【介護○×クイズ Vol.10】福祉に役立つ「心の健康」に関する基礎知識を出題! 社会福祉士の基本問題5
医療や福祉、行政など幅広い分野で活躍し、相談者だけでなく周囲の家族や関わる人々との調整やサポート役を担う社会福祉士。働く場所でその業務内容は異なり、幅広い知識が必要とされる国家資格です。当企画では、これから社会福祉士目指す方に役立つ○×クイズをご用意。今回は、「心理学理論と心理的支援」の科目から「日常生活と心の健康」に関する問題をピックアップしました。
社会福祉士向け ○×クイズ 5問
まずは「ストレス」について出題
【第一問】セリエは、初めて「ストレス」という概念を取り上げ、主に、ストレッサーによる生理的反応について論じた。
正解は……
【解答】○
【解説】ストレスの原因を「ストレッサー」いい、ストレッサーによって引き起こされる反応のことを「ストレス反応」という。セリエは、ストレスを「外界のあらゆる要求によってもたらされる身体の非特異的反応」と定義し、この一連の反応を「汎適応症候群」と呼んだ。
*「汎適応症候群」は身体の内部環境を安定させようとするための反応を意味する。一般適応症候群とも呼ばれている。
続いて「コーピング」から出題!
【第二問】音楽の発表会であがりそうになったが、課題曲を思い浮かべ演奏のリハーサルをしたら気分が楽になった。これは情動焦点型コーピングである。
正解は……
【解答】×
【解説】情動焦点型コーピングは、問題に対する情動的な反応をコントロールしたり、変化させたりして、苦痛の軽減を目指すストレス対処法。設問の記述は、ストレッサーへ働きかける問題焦点型コーピングである。
*コーピングとはストレスへの対象法のことで、問題焦点型と衝動焦点型がある。
もうひとつ、「コーピング」から出題!
【第三問】試験の結果が悪かったので、気晴らしのために友人と遊びに出掛けた。これは問題焦点型コーピングである。
正解は……
【解答】×
【解説】問題焦点型コーピングは、問題を明確にし、別の解決方法を見つけて、ストレッサーを改善し、問題自体を取り除くことを目指すストレス対処法。設問の記述は、ストレス反応への働きかけをする情動焦点型コーピングである。
「アルコール依存の治療法」をおさらい!
【第四問】アルコール依存の治療には、個人療法が重視され、集団療法は用いられない。
正解は……
【解答】×
【解説】アルコール依存の治療は、アルコールに対する精神依存からの脱却が目的。その中心となるのが、精神療法であり、個人療法のみならず、集団療法も重視される。断酒会や自助グループなどがあり、断酒の継続に有効である。
*自助グループとは、「同じ問題を抱える者同士が集まって意見を交換し、互いに援助しあう集団」
最後は「高齢者の記憶」の基礎知識!
【第五問】心的外傷後ストレス障害(PTSD)において、障害を受けた人は、外傷と関連した刺激を持続的に回避しようとする。
正解は……
【解答】○
【解説】心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、死亡、重症、性暴力への暴露を直接体験したりあるいは目撃したり、近親者や友人の体験を伝聞したり、職業上で他社の外傷体験に暴露され続けることにより生じる。外傷を受けてから数週間から数か月の潜伏期間を経て発症するが、数年後に突然症状が現れる場合もある。心的外傷後ストレス障害(PTSD)を受けた人は、ある種の無感覚、感情鈍麻、引きこもりなどによって、外傷と関連した刺激を持続的に回避しようとする。
文:長井まき
参考:
「2020年版 ユーキャンの社会福祉士 これだけ!一問一答&要点まとめ」ユーキャン自由国民社
「福祉教科書 社会福祉士・精神保健福祉士 完全合格テキスト 共通科目 2021-2022年版」翔泳社