社会福祉士国家試験合格を目指すおすすめの勉強方法を紹介!
日常生活に困難を抱える相談者の支援を通じ、相談者を含む周囲の人々や地域生活をよりよいものへと改善する社会福祉士の仕事。
人々を支援する働き方にはやりがいを感じる機会も多いことから、社会福祉士を目指したいと考える方も多いでしょう。
今回は、社会福祉士を目指す人へ、国家試験合格におすすめの勉強法を紹介します。
社会福祉士国家試験合格を目指すおすすめの勉強方法を紹介!
社会福祉士の国家試験合格に必要な勉強時間は、少なく見ても300時間といわれています。この時間を考え、綿密なスケジュールを組んだうえで勉強すれば、効率的に学習できるでしょう。
社会福祉士の資格取得に向けて独学で勉強するときは、主にインプットとアウトプットの2つが挙げられます。ここでは社会福祉士の勉強を効率的に行いたい方へ、おすすめの勉強方法を10種紹介します。社会福祉士を目指す人は、上から順に試してみてください。
1. スケジュールを立てて計画的に勉強する
社会福祉士の国家試験を目指すには、まずスケジュールを立てて計画的に勉強を進めることを念頭に置きましょう。
その理由は、社会福祉士の国家試験に必要な勉強時間は300時間と言われているからです。そういった意味でも、膨大な勉強時間をどのように進めるとよいかを決め、スケジュールに沿ってコツコツと進めるよう心がけましょう。
2. 過去問には早めに取り掛かる
独学で勉強する場合であってもスクールに通いながら勉強する場合であっても、早いうちに過去問に取り掛かりましょう。
その理由は、出題範囲を勉強してから過去問に取り掛かるのに比べて、過去問を解きながら学ぶ方が効率的だからです。
過去問とは、過去の社会福祉士国家試験で実際に出題された問題が集約されたもののこと。つまり、過去問を丸暗記するつもりで勉強すれば、出題範囲がわかることはもちろん、社会福祉士に必要な知識を押さえられることにつながり、合格の近道となります。
3. 繰り返し解く
過去問や問題集を使用しながら勉強するときは繰り返し解くことも大切です。繰り返し解くことで問題そのものに慣れるため、問題を読むだけですぐに解答がわかるなど、知識の定着率を高められます。
4. 苦手科目は復習を忘れずに
試験の合格基準に、「全ての科目で得点を取ること」というものがあります。そのことから、自分のなかで少しでも「解きにくいな」「よくわからない科目だな」と感じるときは、積極的に復習し、苦手を克服しましょう。
苦手な問題にはマークやふせんをつけることで、いつでも一目で確認・復習できます。何度も繰り返し解いて科目に慣れ、苦手を克服しましょう。
5. インプットだけに集中しない
参考書を使う場合は、知識を入れることだけに集中せず、要所要所で過去問を解いてアプトプットを行いましょう。
たとえば、参考書で覚えた科目ごとに過去問を解いて、理解できているかをチェックするなどです。
間違えたときは参考書を開いて確認し、時間が経過したあと、復習のつもりで過去問を解くような勉強方法を取り入れれば、知識の定着率を高めることができます。
6. 優先順位を決める
勉強するなかで得意科目と苦手科目のそれぞれが把握できたら、優先順位を決めながら取り組みましょう。
得意科目を1時間取り組んだら、次は苦手科目に1時間取り組むといった具合です。得意科目から進めることで、勉強に対するモチベーションを保ちながら取り組めます。
7. スキマ時間を利用する
勉強時間を確保しようと思っても、仕事や家事と並行しているとなかなか難しいですよね。そんなときはスキマ時間を有効活用するのがおすすめです。通勤時間や休憩時間などを上手に使うことで、インプットとアウトプットを繰り返すことができます。
スキマ時間を有効活用できるよう、スマートフォンやタブレットを使って試験勉強をしたいときは専用のアプリを使うのがおすすめです。
App StoreやGoogle Playで検索すると社会福祉士の過去問アプリが確認できるので、この機会に試してみるとよいでしょう。
8. 模試を利用する
社会福祉士の模擬試験を利用して、実力を確認するのもおすすめです。国家試験に向けた勉強において、どのような環境で受験するのかはもちろん、厳密な時間制限によって、どれだけの問題が解けるかなどをチェックできます。
社会福祉士の模擬試験でもおすすめなのが、「一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟」、通称「ソ教連」と呼ばれる機関が実施するものです。受験可能科目と受験料は下表のとおりです。
種類 | 受験料 |
社会福祉士専門科目+共通科目 | 6,900円(税込) |
社会福祉士専門科目 | 4,700円(税込) |
精神保健福祉士専門科目+共通科目 | 6,900円(税込) |
精神保健福祉士専門科目 | 4,700円(税込) |
社会福祉士専門科目+精神保健福祉士専門科目+共通科目 | 11,500円(税込) |
なお、模擬試験を受けるには、申込受付期間中に申込を行う必要があります。2023年は6月1日(木)から9月15日(金)をもって終了していますが、模擬試験を希望する方は、下記ページの更新を待つとよいでしょう。
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟(通称・ソ教連)
引用元
一般社団法人日本ソーシャルワーク教育学校連盟:模擬試験の種類
9. 自分に合った勉強方法を選ぶ
独学に限界を感じたときは、通信講座やスクールを利用してみるなど、自分に合った勉強方法を選んだり変えたりするのも方法のひとつ。
通信講座やスクールを利用するには料金がかかりますが、特定の科目に絞って履修することもできるので、苦手科目を克服したいといった目的がある人にもおすすめです。
出費を抑えながら勉強したい人は、苦手科目だけ対策講座を受けてもよいでしょう。
10. 合格基準を確実に超えることを目指す
満点を目指すあまり、心身共に疲労を感じながらもがむしゃらに勉強する必要はありません。社会福祉士国家試験の合格基準は総得点の60%ほど。つまり、1問1点の150問のうち90問以上の得点で合格ということです。
ただし、この60%程度を満たす場合に、以下18科目すべてでの得点が必要になります。
1.人体の構造と機能及び疾病
2.心理学理論と心理的支援
3.社会理論と社会システム
4.現代社会と福祉
5.地域福祉の理論と方法
6.福祉行財政と福祉計画
7.社会保障
8.障害者に対する支援と障害者自立支援制度
9.低所得者に対する支援と生活保護制度
10.保健医療サービス
11.権利擁護と成年後見制度
12.社会調査の基礎
13.相談援助の基盤と専門職
14.相談援助の理論と方法
15.福祉サービスの組織と経営
16.高齢者に対する支援と介護保険制度
17.児童や家庭に対する支援と児童・家庭福祉制度
18.就労支援サービス、更生保護制度
なお、受験者のなかで社会福祉士および介護福祉士法施行規則第5条の2の規定により試験科目の一部免除を受けた人は、上記科目が7科目に限定され、67問のうち60%ほどにあたる40問以上で得点があれば合格です。
ちなみに、公益財団法人社会福祉振興・試験センターによると、第37回にあたる令和6年度の試験では、出題基準の一部変更を適用する予定があるようです。この変更が適用されると、150問から129問、社会福祉士および介護福祉士法施行規則第5条の2の規定により試験科目の一部免除を受けた人の場合は45問に変更される可能性があります。
変更が適用されれば、129問であれば80問程度の得点で、45問であれば30問程度の得点で合格です。
しかし、国家試験の問題の多くは、社会福祉士として押さえておくべき知識を集約して出題されています。また、すべての科目での得点を求められていることからもわかるように、従来の90問以上クリアを目指すのが望ましいでしょう。
引用元
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:[社会福祉士国家試験]合格基準
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:[社会福祉士国家試験]出題基準(予定版・第37回試験から)
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター:令和 6 年度(第 37 回試験)から適用する 社会福祉士試験科目別出題基準 (予定版)
社会福祉士の国家試験の特徴
社会福祉士の国家試験にはどのような特徴があるのでしょうか。ここでは下記の3つの観点から社会福祉士の国家試験の特徴について解説します。
1.出題範囲が広い
2.正答率60%が合格の目安
3.全ての科目で1点以上取っていることが合格条件
出題範囲が広い
社会福祉士の国家試験の特徴として出題範囲が.広いことがあげられます。出題範囲は上述したとおりで、非常に広いため、全科目それぞれ細かく勉強して試験対策することが大切です。
正答率60%が合格の目安
150点の60%程度を基準として、その年の問題のむずかしさを補正した得点以上を取ることが合格基準です。そのため、合格点数は年毎に変化します。
さらに、同試験では全ての科目での得点が求められているため、18科目のなかでひとつでも0点があれば、合格基準である90問以上で得点があっても不合格となります。
東京アカデミーのホームページによると、過去5年間の合格基準・得点率・合格率は以下のとおりです。
合格基準 | 得点率 | 合格率 | |
第31回(2019) | 89点以上 | 59.3% | 29.9% |
第32回(2020) | 88点以上 | 58.7% | 29.3% |
第33回(2021) | 93点以上 | 62.0% | 29.3% |
第34回(2022) | 105点以上 | 70.0% | 31.1% |
第35回(2023) | 90点以上 | 60.0% | 44.2 % |
合格率はおおよそ30%前後と、高い数値ではありません。上述したとおり、難易度の高い試験だといえます。毎年合格基準や合格率は変わりますが、70%程度の得点率であれば合格はほぼ間違いないでしょう。
引用元
東京アカデミー:社会福祉士国家試験合格率・日程・配点
公益財団法人社会福祉振興・試験センター:第 35 回社会福祉士国家試験の合格発表について
全ての科目で1点以上取っていることが合格条件
社会福祉士の国家試験合格のためには、全ての科目で1点以上取っていることが合格条件です。
社会福祉振興・試験センターの合格基準によれば、「18科目群(ただし、(注意2)に該当する者にあっては7科目群。)すべてにおいて得点があった者。(注意2:社会福祉士及び介護福祉士法施行規則第5条の2の規定による試験科目の一部免除を受けた受験者にあっては、配点は、1問1点の67点満点である。)」と記載されています。
自分に合った勉強方法で国家試験合格を目指そう!
社会福祉士国家試験合格を目指すには、本記事でご紹介したおすすめの勉強方法を取り入れ、インプットとアウトプットを繰り返しながら模擬試験で実力を確認し対策を練りましょう。
なお、社会福祉士の国家試験の特徴として、出題範囲が広かったり全ての科目で点数をとっていないと合格できなかったりすることがあります。
さらに合格基準は毎年変動することから、全科目の知識を一通り学び、1点でも多く得点につなげることが合格の近道と言えます。
社会福祉を目指すときは、国家試験のポイントを押さえながら計画的に勉強をおこない、苦手な分野は対策講座などを活用してみるとよいでしょう。