ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2023-07-30

呼吸が深くなりリラックス効果も高いヨガポーズをレクチャー【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.107/ヨガインストラクター/アーユルヴェーダセラピスト 綾さん】#2

「ヘルスケア業界」のさまざまな職業にフォーカスし、その道で働くプロに、お仕事の魅力や経験談を語っていただく連載企画「もっと知りたい! ヘルスケアのお仕事」。

今回お話を伺ったのは、ヨガインストラクター/アーユルヴェーダセラピスト 綾さん。

2005年にヨガインストラクターとなり、スタジオレッスンを中心に活動されていた綾さん。2022年6月にヨガとアーユルヴェーダのサロンを開業し、40代以降の女性をターゲットにした施術を行なっています。
前編では、ヨガインストラクターになったきっかけや、サロンに込めた思い・コンセプト、施術の流れを伺いました。
後編では、綾さん代表的な1日の流れや、おすすめのヨガポーズ、今後の目標、未来のヨガインストラクター/アーユルヴェーダセラピストに向けたアドバイスを伺います。

自然に触れ、季節の手仕事を実践すれば
生活習慣はおのずと整う

――現在の活動内容はどのような感じですか?

基本的にはこのサロンでの施術になりますが、オンラインのヨガ講座を行ったり、ヨガサークルや保育園で産後ヨガも教えています。

――代表的な1日の流れを教えていただけますか?

だいたいこのような感じです。

――ちなみにご自身の時間(1時間)は何をなさっているんですか?

ブログを書いたり、子どもの学校からのお便りを読んで整理したり……。そう考えると、あんまり自分の時間ではないですね(笑)。保存食を仕込んだりすることもあります。

――お忙しそうですね。ご自身のケアやストレス発散はどのようになさっていますか?

毎日必ず30分でもいいからヨガをするようにしています。出勤してから営業開始までの時間で行うことが多いですね。時間に余裕があれば1時間くらい行っています。あとは朝のウォーキング。自宅からサロンまで、できるだけ歩いて出勤するようにしています。

じつは私、自然に触れるのが趣味。日常的に自然に触れることでエネルギーをもらえますし、気分転換もできて、脳にも体にもいいんです。自宅の庭ではハーブを育てていて、4~5年前から季節の手仕事をしています。だから、我が家のお味噌は自家製なんです。

そうやっていれば、自ずと生活習慣や食生活も整います。季節を感じながら自然に触れる趣味のおかげか、ストレス自体を感じにくくなりました。

――すごく理想的です! でもなかなか真似できないですよね……。

サロンのカウンセリングでも、みなさんそうおっしゃいます(笑)。確かに始めるまでは大変ですよね。でも習慣にしてしまえば一生もの。それが「生活習慣」ですから。ぜひチャレンジしてみてください。

真我(=絶対に変わらないもの)とつながることで
人としての成長につながる

――せっかくなので、綾さんおすすめのヨガポーズをいくつか教えてください!

『スプタバタコナアーサナ』

下腹部と鼠蹊部(足の付け根)が解放され、リラックス効果が高いポーズです。胸を開くことで呼吸が深くなり、元気を回復できますよ!

1.ブランケット2〜3枚を身幅に折りたたみ、その手前(ブランケットが背中側にある状態)で、足の裏を合わせて座る。
2.そのまま体を後ろに倒して、ブランケットの上に仰向けになる。腕は耳横に引き上げて肘を抱えるか、そのまま横一直線に伸ばして胸を開く。
3.そのまま数分、姿勢をキープしたままゆっくり呼吸して、心地よさを味わう。

さらに、細長く畳んだブランケットを両足首に巻きつけると、股関節と膝がサポートされるので無理なく姿勢が安定します。

『エカパダラジャカポタアーサナのバリエーション』

股関節と臀筋(お尻の筋肉)のストレッチになるので、腰痛予防が期待できます。デスクワークで長時間座りっぱなしの人は、ぜひやってみてください!

1.片膝を曲げ、膝が体の外側を向くように股関節を開く。もう片方の足は真っ直ぐ後ろに伸ばす。
2.骨盤が床と平行になるように体を前に倒す。
3.そのまま1〜2分、姿勢をキープしたままゆっくり呼吸する。

②の時、床から骨盤が浮いているような感じがして姿勢が安定しない場合は、前足側のお尻の下に畳んだブランケットを敷くとバランスが取りやすくなります。さらに、必要に応じてブランケットやクッションを前腕の下に置くと、より安定感と安心感が高まります。

――ありがとうございます! 綾さんにとって、この仕事の魅力ってなんですか?

ヨガは「ポーズをとって気持ちいい、癒された」というだけでなく、精神面にも変化を与えてくれます。生徒さんと一緒に自分自身も成長できるというのが、一番の魅力なんじゃないでしょうか。

――具体的にどのように成長するイメージですか?

みなさん、「体=外側」「心=内側」と思いがちなんですが、ヨガの考えでいうと、心はまだ外側にあるものなんです。要は、自分の意思で変えることができるものは全て外側で、「精神」になると少し内側に入り、その奥の一番内側が自分の根源である「真我(シンガ)」です。アーユルヴェーダの言葉で言うと「魂」となり、こちらの方がピンときやすいかもしれないですね。これは絶対に変えることができないものです。

ヨガではポーズや呼吸法などの実践を通して「体」「心」「精神」をいい方向に変えていきつつ、瞑想をして変わらないもの=「真我」とつながることを大切にしています。これによってストレスや不安が軽減され、人としての成長も促されるんですよ。

瞑想は、真の自己とつながり。
周りの環境によって感情が振り回されることを防ぐ
最も効果的な手段

――今後力を入れていきたいことや目標などはありますか?

「1日の流れ」にも入っていましたが、私は生活習慣に「瞑想」を取り入れていまして、いずれサロンのメニューに瞑想を組み込みたいと思っています。

瞑想の良さは、自分自身をリセットできるところ。昨今は情報で溢れ、身の周りは目まぐるしく変化しています。それによって感情が振り回されている人も多いと思うんです。瞑想を取り入れると、それがだんだんなくなる。瞑想は、先ほどお伝えした「変わらないもの」に目を向ける、最も効果的な手段なんです。少しでも多くの方にそれをお伝えするのが、次の私の目標です。

――ヨガインストラクターやアーユルヴェーダセラピストを目指す人が学んでおくといいこと、アドバイスなどはありますか?

ポーズを教えることや施術をすることなど表面的な技術にとどまらず、その奥にある哲学をしっかり学んで、自分自身でそれを経験・実践するようにしてほしいです。やはり自分自身が身をもって体験していないと、人に伝えることは難しいと思いますから。

とはいえ、ヨガやアーユルヴェーダ以外のことにもたくさん触れてほしいです。例えば本を読むとか、いろいろな場所に行くとか。さまざまな体験を通して、自分の内面を厚くして、磨いていってほしいですね。そうすれば、生徒さんやお客さまとのコミュニケーションも円滑になるはずですよ。

――ありがとうございました! 最後に、ヨガインストラクター/アーユルヴェーダセラピストの「心得3箇条」を教えてください。

・愛と誠実さをもって対応する
生徒さんやお客さまに寄り添うには、欠かせないことです。

・先入観を持たずに人のエネルギーを見る
ドーシャにも通じますが、この仕事は人間の姿形だけでなく、その人が持つエネルギーを観察することが重要です。でも先入観を持っていると歪んで見えてしまうので、あくまでフラットな状態で受け入れるようにしましょう。

・自分の時間を充実させる
私たちは人にエネルギーを「与える」仕事です。与えるには、自分自身がエネルギーで満たされていることが大切です。「与えすぎて充電切れ……」なんてことのないよう、普段から好きなことや趣味を楽しんで自分の経験と活力にできるようにすることをおすすめします。

取材・文/児玉知子
撮影/喜多二三雄

information

Harmony
住所:東京都三鷹市下連雀3-16-18 ヒラソル三鷹201
Instagramアカウント

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事