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特集・コラム 2022-06-16

柔道整復師や整体師あるある?職業病やその対応の一例を紹介

手術や投薬などの方法を用いず、マッサージなどの施術をおこなうことで身体の不調の改善を図る柔道整復師は、医師や美容師などと同様に専門性の高い職業です。そのため、職業病や仕事上の「あるある」を実感するケースも少なくありません。

ここでは、そんな柔道整復師が経験するケースが多い職業病やその対処法などについて解説します。

柔道整復師あるあるの悩みを紹介

柔道整復師の仕事では、この職種ならではのあるあるにめぐり合うことも少なくありません。これらのあるあるは仕事上での悩みに発展するケースも珍しくないことから、あらかじめ適切な対処方法を心得ておくことが大切です。

柔道整復師と整体師やマッサージ師などの違いをわかってもらえない

柔道整復師にとってその職種自体があまり認知されておらず、漠然としたイメージだけで語られることが多いことはあるあるのひとつです。このことから、柔道整復師は似たようなほかの職種と混同されてしまうことも少なくありません。

たとえば、整体師やマッサージ師は柔道整復師と混同されやすい代表的な職種といえます。これらの仕事に従事する人が提供するサービスは人気も高く、柔道整復師が同じようなサービスを要求されることも珍しくないようです。

しかし、これらの職種には明確な違いがあり、提供できるサービスも異なります。柔道整復師として働いていると、人によってはこのようなほかの職種との違いを理解してもらえないことに歯がゆさを感じることもあるようです。

柔道整復師は保険が適用される医療行為ができる

柔道整復師が整体師やマッサージ師などのほかの職種と明確に異なる根拠としては、保険が適用される医療行為がおこなえることが挙げられます。

柔道整復師は骨折や脱臼、捻挫やその後遺症などを中心に、幅広い身体の不調を改善するための施術をおこなうことが認められていますが、整体師やマッサージ師の場合、保険が適用される医療行為はできません。

このことから、柔道整復師のサービスではより高度な施術を受けられ、なおかつ利用者の医療費負担が少ない点も大きなメリットとなるようです。

勤務時間が長く身体に負担がかかることも

柔道整復師の勤務先としては個人経営の整骨院などが多く、人によっては自身の整骨院を開き、施術をおこなっていることもあります。一般的に整骨院は受付時間が長く、閉院時間は夜の9時頃になることも珍しくありません。

さらに整骨院では受付終了後も事務作業などをおこなわなければならず、帰宅できるのが受付終了後の数時間後となってしまうことも。また、最近では土日に受付をおこなっている整骨院も多く、週休1日や半休などのように休日が変則的になりやすい傾向があることも覚えておかなければなりません。

そのため、柔道整復師にとっては勤務時間が長くなりやすく、身体に負担がかかりやすいこともあるあるのひとつといえるようです。

労働条件を確認し、生活に合わせた雇用形態を選ぼう

柔道整復師の資格は一度取得すると一生持ち続けられ、就職・転職ではつねにアピールポイントのひとつにできます。そのため、この資格を持っていれば自分の希望や生活スタイルに合った仕事を見つけやすくなるでしょう。

勤務時間が長くなりやすいというデメリットからの影響を少なくするためには、労働条件をよく確認したうえで自身の生活に合う雇用形態を選ぶことが大切です。柔道整復師の資格を取得していることは、その際にも大きな強みとなるでしょう。

知識だけでは足りない?技術面の不安

柔道整復師は資格そのものの取得難易度が低くはないものの、医師免許などに比べれば容易に取得することが可能です。そのため、資格取得を目的とした学習過程でじゅうぶんな自信を身につけられないまま資格取得に成功してしまう人も少なくありません。

このような人の場合、実際に柔道整復師として働きはじめると「きちんと治療できるのか?」という技術面での不安を抱えることになってしまうことがあります。実務経験がじゅうぶんでない人の場合はこのような悩みを抱えてしまうことが多く、そのことは駆け出しの柔道整復師にとってのあるあるとなるようです。

このことから、柔道整復師の資格を取得して働く場合には、資格の取得だけでなく精度の高い技術を身につけることも目標する必要があります。

前向きに研究や勉強に励もう

柔道整復師としてより高い技術を習得することは、資格を取得して働きはじめてからでもじゅうぶんに可能です。そのためには働くようになってからも日々研究や勉強に取り組み、新たな技術を身につけていくことを習慣づける必要があります。

また、技術面でのレベルアップは日々の業務における施術や職場内での研修を通じて経験を積むことでも可能です。より高い技術を身につけるためには、学べる職場を選ぶことも重要となるでしょう。

腱鞘炎などの身体の不調

柔道整復師の仕事では身体の特定の部位を酷使するため、その蓄積によって不調が生じやすくなることもあるあるのひとつです。たとえば、施術時には手や手首に力を入れることから腱鞘炎などの強い痛みをともなう症状が現れてしまうケースも少なくありません。

また、施術中は身体に負荷のかかる姿勢を維持しなければならないことも多く、それを原因とする腰痛を発症する柔道整復師もいるようです。このように身体への負担が少なくないことを踏まえると、出産を控える女性の柔道整復師などは早めに産休に入るといった対処も必要となるでしょう。

応急処置やケアを怠らないようにしよう

柔道整復師として働き続けるためには日々の業務によって自身の身体にかかる負荷を軽減すると同時に、必要に応じて適切な応急処置やケアをおこなうことも不可欠です。

たとえば、腱鞘炎や腰痛などの症状は日ごろからケアをおこなっていれば重症化してしまうのも避けられます。そのため、行きつけの病院などを見つけておくことが大切です。それと同時に自宅でおこなえるケアの方法に関しても、仕事上必要な知識として身につけていくようにしましょう。

お客様とのコミュニケーションがむずかしい

柔道整復師の仕事ではお客様と一対一で接することから、その際のコミュニケーションの取り方がむずかしいと感じる人も多いようです。コミュニケーションが上手に取れていないと、「施術後に症状がひどくなった」「症状が緩和されない」といったクレームにつながることもあるため、注意しなければなりません。

このことから、柔道整復師として働くうえではお客様とのコミュニケーションに関わるスキルについても必要な能力として身につけていく必要があります。

誠実な対応を心がけよう

柔道整復師の仕事におけるお客様とのコミュニケーションでは、誠実な対応を心がけることが大切です。クレームに関してはとくに誠実な対応を心がけ、大きなトラブルの発生を未然に防ぐようにしましょう。

また、誠実な対応をするためにはお客様の声に真摯に耳を傾けることも大切です。お客様の言葉には施術を受ける側でないと気づかないようなヒントが隠されていることもあり、それは自分自身の柔道整復師としての成長においても有益なものとなります。

大変なことばかりではない柔道整復師のやりがい

身体への負担が多く、お客様とのコミュニケーションにむずかしさを感じる人も少なくない柔道整復師の仕事ですが、日々の業務では大変なことばかりではなく、やりがいも実感できます。たとえば、お客様のなかには「楽になった」「辛かった症状が緩和した」といった感謝の言葉を直接伝えてくれる人もいるからです。

このようなお客様からの感謝の言葉を励みにすれば、仕事上どうしても生じてしまう大変なことも乗り切れるでしょう。また、お客様の感謝の言葉は自分自身の柔道整復師としての成長を証明してくれるものでもあるため、新たな知識や技術を習得するうえでも励みとなります。

柔道整復師の仕事ではこのようなポジティブなできごとを励みとして、前向きに日々の業務に臨むことが重要だといえるでしょう。

柔道整復師は悩みがあってもやりがいがある仕事

柔道整復師のなかには、拘束時間の長さや身体への負担の多さなどを理由に退職や転職を考えはじめる人も確かに存在します。

しかし、そのような悩みが発生しやすい一方で、日々の業務ではやりがいを実感できる場面も多く、自分自身の考え方次第では前向きな気持ちで働き続けられるはずです。柔道整復師として継続して働くために、今回ご紹介した対処法をぜひ実践してみてください。

引用元サイト
日本医学柔整鍼灸専門学校 知っておきたい柔道整復師のメリットとデメリット

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