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介護・看護・リハビリ 2022-03-03

辛いけどやりがいを感じる「幸せな最期を看取ること」/介護リレーインタビュー Vol.28【介護福祉士 小谷昇平さん】#2

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。今回お話を伺ったのは、訪問介護サービスを行う「ユニバーサル介護センター永福」の介護福祉士・小谷昇平さん。

前編では、小谷さんの経歴や、ご利用者さんとの向き合い方についてお話を伺いました。後編ではこの仕事のやりがいや、今後の目標についてお話を伺います。

幸せな最期を迎えてもらうために僕たちができる精一杯のサポートを

――この仕事をしていて、やりがいを感じるのはどんな時ですか?

一見悲しいことなんですが、ご利用者さんの最期を看取った時ですね。正直、介護の現場は一度サポートが始まると、「元気になったのでもう大丈夫ですよ」ってことはなかなかないんですね。サポートを受けながら長生きしてくれるのはすごくいいことで、嬉しいのですが、ほとんどの方がいずれ施設に入ったり入院したりするんです。最近では、入院していた方が「最期は自宅で」と希望される場合もたくさんあります。僕たちはそういう方たちのサポートもしていて、年に何人かの最期を看取ることになります。病気や障害が進行しているわけなので、どうしても苦しそうな人が多いのは、見ていて辛いですが……。それでも、少しでも長く快適に過ごしてほしい、少しでも楽に最期を迎えてほしい、と思ってケアしています。

――……とても深いお話ですね。確かに最期を看取るのは辛いけど、ご本人にとって、少しでも幸せな最期を過ごしてほしい。

はい。正直、幸せな最期だったかどうかはご本人にしかわからないけど、そう願わずにはいられないし、そう思いたい。なのであえて言うなら、そんな最期をサポートできたことにやりがいを感じます。

複雑でわかりづらい介護にまつわる法律を利用者の方にわかりやすく伝えたい

――小谷さんの今後の目標を教えてください。

そうですね、介護にまつわる法律関係の知識を増やしたいと思っています。介護や福祉の保険の制度って、ここ20〜30年ですごく変わっていて、今後も変わると思うんです。正直、まだ僕もちゃんと理解できていないんですが、ご利用者さんやそのご家族に、よく質問されるんですね。その時、自信を持って答えられないのが辛くて……。なので、その知識をしっかり身につけて、わかりやすく伝えてあげられるようになりたいです。制度がきちんと理解できれば、できるサポートも増えてくると思いますし。

――すでに勉強をスタートされているんですか?

はい。一昨年前に介護福祉士の資格を取ったので、今は通信で社会福祉士の勉強をしています。ケアマネージャーは介護福祉士の実務経験が5年以上必要なので道のりは長いですが……。いつかは取りたいですね。

この仕事をするようになって「自分、変わったな」って思うことがたくさんあるんです。人としゃべるのがあんまり得意ではなかったけど、昔に比べたらよくしゃべるようになったし、人見知りも以前よりずいぶんよくなったし(笑)。自分に自信を持たせてくれたこの仕事に、恩返しがしたいですね。

――素敵ですね!ちなみにプライベートでは何をしているんですか?

休みは週に2日ありますが、インドア派なので基本的には家にいます(笑)。以前は買い物に出かけたり、友人と飲みに行ったりしていましたが、今はなかなかできないですからね……。勉強したり、映画を見たりしています。

いい意味で鈍感に!時には割り切るぐらいがちょうどいい

――小谷さんから見て、介護の現場に思うことはありますか?

現場そのものに思うことと言うよりは、まわりの介護職に対するイメージですね。どうしても「たいへん」「キツイ」「汚い」「賃金が安い」など、よくないイメージを持っている人が多いのかなと思います。そのせいか、人手も足りていないし、なかでも若い人が圧倒的に少ない。あと男性も少ないです。

もちろん人と接する仕事ですし、楽な仕事とは言えませんが、「意外と、思っているほどじゃないよ」と声を大にして言いたいですね。もっと多くの人がこの業界で働いてくれることを願います。

――ちなみに、どんな人がこの仕事に向いていると思いますか?

いい意味で鈍感な人、でしょうか(笑)。利用者さんのなかには、悪気はないけどいろいろ要望される方もいます。もちろんご自身の体に関わることなので細かく気になるのは当たり前なのですが……。そういうのを深く考えすぎず、「仕事」と割り切れる方が気持ちは楽かもしれないですね。


前編・後編にわたって、介護の現場をリアルに語ってくれた小谷さん。特に最期を看取るお話は、利用者さん一人一人を真摯にサポートし、実際に最期を看取ってきたからこその重みがあり、深く考えさせられました。貴重なお話をありがとうございました!

取材・文/児玉知子
撮影/喜多 二三雄

Information

ユニバーサル介護センター永福
住所:東京都杉並区永福3丁目21-4
TEL:03-3325-8676

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