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介護・看護・リハビリ 2020-01-04

介護福祉士のステップアップ資格・専門介護福祉士

介護福祉士からステップアップが目指せる資格のひとつに、専門介護福祉士があります。専門介護福祉士は日本介護福祉士会が認定する資格で、研修の受講によって分野別に認定されるものです。介護福祉士の上位資格として公的資格である認定介護福祉士というものも設置が予定されていますが、どのような違いがあるのでしょうか。

専門介護福祉士とその取得方法

専門介護福祉士は、日本介護福祉士会が認定する民間資格のひとつで、公益社団法人日本介護福祉士会が認定を行う民間資格です。日本介護福祉士会は、介護福祉士の専門性や社会的評価の向上に取り組んでおり、介護福祉士の生涯研修を行っています。

介護福祉士のキャリアパスとして、厚生労働省 が中心となり資格制度が再検討されていますが、それ以前から日本介護福祉士会は独自のステップアッププランの想定を行ってきました。

日本介護福祉士会の生涯研修制度は、介護福祉士初任者研修(実務経験2年未満)、ファーストステップ研修(実務経験2~3年程度)、セカンドステップ研修(検討中)の後に専門介護福祉士(仮称)が設けられています。管理や指導を担当するレベルの介護福祉士が想定です。

日本介護福祉士会では研修にポイント制度を導入しており、一定の研修ポイントの積算によって上位の研修が受講できるようになっています。実務経験と研修を積みながら取得していく資格です。

専門介護福祉士の各専門内容と取得方法

専門介護福祉士は分野別の認証となっています。運営管理領域研修、教育領域研修、実践分野別専門研修の3つに大別され、実践分野において、認定専門介護福祉士(認知症)養成研修が行われ、認定が開始されました。

認定専門介護福祉士(認知症)の取得には、原則として5年以上の実務経験があり、日本介護福祉士会が行っている「ファーストステップ研修」を終了しているか、生涯研修を150時間以上終了している必要があります。また自職場での実習が必要ですので、現在日常業務として認知症の介護を担当している方が対象です。

認定専門介護福祉士(認知症)の研修は、講義と演習が140 時間以上、自職場での実習が160時間です。研修では、認知症介護の基本やコミュニケーションをはじめ、認知症の方や家族に対する支援や介護計画について学びます。専門介護福祉士の認定は研修終了後の試験および自職場での実習終了後のレポート提出によって行われます。

専門介護福祉士と認定介護福祉士の関係

現在、厚生労働省 では介護福祉士の上位資格である認定介護福祉士の創設に向かって動き出しています。その内容について現時点では確定しておりませんが、7~8年の実務経験を持つ介護福祉士の専門性を高めるために研修や認定が行われる予定です。およそ400時間から500時間程度の研修として進められているようです。

一方、専門介護福祉士は、当初検討中であった認定介護福祉士よりも高いレベルの、経験11年以上の管理者や指導層を想定していました。ただし現在の認定介護福祉士のカリキュラムであっても、取得には時間などの負担が大きいことが指摘されています。

現在すでに専門介護福祉士の資格は、認定専門介護福祉士(認知症)といった形で認定は行われており、一定の評価は得られています。しかし、今後公的資格としての認定介護福祉士制度が正式スタートした際に専門介護福祉士がどのような立ち位置となるかはまだわかりません。

当初介護福祉士のキャリアアップとして専門介護福祉士という資格が利用されてきました。しかし公的資格である認定介護福祉士制度のスタートにより、介護福祉士が目指すキャリアプランとしては、認定介護福祉士が中心となると思われます。専門介護福祉士については、今後の介護福祉士に関する制度変更をみながら検討する必要があるでしょう。

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