ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2021-09-17

五感に働きかける「禊セッション」を詳しくレクチャー!【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.39 corpo e alma 小松ゆり子さん #3】

ヘルスケア業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』。

これまで、レコード会社宣伝マンからセラピストに転身した『corpo e alma』の小松ゆり子さんにお話しを伺ってきました。前編では小松さんがサロンを開くまでの道のりと、現在の働き方について、中編では小松さんがお仕事に感じる魅力と大変さ、そしてセラピストを目指す人へのアドバイスをお聞きしました。

後編となる今回は、小松さんが提供しているオイル・トリートメント「ヴァイタル・タッチセラピー」について。「禊セッション」と称されるほど、心と体を解放してくれる施術ができあがった経緯と、詳しい施術内容を教えていただきます。

お話を伺ったのは…

パーソナル・セラピスト 小松ゆり子さん

Touch for World 代表/セラピーサロン『corpo e alma』主宰/日本タッチ協会理事
レコード会社宣伝部に勤務後、セラピストに転身。大手ホテル・スパやクリニック併設メディカル・スパなどでセラピストとしての経験を積む。自然療法の国際総合学院で講師を務める傍ら、エサレンボディワークやストーンセラピーなど様々な手技を学ぶ。2012年『corpo e alma』をオープン。オーダーメイドの施術を行うと共に、ホリスティック&ソマティック・ヘルスケアのプロフェッショナルとしてメディアや企業での講師活動など、幅広く活動中。
Instagram:@yuriko_komatsu

五感に働きかける「ヴァイタル・タッチセラピー」の構築

「ヴァイタル・タッチセラピー」は120分/\30,000。
しっかりボリュームのある施術で、
人生の節目のご褒美として訪れる方が多いそう

―小松さんが行っている「ヴァイタル・タッチセラピー」について教えてください。

手技のベースになっているのは「エサレン®ボディワーク」です。エサレンはすごく自由で、教える人によって内容も違うくらいセラピストの在り方が出やすいセラピー。日本だと心に寄り添うように触れ、時に涙を流すような「癒し」の印象が強いかもしれません。

私も寄り添いの心で施術しますが、お客様からは「元気に活性した!」という感想が多いんです(笑)。おそらく私の資質が、陰陽で言うとかなり陽に傾いているからかなと思います。

だから「エサレンをやっています」というと、語弊というか「求めていたものと違う」ということもあるんですよね。以前「エサレンが好き」という方に施術した際、すごく不思議そうにして帰られたことがありました。その方が受けていたエサレンは、かなり「寄り添い」系だったようで…。

それで、より私の個性を明確にした施術名をつけようと思って「ヴァイタル・タッチセラピー」と名付けたんです。

―手技にはエサレンだけでなく、さまざまなメソッドが組み込まれていますね。

エサレンで学んだタッチ、ロングストロークやディープティシュー、ストレッチ&ムーブメントといった手技をベースに、アロマセラピーやストーンセラピー、クリスタルヒーリング、音叉療法などを組み込んでいます。さらにソマティックや身体心理学も考慮して全体を構成しています。

施術には音叉やストーン、クリスタルなど、
五感に働きかけるメソッドがいっぱい!

―施術の魅力を教えてください。

「ヴァイタル・タッチセラピー」は、人生の節目に自分を取り戻すために、気合を入れに来ていただくようなセラピーだと思っています。だから120分という長めの時間で、人の手や石、音などのツールを用いて、さまざまな角度から体が最適な状態になるようにアプローチしています。

そうして体が楽になった先には、心の自由さ、最適化があります。そんな心も体も喜ぶような体験を2時間みっちり味わっていただくことで、エネルギーが充填されるように感じていただける。だから「禊セッション」と言っていただくこともあるんです。

―施術のなかで大切にしていることは何ですか?

技術面で一番大切にしているのは、「呼吸」と「姿勢」です。その2つで作りだす圧と技で体にアプローチしていきます。

また最近すごくこだわっているのは、技と技の間合い。技を受けている時は、お客様の体も心も「状況を消化しよう」と一生懸命なんです。そこで少し間合いを取って離れると、体と心の反応が休みに入り自分の内側で消化しようとする時間がやってきます。するとスッと寝てしまうことも多いんですよね。その時間が取れるかどうかで、施術全体の質が変わってくると感じます。

―小松さんの手技のなかで、セラピストに特に取り入れて欲しいものは?

人に触れる仕事ですし、「タッチの質」というものは、あらゆる手技療法家にとって大切なポイントだと思います。タッチ(触れ方)のテクニックを学ぶことで質が高まり、セラピーの概念が大きく変わってくると、施術全体の質も変わってきます。タッチは施術の土台になる部分なので、他の技術も活きてくるんです。

私の講座のなかでも、タッチの質についてお伝えしている「クオリティ・オブ・タッチ」のクラスは、セラピストに限らず鍼灸師さんやPTさんなども多く受講してくださっています。

「ヴァイタル・タッチセラピー」の流れを詳しくレクチャー!

小松さんが提案する「ヴァイタル・タッチセラピー」の詳しい施術内容を教えていただきました。あらゆるメソッドを組み込んだ施術は、オリジナルセラピーを構築する時の参考になるはず!

1. コンサルテーション・精油選び

今気になっていること、これからどんな風になりたいかなど、ソマティックな対話を元にコンサルテーション。ペンデュラムを使い、潜在意識が求める精油を3本セレクトし、トリートメントオイルにブレンドする。最後に使うクリスタルをお客様ご自身に選んでもらう。

2. タッチ&ロッキング

うつ伏せからスタート。音叉を鳴らして意識を切り替えたら、全身にタッチ。相手の体に傾聴し、お互いの呼吸を感じる。タッチは施術前後、途中にもポーズとして組み込む。その後、全身を揺らしてロッキング。手を置く位置を少しずつ変えて揺らし、波の伝わり方で体の様子を観察。脱力させる効果も。

3. ストーン配置

温めたストーンを適所に配置して、筋肉や筋膜をゆるめていく。背中に配置した場合は、温めている間にエフルラージュで脚の施術を行う。

4. ストレッチ&ムーブメント

関節を動かし(ムーブメント)、その対象となる部位の筋肉を伸ばす(ストレッチ)。連続的に行うことで、深部にアプローチしていく。写真の「フロッグポジション」では股関節まわりと臀部の筋膜をリリース。上半身、下半身共に緩めることができる。

5. ストーン・ストローク

温めたストーンによるマッサージ。温熱の効果で表面、深層ともにアプローチして、筋肉や筋膜をしっかりゆるめる。

6. ディープティシュー

ゆるんだ筋肉に対し、前腕や肘を使って、より深部の筋膜を狙ってアプローチ。オイルが多いと圧が入りにくいので、肌上のオイル分が少なくなってきたところで行う。人によっては使わないことも。

7. ストーン&ロングストローク

背中にストーンを並べたら、足先から肩までワンストロークでアプローチ。エサレン®ボディワークの特徴的な手技。全身のつながりへの気づきを深める。

8. 頭部筋筋膜リリース

仰向けになり27まで同様に行ったら、頭部にもアプローチ。後頭部下筋群に4指を当て、静かにホールド。クラニオセイクラル的なアプローチも行う。

9. 音叉療法

二又音叉を鳴らし、鎖骨に当てる。音と振動による深いリラックス効果、血行促進など。背中の施術に用いることも。

10. クリスタルやストーンによる統合

体の下、上にストーンを配置。チャクラの位置にストーンとクリスタルを置いて、エネルギー調整と全身統合を行うメディテーション・タイム。最後に音叉を鳴らして意識を切り替えて終了。お茶を飲みながら対話の時間を持つ。

「ヴァイタル・タッチセラピー」のクラスもあるので、気になる方はぜひお問い合わせを。「ヴァイタル・タッチセラピー 基礎(全5回)

………………………………………………………………………………………………………………

たっぷり時間をかけて五感を刺激される「ヴァイタル・タッチセラピー」。音叉の響きから始まるセッションはグッと意識が引き込まれ、終わった時には生まれ変わったような気分に。精神的ストレスの多い現代人に、「ヴァイタル・タッチセラピー」のようなセッションは必要とされるだろうと感じられました。オリジナルの施術を構築したいセラピストさんは、小松さんのレッスンもチェックしてみてくださいね。

取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代

Information

corpo e alma(コルポ エ アルマ)

住所:東京都南青山
※お問い合わせはHP上のCONTACTからお願いします

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事