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特集・コラム 2020-08-06

社会福祉士は病院でも働ける? どんな仕事をするの?|病院からの需要は高い?

社会で生じている問題を解決するためのソーシャルワーカーは、さまざまな現場で活躍しています。社会福祉士はこのソーシャルワーカーに分類される職種のひとつです。その資格は国家資格にも認定されています。

社会福祉士の資格を保有している人が働くことのできる場所は多岐にわたり、現場によって携わる仕事にも違いがあるのが特徴です。今回はそんな社会福祉士が働いている現場のひとつでもある病院に焦点をあて、そこでの社会福祉士の働き方などについてご紹介します。

社会福祉士は病院でも働ける? どんな仕事をするの?

福祉士は、老人ホームや障害者施設などの社会福祉に関係のある施設で働くことが多いというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。そのため、「そもそも社会福祉士が病院で働くことは可能なの?」という疑問を持たれている方も多いことでしょう。

しかしながら、社会福祉士は病院においても重要な役割を担っており、その運営において欠かすことができません。ここではそんな社会福祉士が、病院においてどのような仕事をしているのかを解説します。

病院では医療ソーシャルワーカーとして働ける!

そもそも社会福祉士とは資格の名称であるため、働く場所によっては社会福祉士ではなく、別の名称で働くことも珍しくありません。そして社会福祉士の資格保有者が病院で働く場合、その名称は「医療ソーシャルワーカー」となります。

しかしながら、上述したとおり社会福祉士とはソーシャルワーカーに属する職種のひとつであるため、名前が医療ソーシャルワーカーになるからといって、まったく違うことが求められるというわけではありません。

医療ソーシャルワーカーとは? どんな役割なの?

病院においては、患者様の身に治療とは直接関係のない問題がおよぶこともあります。それらは医師の手で解決できるものではないケースも多いです。場合によってはそれらの問題が解消できないことが、治療に悪影響をおよぼしてしまうこともあります。

病院におけるこのような医師が関与しない問題を解決することは、医療ソーシャルワーカーの主要な役割です。とくに入院している患者さんが多い大きな病院では、このような問題が生じることも多く、医療ソーシャルワーカーの存在が不可欠となります。

医療ソーシャルワーカーの仕事内容とは?

医療ソーシャルワーカーが病院でおこなう仕事の内容は、患者様との相談・提案・援助がおもな業務となり、これらの仕事は5つの種類に細分化されます。続いては、これらの医療ソーシャルワーカーがおこなう仕事の詳細な内容をひとつずつ確認しておきましょう。

1. 経済的問題の解決・調整援助|関連サービスを活用できるよう患者にアドバイス

長い入院生活を送っていたり、長期間にわたって通院治療を受けたりすることで、医療費や生活費に関する悩みに直面してしまう患者様も少なくありません。このような経済的な問題は、保険や福祉関係の諸制度を利用することで解決しやすくなります。

このような患者様の経済的な問題を解決するために、関連サービスを活用するためのアドバイスをすることも、医療ソーシャルワーカーの仕事のひとつです。それにともなう相談を受けたり、患者様が給付を受けるための調整をしたりすることも、医療ソーシャルワーカーの仕事となります。

2. 療養中の心理的・社会的問題の解決や調整援護|必要な相談や支援をおこなう

病院で治療を受けていると、心理的・社会的な問題に直面することも珍しくありません。このような類いの問題を解決するために患者様の相談を受けたり、有効な支援・サービスなどを紹介したりすることも、医療ソーシャルワーカーの仕事です。

これらの問題は、一度生じてしまうと解決することが難しくなってしまうものも多いことから、問題が生じないようにするための予防策を日ごろから講じておくことも、医療ソーシャルワーカーには求められます。

3. 受診・受療援助|生活や病気・怪我の状態に合わせた通院のアドバイスなど

通院をともなう受診・受療の頻度は、患者様の生活や病気・怪我の状態などの複数の要素から総合的に判断する必要があります。これらのうち生活に関する要素に関しては、医師が把握することが難しい場合もあるため、医療ソーシャルワーカーにはそれらを理解し、アドバイスをおこなうことが求められるのです。

このことから、医療ソーシャルワーカーは担当する患者様だけでなく、その主治医とも情報交換を密におこない、業務の円滑化を図る必要があります。

4. 退院・社会復帰援助|転院や使用できるサービスのアドバイスなど

入院している患者様は、退院する際にもさまざまな問題に直面する可能性があります。たとえば退院してもすぐに社会復帰をするのが難しい方や、別の治療を受けるための転院が必要な方の場合、入院中にそれらにともなって生じる問題を解決しておかなければなりません。

このような退院後に生じる可能性のある問題を解決するためのアドバイスをすることも、医療ソーシャルワーカーの仕事です。どのような問題が生じるかは、生活や怪我・病気・障害の状態から医療ソーシャルワーカーが判断することとなります。

5. 地域活動|関係機関、関係職種等と連係する

医療ソーシャルワーカーには、勤務する施設内だけでなく、外部へ向けた業務もおこなうことが求められます。たとえば地域の保健医療福祉システムを構築するためには、医療ソーシャルワーカーが関係機関や関係職種と連携をとることが不可欠です。そのため、これらもまた主要な医療ソーシャルワーカーの仕事となります。

施設によってはこれら以外にも地域活動への参加を促されることがあるため、柔軟に対応できるようにしておくことも大切です。

病院からの需要は高い? 求人情報をチェック!

社会福祉士の資格取得を目指している方、すでに社会福祉士の資格を取得し就職を目指している方のなかには、医療ソーシャルワーカーとして働くことも候補のひとつとして考えている方もいらっしゃるでしょう。

続いては、医療ソーシャルワーカーが病院の求人においてどれくらい需要があるのかを、実際の求人情報を調査した結果をもとに解説します。将来医療ソーシャルワーカーとして働くことを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

医療ソーシャルワーカーの需要はアリ!

単刀直入にいうと、医療ソーシャルワーカーは多くの病院で必要とされているため、求人市場における需要も非常に高くなっています。とくに入院患者数の多い大きな病院では複数人の医療ソーシャルワーカーが働いていることも珍しくないため、比較的採用もされやすいのです。

医療ソーシャルワーカーの求人は中・小規模の病院からも出されており、大きな病院がないような地域でも求人は見つけやすいでしょう。それに加え、医療ソーシャルワーカーは病院以外の福祉・介護・看護系施設でも募集されているため、それらも含めればさらに需要は高いといえます。

正社員|月給の相場はどれくらい?

医療ソーシャルワーカーの求人には、最初から正社員雇用をしてもらえるものがほとんどであるのが特徴です。そのため、非正規雇用の場合に比べて月給は若干高い傾向があり、23~30万円程度が相場となっています。

医療ソーシャルワーカーの求人には賞与や資格手当がつくものが多いという傾向もあり、収入面での待遇もよいといえるでしょう。

資格を活かした業務ができる! 医療ソーシャルワーカーを目指してみては?

ソーシャルワーカーという大きなくくりに分類される社会福祉士が病院をはじめとした医療関係施設で働く場合、その職種は医療ソーシャルワーカーとなります。医療ソーシャルワーカーの仕事では、患者様が直面する問題を解決したり、地域の保険医療福祉システムの構築にかかわったりすることができるため、大きなやりがいを感じることができるでしょう。

医療ソーシャルワーカーは求人市場においても需要が高いだけでなく、最初から正社員として働くこともじゅうぶんに可能であるという魅力があります。社会福祉士の資格取得を目指している方や、すでに資格を取得しており就職先を探しているという方は、医療ソーシャルワーカーとして働くことを選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

出典元:
公益社団法人 日本医療社会福祉協会 医療ソーシャルワーカーとは
公益社団法人 日本医療社会福祉協会 医療ソーシャルワーカー業務指針
公益社団法人 日本医療社会福祉協会 医療ソーシャルワーカー求人情報

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