、自治体の採用試験を受験するには必要があります。新宿区の採用試験をもとにご紹介していくと、保育士資格があり、都道府県知事の登録を受けている人であれば受験可能です。

受験内容は筆記試験、作文となっています。受験して合格すると、公立保育園に勤務することが可能です。ただし、年齢制限があるので注意しましょう。

保育士資格が活かせる職場が探すには:https://relax-job.com/kaigo

自分にできることから始めて収入UPを目指そう!

保育士の賃上げについて話題となっている現在、最新の保育士の月給は約25万円、平均年収は約375万円であることがわかりました。年々少しずつ月給が上がっていることから、これからさらに上がる可能性があるでしょう。

給与が上がるのを期待するだけではなく、収入UPを目指すには役立つ資格を取得するなど、さまざまな方法があります。できることからはじめて、収入UPを目指しましょう。

引用元サイト
厚生労働省 令和2年賃金構造基本統計調査
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069431&fileKind=0 (エクセル)
内閣府 令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/data/pdf/chousa/kekka.pdf

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの保育士求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄