独立する人を支援する取り組みで、もっと骨格ボディメイクの楽しさを広めていきたい【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.95 骨格ボディメイクデザイナー 鈴木美智さん】#2
ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。
今回は愛知県名古屋市で、骨格ボディメイクデザイナーをしている鈴木美智さんにインタビュー。
鈴木さんは自らを「ろっ骨先生」と称し、独自で考案した骨格メソッドを広めています。その親しみやすさや話題性もさることながら実績は確かなもので、あらゆる手段や方法を試しても効果がなかった人々が駆け込んでくるんだそう。そんな最後の砦として頼りにされている鈴木さんのエクササイズのメソッドとは?
前編では、骨格ボディメイクデザイナーとして活躍する以前の経緯や独立するために取り組んだことを伺いました。後編では、手技やエクササイズの基盤となった経験について、今後の目標をお聞きします。
教えてくれたのは…
骨格ボディメイクデザイナー 鈴木美智さん
メイクアップスクールの運営に8年間従事したあと、独立するも集客に悩み、興味のあったカイロプラクティックスクールに通う。独立を目指してエステサロンの勤務も経験したのち、骨格ボディメイクデザイナーとして独立。現在は、施術やエクササイズにとどまらず、未来の骨格ボディメイクデザイナーを育成するスクールの指導も務める。
「最後の砦」のような存在となるために、私にしかできないサービスを提供する
――ろっ骨を打ち出した骨格メソッドは、どんな方におすすめなんでしょう?
私がターゲットとしている層は大体40〜50代の女性が多いのですが、メソッドでいうと年齢関係なく全ての人に該当します。今まで多くの方の体を見させていただいたところ、ろっ骨が本来の位置からずれてしまい、正しく動かすことができていない人が極めて少ないのが現状。体に痛みがある場合は、ろっ骨の位置が正しくないことが原因なんです。
「ろっ骨」は体を支える支柱となる背骨と密接に繋がっていることから、上半身のシルエットの肝はろっ骨が司っていると言っても過言ではありません。そのろっ骨が正しい位置からずれてしまうことで体型が崩れ、その影響で体調が悪くなったり、痛みも出てきてしまう。そうなると、筋トレだけで改善するのは難しく…そこでつまずいた方たちから、最終的な手段として頼っていただけているようです。
――鈴木さんが考案した骨格メソッド、最後の砦のような印象を受けました。
実際に「どこに行っても効果が感じられなかったのに、先生のおかげで体型の崩れが改善して嬉しい!」と、長年のお悩みが改善できたと言っていただけることが多いです。
以前にエステ好きでいろいろなサロンを渡り歩いていたお客様を担当したことがあったのですが、見た目の変化にとても喜ばれたことに加え、お客様が通っていたサロンのエステティシャンにまで評判が広まったこともありました(笑)。
「どんな方法を試しても何も効かない…」といった方々も、骨格を正しい位置に戻すだけで改善されるので、ぜひ、頼っていただきたいです。
――「最後」に頼りにしてもらえる理由は何だと思いますか?
知識と経験と情熱によるものだと思います。解剖学をはじめ、お客様のお悩みを改善するためにたくさん勉強をしてきましたし、今も続けています。そして何より一番大切なのが情熱。まだ知識や経験が浅いときも情熱を持ってその時できることを精一杯やれば、お客様から信頼していただけます。過去から現在に至るまで「お客様のお悩みを改善したい」「喜んでもらいたい」と、この一心でやっています。
加えて以前にメイクやエステの仕事をしていた際に、お客様のお悩みを聞き出して提案することを当たり前に行っていたので、傾聴力や提案力がついて今に活きているのかなと感じます。不調の原因を探る際に些細な気づきもキャッチできると、 改善するためのヒントになりますから。
さらに言うとメイクって一ミリの差で、相手に与える印象が変わるんです。どうしたら美しく見えるか?と考えることがくせ付いていたことで、自然と審美眼が身につき、ミリ単位で体の歪みが分かるように。これらの理由によって、お客様が目指す美姿勢づくりのお手伝いができているんだと思います。
自立して働ける女性を支援するため、骨格ボディメイクの素晴らしさを広めたい
――過去に経験したことが今の仕事につながったのですね。現在、力を入れていることは?
お客様に対しての施術やエクササイズ指導を並行しながら、自分で「Msアカデミー」を設立し、講師業も。独自で培った手技や経験をメインに引き継いでくれる意志のある方を育成することを目的としています。
実は今取り組んでいることも、メイクの仕事の経験が関係しているんです。
――どういうつながりなのでしょう?
メイクスクールの運営を経験していたんですね。人に教えることが好きだったうえに、自分で得た知識や技術が好きなように活かせるスクールビジネスっていいなと思って…。
あとはこの業界に入って、「学んで終わり」という方が多いことに気づいたんです。体型や体の不調に悩む人を助けられる手技や術を身につけているのだから、いろいろな人の役に立てたらいいのに、それってとてももったいないなと。でも実際は、ビジネスにしたくても方法が分からないからできていない人もいるようでした。
――それで講師業にも力を入れているのですね。
骨格ボディメイクを始めて5年間くらいは講師をすることも視野に入れ、まずは私自身がいくつかのビジネス塾に入り、マーケティングについて学び実践と検証を繰り返し学びました。いろいろ学んだ中で、私自身が実際に経験・実践をして上手く行ったことと行かなかったことをアカデミーの生徒さんに伝えていけばメソッドも広められるし、ビジネスにしたいと思っている人たちの力にもなれると思ったんです。
――そこまでできる原動力は?
私は手技を体得することで人を助けられるこの仕事を、素晴らしいと思っています。例えば機械は買った瞬間から劣化していき、下がる一方ですが、生身で習得した技術や知識は向上していける。この仕事は技術や知識を重ねていくことで、場所も選ばずどこでも人を救えるのに気づいたんです。仕事の魅力を伝えつつ、女性が自由に活躍できるように精一杯支援をしていきたいです。
――今後の目標を教えてください。
まずは私が考案したメソッドをもっと広めていくこと。人に教える立場なので、自分自身の学びも止めずに手技やエクササイズの精度をこれからも上げていきたいです。そのためには、常に新しい知識や手技を身につけることが必要です。講師をしている今でも、セミナーや勉強会に自ら参加して他人から教えてもらうことを忘れずに続けています。一刻も早く、同じような志を持つ人を全国に増やしていきたいですからね。
ゆくゆくは海外進出も考えていて、私が習得してきた知識や技術がどれだけ通用するのか興味があるんです。実現の一歩目として、現在運営しているアカデミーの生徒さんたちが活躍できるよう力を入れてサポートし、アカデミー自体の名も大きくしていけたらいいなと思います。
最後に頼られる存在に。骨格メソッドを形作った3つのポイント
1.自分の興味があることにとことん挑戦・追求する
2.過去の経験と現在で共通点を見つけ、どう活かせるのかを考える
3.努力して培った技術と知識を存分に発揮し、常に学び続けること
取材・文/東菜々(レ・キャトル)