社会福祉士の養成施設とは? 一般養成施設と短期養成施設の違いを解説!
介護を必要とする高齢者や身体障害者などの援助や指導、および福祉に関する相談にのる社会 福祉士は大変やりがいがある人気の職種で、保育士から社会福祉士に転職する人も多いです。社会福祉士として働くためには国家資格が必要ですが、国家試験を受験するためのルートは複数あります。この記事では、社会福祉士を目指す方のために受験資格の取得ルートと社会福祉士について学べる養成施設や専門学校に関する情報をご紹介いたします。
社会福祉士の養成施設とは?
社会福祉士系の大学で指定科目を履修した人は国家試験受験資格を取得するためにそれ以上学ぶ必要はありませんが、そのほかのルートの場合、社会福祉士の養成施設にて最低でも6カ月学ばなくてはいけません。ここでは、社会福祉士になるために通う養成施設についてご紹介します。
社会福祉士の受験資格をえるために通う施設の総称
社会福祉士の国家試験受験資格を取得するルートは大きくわけて、次の3つです。
・社会福祉系に4年制大学または短期大学で指定科目履修
・一般の4年制大学または短期大学を卒業 → 一般養成施設
・社会福祉士系の4年制大学または短期大学基礎科目を履修 → 短期養成施設
つまり、社会福祉士系の大学か短期大学で指定科目の履修をしていない人は、「一般養成施設」もしくは「短期養成施設」のどちらかの養成施設で学ぶことになります。「一般養成施設」と「短期養成施設」は修業年限だけでなく入学対象者も違いますから、学校を選ぶ前にそれぞれ違いをしっかりと理解しておくことが重要です。
一般養成施設とは?
修業年限が1年以上の学校が「一般養成施設」です。「一般養成施設」を選択する場合でも、国家試験の受験資格を取得するまでのルートが複数あります。ここでは、「一般養成施設」で学ぶルートについてご紹介します。
対象となるルート|一般大学4年など
「一般養成施設」の入学対象者は一般大学4年、一般短期大学3年、一般短期大学2年を卒業した人です。一般大学4年を卒業した人は「一般養成施設」で1年以上学べばよいですが、一般短期大学を卒業した人は、卒業後に相談援助実務が必要になります。また、相談援助の職員としての実務経験が4年ある人もこのルートで受験資格を取得することが可能です。
・一般大学4年 → 一般養成施設1年以上
・一般短期大学3年 → 相談援助実務1年 → 一般養成施設1年以上
・一般短期大学2年 → 相談援助実務2年 → 一般養成施設1年以上
・相談援助実務4年 → 一般養成施設1年以上
一般養成施設の一例を紹介
「一般養成施設」は全国各地にあり、それぞれ特色があって国家試験の合格率や就職率も違うのが特徴です。ここでは、「一般養成施設」の一例として「一般養成施設」を3つご紹介いたします。
東京福祉専門学校|社会福祉士一般養成科(通信アリ)
社会福祉士国家試験の合格率は関東が一番高く、公務員や医療機関への就職率も60%を誇ります。東京福祉専門学校の特色は、次のとおりです。
・法定実習の準備が万全
法定実習の前に、社会福祉士が実際に働いている現場で学べる研修制度があります。
・テーラーメイド教育を導入
「テーラーメイド教育」とは、専門職担任が面談をして生徒それぞれに合ったスケジュールやカリキュラムを提案する教育システムです。
・就職活動のサポートも充実
長く続けられる職場に就職できるよう「就職フローシステム」「公務員対策講座」「キャリア開発プログラム」が用意されています。
また、東京福祉専門学校には実務経験者と一般4年制大学を卒業した人を対象とした「1年9カ月制の社会福祉士一般養成通信課程」と「9カ月制の社会福祉士短期養成通信課程」があります。
参照元:東京福祉専門学校
社会福祉士一般養成科
社会福祉士通信課程
アルファ医療福祉専門学校|社会福祉士通信科一般養成コース
社会福祉士国家試験の合格率が全国で第3位の通信制「一般養成施設」です。アルファ医療福祉専門学校の特色は次のとおりです。
・仕事との両立がしやすい学習システム
24時間どこでも学べるe-ラーニングの採用で、課題の提出もかんたんにできるので仕事との両立がしやすいです。
・国家試験対策に力を入れている
カリキュラムは国家試験を意識した内容になっていて、オプションで国家試験対策講座を受講することも可能です。
・通信教育でもサポートが充実
生徒の疑問や不安は、メールや電話、面談にて対応をしているので、通信教育でも安心して学ぶことができます。
参照元:アルファ医療福祉専門学校|社会福祉士通信科一般養成コース
日本福祉教育専門学校|社会福祉士養成学科(昼間・夜間・通信)
社会福祉士の国家試験合格者数(一般養成施設ルート)が全国で第1位の専門学校で、昼間、夜間、通信の3つのコースから選択ができます。日本福祉教育専門学校の特色は、次のとおりです。
・熟練教員が在籍
国家試験の傾向を知り尽くした熟練教員が国家試験対策をおこない、合格できるようしっかりとサポートしてくれます。
・未経験でもみっちり学べる
180時間以上におよぶ社会福祉施設での実習プログラムがあるので、まったく知識のない人でも仕事に就くまで時間を掛けて学ぶことができます。
・就職先も多種多様
伝統と実績のある学校のため、知名度が高く、全国のさまざまな施設から毎年2,500件以上の求人がきます。日本福祉教育専門学校で学べば、数ある施設のなかから自分に合った就職先をみつけることが可能です。
参照元:日本福祉教育専門学校
社会福祉士養成学科(昼間・夜間)
社会福祉士養成通信課程
短期養成施設とは?
「短期養成施設」の修業年限は「一般養成施設」より短く、6カ月以上です。「短期養成施設」も国家試験の受験資格を取得するまでのルートが複数あります。ここでは、「短期養成施設」で学ぶルートについてご説明します。
対象となるルート|福祉系大学+基礎科目など
「短期養成施設」の入学対象者は福祉系の大学4年、福祉系の短期大学3年、福祉系の短期大学2年で基礎科目を履修して卒業した人です。福祉系の大学4年を卒業した人は「短期養成施設」で6カ月以上学べばよいですが、福祉系の短期大学を卒業した人も一般の短期大学と同様に、卒業後に相談援助実務が必要になります。また、社会福祉士登録者もこのルートで受験資格を取得することが可能です。
・福祉系大学4年 → 短期養成施設6カ月以上
・福祉系短期大学3年 → 相談援助実務1年 → 短期養成施設6カ月以上
・福祉系短期大学2年 → 相談援助実務2年 → 短期養成施設6カ月以上
・相談援助実務4年 → 短期養成施設6カ月以上
短期養成施設の一例を紹介
「短期養成施設」も全国各地にあり、修業年限、学習方法、国家試験の合格率が異なるのです。ここでは、「短期養成施設」の入学をご検討中の方のために「短期養成施設」を3つご紹介いたします。
NHK学園|社会福祉士養成課程 短期養成科(通信)
9ヶ月の通信制短期養成科です。NHK学園の特色は次のとおりです。
・社会人を考慮したカリキュラム
スクーリングは社会人が履修しやすいように土日のみの開催です。また、スクーリング会場も、2021年度からは東京・飯田橋、大阪に仙台と名古屋が追加されて合計4箇所になります。
・学びやすい環境を提供
NHK学園の学習方法は「レポート」「スクーリング」「相談援助実習」+「受験対策」ですが、2021年度からはeラーニングシステムも導入されるので忙しい社会人もさらに学びやすくなります。
・一般養成科で学ぶことも可能
1年と1年6カ月の一般養成科があるので、今までのキャリアとライフスタイルにあったコースが選べます。
日本社会事業大学|通信教育科 社会福祉士養成課程(短期)
令和元年度短期養成課程の修了率93.6%と高い数字を誇る、9カ月の通信制「短期養成施設」です。日本社会事業大学の特色は次のとおりです。
・職場への負担を考えたスクーリング日程
スクーリング日程は土・日・祝日の3日間のみなので、スクーリングのために仕事を休む必要がありません。
・社会人も学びやすい学習方法
eラーニング学習の採用により、場所を選ばず学べてレポートの提出や成績の確認も簡単です。
・専門職大学院への進学も可能
応募資格を満たし通信教育科長から推薦を得た卒業見込みのある生徒および卒業生は、面接と書類審査の専門職大学院試験を受けられます。
参照元:日本社会事業大学|通信教育科 社会福祉士養成課程(短期)
全国社会福祉協議会中央福祉学院|社会福祉士通信課程短期養成コース
神奈川県葉山町にある研修施設と、宿泊施設が一緒になった新しいスタイルのセミナーハウスです。社会福祉士短期養成コースは9カ月の通信制になります。全国社会福祉協議会中央福祉学院の特色は次のとおりです。
・スクーリング会場が選べる
スクーリング会場は学校のある葉山町のほかに、東京と神戸でも受講可能です。新型コロナウイルス感染対策として、通常8日間でおこなうプログラムを6日間に短縮しています。
・有料で国家試験対策講座が受けられる
有料の試験対策講座、試験対策重点講義、全国統一模擬試験のほか、国家試験対策に役立つメールニュース配信やオリジナル試験対策資料の配布などもあります。
・会員専用のオンデマンド授業がある
サイトにパスワードを入力するだけで、オンデマンド授業、レポート、国家試験対策資料などの閲覧が可能です。
参照元:全国社会福祉協議会中央福祉学院
2021(令和3)年度 社会福祉士通信課程短期養成コース
2.学習内容について
社会福祉士 短期養成・国家試験対策
自分のルートをチェックして必要な養成施設で学ぼう!
社会福祉士になるルートはいろいろあるので少し複雑に思えますが、「一般養成施設」「短期養成施設」の違いがわかれば学校も選びやすくなるでしょう。養成施設は、ただ単に国家試験の受験資格を取得するだけでなく、現場で即実践できるスキルや知識を身につけるところです。社会福祉士を目指している方は、ここでご紹介しました情報を参考にそれぞれの学校の特色を理解してぜひ自分に合った学校をみつけてくださいね。
参照元:
公益財団法人 社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験
受験資格(資格取得ルート図)
受験資格