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ヘルスケア 2021-12-02

ビジネス目線を持って稼げるヨガインストラクターに【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.43 ヨガ講師 内田 薫さん #2】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

前回に続き、ヨガ講師&インストラクターとして幅広く活動している内田 薫さんにインタビュー。金融機関での営業職からヨガインストラクターに転職した内田さん。前編では、ヨガとの出会いから現在までの道のりをお聞きしました。

中編となる今回は、出産を経て社員からフリーランスになった心境、お仕事の魅力と大変さなど、これからヨガインストラクターを目指す人に向けてアドバイスをいただきます。

お話を伺ったのは…

ヨガ講師/メンタルトレーナー 内田 薫さん


大手ヨガインストラクター養成スクールやスポーツ専門学校にて講師を務める傍ら、イベント登壇やヨガスタジオ・トレーニングジムでコンサルティングを務める。2020年メンタルトレーナーの資格を取得し、在籍インストラクターのメンタルコーチングも担当するように。出産を機に2021年5月よりフリーランスとして活動スタート。同8月より、ヨガインストラクターにビジネス視点を伝える『サクセスオンラインヨガ塾』を開講中。
Instagram:kaoru__uchida

今はフリーランス。でもまずは社員になるのがおすすめです

出産を機に、社員からフリーランスに

──現在はフリーランスとして活動されているそうですね。

はい。4月までは社員として働いていたんですが、育休中に子育てとの両立を考えてフリーランスになりました。

社員として復帰したとして、子どものことで呼び出された場合、固定レッスンも急遽代講を出したりクローズしたりしないといけない。そうなると他の社員だけでなく、お客様にも迷惑をかけてしまうなと、すごく悩みましたね。「確実に働ける方法を考えよう」と思って、フリーランスとして活動することにしました。

会社関係なく個別でのお仕事をいただくことも多く、育休中にいただいた依頼を断るのがもったいなかったというのもあります。社員だとその売り上げも自分には入りませんから。

──フリーランスになってよかったですか?

自分の好きなように、思った通りにできるところは良いなと思います。でも、この記事を読まれるような、インストラクターを目指そうという方には正社員のほうがおすすめです。

フリーランスとして稼いでいきたいなら営業もしないといけないし、依頼のご連絡にはすぐにレスポンスしなければいけない、自分を知ってもらうための発信もしなければいけません。

でも社員として会社に所属していれば、知名度を上げる戦略や広告費をかけた宣伝なども会社がしてくれます。個人だと集客や発信を無料ツールに頼るしかないけど、そこでの発信力が自分にあるのかというのも考えないといけません。やっぱり自分だけでは限界がある部分なので、まずは社員になってお客様や知名度をつける方がいいんじゃないかと思います。

──フリーランスのヨガインストラクターに憧れている人は多いですよね。

わかります、私も最初はそうでしたから。でもヨガのインストラクションをすることだけが仕事だと思っていると、現場に出たときにギャップを感じてしまうんですよね。

そのマインドを変えるために『サクセスオンラインヨガ塾』を始めたんです。これまでの経験から、なぜ稼げないのか、稼げるようになるにはどうしたらいいのか、ということを伝えています。ヨガインストラクターさんたちが、もっとビジネス目線を持ってくれたらいいなと思います。

目の前の人をキャッチするには、ハートを鷲づかみにすること

理論的でわかりやすいレッスンが人気を集める内田さん。
しかし集客には悩み続けたと言います

──内田さんが感じるヨガインストラクターのお仕事の魅力とは?

ヨガインストラクターの仕事は、ヨガのノウハウを伝えながら、目の前の生徒さんが輝くきっかけを作る仕事だと思っています。だからレッスンを重ねるごとに、生徒さんがどんどん輝いていくのを見ると、やりがいを感じますね。それは、一般の方向けのヨガインストラクターでも、インストラクターを目指す方向けのヨガ講師でも、変わりません。

今はとくにマスク越しなので表情がわかりにくいんですが、それでも目が全然違うんですよね。レッスンの最初は全然話してくれなかった人が、帰り際にすごく話しかけてくれて「スッキリしました」「次のレッスンいつですか」と聞いてくれたり。私が関わることで、その人の中に変化する瞬間があったのかなと思うと、すごく嬉しいです。

──逆に苦労したこと、大変だと思うことは何ですか?

集客面は、社員時代もフリーランスでも苦労してきたことです。最初のフリーランスのころからSNSは継続して取り組んでいました。でも一番苦労したというか頑張っていたのは、目の前にいるお客様に100%継続してもらうことでしたね。

どこかに所属していると、そのスタジオや会社が集客してくれている部分はあります。スタジオの前に看板があるだけでも、それを見て来てくださる人がいる分違いますよね。でもそこから継続してレッスンに来てもらえるかというのは自分次第なんです。

──継続してもらうためには何が必要だと思いますか?

コミュニケーションをとることと、レッスンや講義のなかでいかにその人のハートを鷲づかみにできるかが大事だと思います。

私が良かったなと思うのは、解剖学などの体の勉強をしていたことで、生徒さんにご自身の変化を感じていただけたことです。ビフォーアフターを感じやすいのは心より体です。例えば、前屈が深まった、明らかに骨盤の位置が整ったとか。

そういったポジティブな変化がわかりやすくなるように、レッスン前や途中などに体を確認する時間を設けるのは効果的でした。自分の体が変わっていくのを実感できると、続けたいと思えるんですよね。

ビジネス目線は持ちつつ、「ヨガが好き」という気持ちを大切に

内田さんはサップヨガインストラクターの資格を取ったことで
お仕事が軌道にのったのだとか

──ヨガインストラクターを目指している人にアドバイスをお願いします。

今目指している方、これから目指そうという方には、せっかく高いお金を払って資格を取るんだから、ちゃんと生業にできるように成長していただきたいです。だから稼ぐことの大切さ、ビジネス目線をちゃんと持っていて欲しいなと思います。

あとは、何かひとつ信じられるものを勉強して欲しいです。たとえば解剖学やヨガ哲学でもいいですし、呼吸法とかもいいと思います。私みたいにメンタルトレーナーなど全く別の目線から、一般の方にわかりやすく伝えるための勉強をしてもいいです。

ひとつでもいいから自分が信じられるもの、自分の軸となるものを追求して勉強して欲しい。それがいつかステップを上るための足掛かりになると思います。

──内田さん的ヨガインストラクターの心得3か条を教えてください。

1. コネクトすること

体と心のつながり、人とのつながり、ヨガ業界全体でのつながり。いろんなつながりがあるから仕事ができる。そこに感謝の気持ちを持っていて欲しいです。

2. 勉強すること

体のこと、心のことは時代とともに研究結果が変わっていきます。ヨガという本質的で変わらないことはありつつ、時代や環境に合わせて自分も変わっていかなければいけません。臨機応変さが求められるとき、さまざまな知識はとても大切。だからこそ資格を取って終わりではなく、いろんな勉強を続ける必要があると思います。

3.ヨガが好きなこと

続けていくためのベースとなるのは、やっぱり「好き」という気持ち。好きでい続けるためには、自分が好きな分野、得意な流派の資格を取るのもおすすめです。
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ヨガインストラクターを続けるためには、ビジネス目線が大切だと語る内田さん。「せっかくやるなら、ちゃんと稼げるようになって欲しいじゃないですか」と、ご自身の経験を踏まえて語られる言葉に、みんながハッピーにインストラクターをして欲しいという気持ちが感じられました。次回後編では内田さんが取得したメンタルトレーナーの資格についてと、レッスン内容についてお聞きします。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

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