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ヘルスケア 2020-04-01

【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.2】大貫里紗さんのヨガインストラクター・セラピストを目指したきっかけ

近年の健康ブームにともなって、さらに注目を集めている「ヘルスケア業界」。それらに携わる職業の多様な働き方を紹介する新企画がスタート。今回は、女性を中心にさらに注目を集めている「ヨガインストラクター」と「セラピスト」にフォーカス。

ヨガインストラクターとセラピストの2つの顔を持つ大貫里紗さんに、兼業に至ったきっかけや、双方の知識を得たことでのメリット、大貫さんが代表を務められている株式会社rebirth associatの経営方針についてたっぷり語っていただきました。

教えてくれたのは…

株式会社rebirth associate 代表取締役 大貫里紗さん

ヨガインストラクター。セラピスト。株式会社rebirth associateの代表として、ヨガスタジオと整体サロンの運営・各種養成講座・法人や教育機関向けの出張ヨガや研修、講演などに携わる。全米ヨガライアンス認定校としては、まだ希少な全資格を発行できる養成講座も取り持っている。自身の整体サロン『salon de arati』では、心と体の両面からのアプローチを行い、施術後のストレスケアやセルフケア・食事のアドバイスなども伝え、心身ともに健康に導くセッションを行っている。

強い探求心に導かれてヨガとセラピストの知識を習得!

―はじめに、大貫さんがヨガインストラクターを目指されたきっかけを教えてください。

長男を出産後に持病のヘルニアが悪化し、当時通っていた病院の主治医に、リハビリの一環としてヨガをすすめられたことがきっかけです。数日後に、ひとまずエクササイズ要素の強い「パワーヨガ」を体験してみたら、何も考えずにただひたすら動きに集中することができ、日々の育児の悩みや体の痛みからも自然と解放されたんです。その体験からヨガをもっと知りたいと思うようになり、その後も週2回ほどのペースで続けていたら、当初辛かった心の疲れと体の痛みがラクになり、健康な状態を取り戻すことができました。その矢先に、インストラクターの資格の存在を義母から教えてもらい、私もヨガをもっと深く学びたいと思っていたので、合宿スタイルの養成講座に参加して資格を取得しました。

―ヨガへの探求心が、その道を進まれるきっかけになったのですね!
 では、大貫さんがヨガインストラクターになられてから、どのようなキャリアを歩まれたのか教えてください。

資格を取得後、当時流行っていたSNSのコミュニティを介してヨガレッスンの依頼をいただき、出張レッスンをはじめたことがヨガインストラクターとしてのスタートです。ただ、当時はアパレルの内勤で勤めていたので、ヨガレッスンは仕事が休みの日を利用して行っていました。そしてヨガインストラクターの仕事をはじめたと同時に、体の左背中から肋骨あたりに原因不明の麻痺感が出るように。ですが病院に行っても原因が特定されず、ほかの治療法を探していたときに「オステオパシー治療院」というソフトな手技で体の関節を調節していく治療院に出会いました。今思えば、そこがセラピストの門をたたくきっかけになりましたね。オステオパシー治療院での施術を受けたときに、生まれてはじめて体が喜んでいるのを体感し、それまで辛かった麻痺感もすごくラクになり、治療院の手技と効果に驚きと感動を覚えました。その後もしばらく通い続けていたら、なんと院の先生から助手のお誘いを受け、勤務することに(笑)。そこから先生直々に手技を伝授していただき、セラピストとしての知識も習得しました。なので、一時期はアパレル・インストラクター・治療院で働きながら子育てをしていた時期がありましたね。

―ヨガインストラクターに加えて、セラピストの知識も習得されていたのですね…!
 では、どのタイミングで会社を立ち上られたのでしょうか?

その後もいろんな方との出会いの中でさまざまなお仕事のご縁をいただき、インストラクターになって2年程経ったころにアパレルの仕事を辞め、しばらくはフリーのヨガインストラクターとして働いていました。ですが突然、メインで入っていたヨガスタジオが閉鎖になってしまい、レッスンできる場所がなくなってしまったんです。けれど通ってくださっていた生徒さんたちが、ありがたいことにレッスンを続けたいといってくださったので、いろんな方法を試した結果、思い切って物件を借りてヨガスタジオをオープンしました。はじめは個人事業主として仕事をしていましたが、整体の養成講座を開講したり、業界初の整体の手技や考えを取り入れたヨガインストラクター養成講座を始めるようになったことで、よりたくさんの方に知っていただけるようになりました。おかげさまで売り上げも増えたので法人化し、現在に至ります。

―ヨガインストラクターとセラピストの知識を掛け合わせたことが、結果として大貫さんの大きな強みになられたのですね! 

私は両方の知識を習得出来て本当に良かったと思っています。通常ヨガインストラクターは、体の調整に関する知識は学ばないのですが、レッスンに参加される生徒さんから「肩こりってどうやったら治りますか?」など、体のお悩みについて問われる機会が非常に多いんです。私の場合、そんなときにセラピストの経験が活き、体のクセを見て負荷がかかっている原因から答えを導き、アドバイスすることができました。一方、治療院ではセルフケアについてお客様から問われることも多く、ここではヨガの知識が十分に活きました。ヨガインストラクターとセラピストは一見同じ業界に見えるかもしれませんが、実は学ぶことが全く違うので、双方の知識をハイブリットすることで互いにいいところを吸収しあうことができます。実際、私のスキルと知識も格段にアップしました。

あえて何も言わないことで自分を見つめ直してもらっています

Aratiスタッフ集合写真

―貴店の経営方針やスタッフの育成方法を教えてください。

経営方針は、結果的に組織として成り立っていればいいという認識で、基本は自由にさせています。働くスタッフにも私から言われたことを正すのではなく、自ら気づいて見つめなおしてもらいたいと思っているので、私からはあえて「何も言わない」ようにしています。

また、弊社のスタッフは皆女性なので、結婚・出産などのライフイベントによって望む仕事の在り方も変わってきます。そのときに相手が望む働き方にできるだけ合わせてあげられるよう、全力でサポートしているつもりです。

あとは常日頃からスタッフ全員に「掃除」の徹底を伝えています。掃除の仕方で、そのスタッフの仕事のモチベーションや生徒さんをお迎えする心持ちなどが見えてくると私は思っているので、相手の「掃除」を見て、きちんと自分を律することができているかどうかをチェックしています。

―女性が働きやすい職場、とても大事だと思います。
 ヨガ・セラピストの業界は、女性が働きやすい環境は整っているのでしょうか?

この業界に限った話ではないのかもしれませんが、やはり時間のやりくりは大変だと思います。私も子供が小さいときは園からの急な呼び出しも多く、周りの助けが必要になった場面が多々ありました。なので、お子さんがいらっしゃる方がこの業界で働く場合は、仕事と家庭のバランスを意識して、事務作業などは極力自宅で行ったり、他のスタッフに任せられる仕事は思い切ってお願いする勇気は必要かもしれません。

あと余談にはなりますが、現代の女性は自分をしっかりほめてあげてほしいです。私も子育てと仕事を両立していたとき、「ママ、本当に頑張っているな!」と自分で自分をほめたたえていました(笑)。日々の忙しさに負けて心がネガティブにならないよう、しっかり自分をケアしてあげることも大切です。

―貴重なお話をありがとうございます! 
 では、大貫さんの1日のスケジュールを教えてください。

講演や新しい講座の開講前は自宅で資料作成をしたり、社外との打ち合わせが入ることも多いので、スケジュールはほぼ毎日変動しています。ただ、スタジオや治療院にずっといると目の前のことで精一杯になってしまいがちなので、カフェに行って今後の仕事の構想を練る時間が私にとってはすごく大事です。忙しい中でもこの時間は確保できるように努めています。

―では、貴重な休日は何をしてリフレッシュされていますか?

心地よい音楽を聴く、美味しいものを食べる、アロマ・オイルトリートメントで癒される、自然豊かな場所や温泉に行くなどして五感を満たすようにしています。忙しいときは一日休みをとることが難しいこともありますが、適度にリフレッシュしないと結果的に仕事の能率が下がってしまうので、朝の2時間は休息するなどして時間を有効に使うよう心掛けています。

ヨガとセラピストの知識を掛け合わせて独自のメソッドを生み出し、大躍進を遂げられた大貫さん。代表となられた今でも周りへの感謝の気持ちを忘れず、お仕事に真摯に向き合われているお人柄が、たくさんの方から支持されている理由のひとつでもあるのかなと感じました。次回は大貫さんがヨガインストラクター&セラピストとして日々心がけていらっしゃることや、これからその道を目指す方々へのアドバイスをお届けします!

取材・文:小沼奈央(レ・キャトル)
撮影:岩田 慶(fort)

▽#2はこちら▽
【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事Vol.2】大貫里紗さん「ヨガインストラクター・セラピストとしての仕事の流儀」>>

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