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ヘルスケア 2023-05-26

独立を目指すなら「正解」を求めず、柔軟な考え方で突き進む【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.99 脳のクセなおしトレーナー 松永健吾さん】#2

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

今回は、トレーナーの松永健吾さんにインタビュー。松永さんは脳のクセに着目し、メンタルケアに重点をおいたトレーニングの指導を行っています。

前編では、独立時の集客方法やトレーニングメニューに「脳のクセなおし」を取り入れた経緯を伺いました。後編では、現在行っているプログラムや独立に必要なアドバイスをお聞きします。

お話を伺ったのは…
脳のクセなおしトレーナー 松永健吾さん

北海道で教育大学在学中にスポーツクラブでアルバイトをしながら、トレーナーを志す。卒業後は介護施設のリハビリテーションで半年勤務を経験後、スポーツクラブに再就職。その後、独立を目指して業務委託を開始し、約1年ほどで独立。現在は北海道から神奈川県に移住。脳のクセなおしを軸にしたトレーニング方法を発信・指導している。

instagram:@matsunaga_abm

オンラインジムがメインのプログラムを考案。お客様のために最善を尽くしたい

nemareは秋田弁の「ねまる(くつろぐ)」を引用。秋田県出身の松永さんがサービスに込める想いとは?「一人ひとりがリラックスできる」がポイントなんだそう

――「nemareプログラム」について教えてください。

オンラインを軸にしながら、リアルのパーソナル、有料の月額制コミュニティ、脳トレセッションの三本柱で展開しています。

――リアルではなく、オンラインに特化したのはなぜですか?

北海道は都内と比べるとトレーニングに興味がある人口の母数が違うので、リアル集客があまり見込めなくて。オンラインであれば、場所なども関係なく受けていただけるし、集客の幅も広がると思って導入したんです。

――オンライン指導の概要をお聞かせください。

オンラインで行っているのは、「食事管理」「パーソナルトレーニング」「オンラインジム」。個人だけでなく、集団でトレーニングを行うメニューもあります。

――お客様へのトレーニング指導の際に気をつけていることは?

・目の前のお客様に100%集中する
・自分の軸を保ちながら接する
・左脳ではなく、右脳で感じ取る

お客様にとって満足のいくトレーニングをするために、できるだけ以上の3つに気をつけて指導を行っています。トレーニングの際は、論理的な思考よりも創造的な思考が大事。自分が持っている知識をもとに、感じた感覚を優先しています。

独立に必要なのは…「挑戦する」「得意分野を見つける」「目標を持つ」

――独立前に経験して良かったと思うことは何ですか?

一度雇われて働いたことです。スポーツクラブで独立を目指す前に一度、知り合いに誘われて介護施設のリハビリテーションで働いたことがあり、デイサービスで体操を教えていたのですが、自発的に取り組みたい姿勢じゃない人もいて…。スポーツクラブに来るお客様とは対照的な印象に衝撃を受け、「僕がしたいのはこれじゃないな」と自分の方向性を見直すきっかけになりました

――経験を重ねることで、自分の目標が形成されていくのですね。独立する際に必要な心構えは?

自分の得意分野を磨くことでしょうか。技術のレベルが高いのは前提のうえで、さらに他の同業者と差をつけるためには自分は何が得意なのか、どこに特徴を見出せるのか考えておくんです。

今はSNSで何でも情報が見られる環境。選択肢も広く、選び放題ですから多くの同業者がいる中で見つけてもらうには特徴や得意な技術を持っておくのは必須だと感じます。

――周囲とは違う特徴を見出すと独立するためには有利なのですね。

手技に加えて、自分の理念もしっかり決めておくと良いですね。会社一つひとつに企業理念があるように、自分一人でやっていく場合も同じで、理念を決めないと方向がブレてしまう。なんとなく集客して、なんとなく独立するのは避けた方が良いと思います。

トレーナーってダイエットから怪我のサポートまで、なんでもできてしまうからこそ、自分の目指す方向性を決めることが重要だと思っていて。自分がトレーナーになったら、どんな悩みの人の役に立ちたいのか、しっかり考えてから進むことをおすすめします。

――今後独立を考えている人へアドバイスするとしたら?

正解思考でいなくて良いかなと。例えばInstagramの投稿一つにしても何か新しい試みを取り入れたときは、躊躇いがちですが、すぐに投稿にすることが大事です。投稿するか否か悩んでいる時間が勿体無い。大事なのは一発でバズるとかではなく、どんな結果でもそれを受け入れて分析して次に活かすこと。今はバズるための方法がいくつもあるので、それらを自ら選んで試すことが可能です。一発で正解を導き出すのは難しいですし、何より思考を続けて前に進むことに重きを置いてほしいですね。

病院に行かなくても各個人の健康が保てる社会にしたい

――松永さんご自身の今後の目標をお聞かせください。

今取り入れている脳トレを一般化したいです。もともとはダイエットを中心としたトレーニングを指導していましたが、WINメディテーション®︎と出会ってからはトレーニングとメンタルが深く関係していると分かったので、みんなが自分でケアできるようにしたいと思っています。

日常で痛みがある人が病院に行っても湿布や薬を出され、一時的な回避にしかならない。結局は根本的なところを解決しないと改善には至らないんです。日常生活を送る中での動作に気をつける心がけが根本的な解決に近づく。それに気づいてセルフケアできるようになれば、もっと健康な人が増えますよね。

――その目標を実現するために何か取り組んでいますか?

個別にコンサルティングを行っていて、自分が探して見つけて学んだ技術や方法を希望する方に指導しています。

思考やストレッチを一人で広めるには限界がありますから、コンサルティングを通して目標を達成すべく進んで行きたいです。

1.松永さんが独立して独自の手法を獲得できた理由

1.起きた物事を当たり前と流すのではなく、疑問を感じたら考え抜く

2.解決したい問題のために興味を持ったことは徹底的に学ぶ

3.自分が良いと思ったら押し付けるのではなく、提案ベースで様子を見て実行に移す


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