介護タクシードライバーになるのに普通自動車第二種免許は不要?必要資格と手続き、求人を見つける方法を紹介
生活のなかで移動が困難な高齢者や障がい者などを送迎する介護タクシーは、要介護者と介護施設の橋渡し役となる非常に重要な移動手段です。
介護タクシードライバーになりたいと考えている方の中には「普通自動車免許だけで大丈夫だろうか?」と考える方もいるでしょう。
結論から先に言うと、介護タクシードライバーには普通自動車第二種免許の取得が求められます。加えて、利用者の介護にも従事するなら介護職員初任者研修を受けなければなりません。
本記事では、介護タクシードライバーに必要な資格や福祉ドライバーとの違い、介護タクシードライバー事業所の開業に必要なこと、おすすめの求人探しの方法を紹介します。
介護タクシードライバーになるための資格や、開業に必要な情報をチェックしましょう。
介護タクシーのドライバーになるには資格取得が必要!
介護タクシーのドライバーとして働くためには、普通自動車第二種免許や介護職員初任者研修など、自分が従事する業務内容によって必要な資格を取得しなければなりません。
ここでは、これらに必要な資格の詳細をご紹介します。
普通自動車第二種免許|取得条件と取得方法
介護タクシーをはじめとした自動車を運転する仕事で運賃などの収入を得る場合、普通自動車第二種免許を取得しなければなりません。普通自動車免許しか所持していないと、介護タクシーのドライバーとして働くことはできないため注意しましょう。
普通自動車第二種免許は自動車教習所を卒業して3年以上たったあとに、運転免許センターで学科試験に合格することで取得できます。また、直接運転免許センターで受験し、技能試験と学科試験に合格することでもこの免許の取得は可能です。
普通自動車第二種免許の取得は21歳以上であり、大型・中型・準中型・普通・大型特殊のいずれかの自動車免許を所持していることが条件となります。また、これらの自動車免許は基本的に通算3年(政令で定めるものは2年)以上の免許経歴がなければなりません。
ただし、最近の改定によって、普通免許を取得して1年以上が経過した19歳以上の方は、受験資格特例教習を受講すれば、普通自動車第二種免許の試験が受験可能になりました。
最短最速で19歳から介護タクシードライバーになれるのは、大きな変化です。
引用元
警察庁:第二種免許等の受験資格の見直しについて(令和4年5月13日)
介護職員初任者研修|取得条件と取得方法
介護タクシーの運転をしながら、お客様の体に触れる介護サービスも提供する場合、介護職員初任者研修を受けておく必要があります。
ただし、このようなドライバー自身が介助もおこなうタクシーは、厳密にいうと「介護保険タクシー」に分類されるのが特徴です。あくまでも介護タクシーのドライバーとして働く場合は、介護職員初任者研修への参加は必須とはなりません。
介護職員初任者研修とは、介護職に従事する人が知っておく必要のある最低限の知識を身につけるための研修です。この研修は130時間にわたっておこなわれ、最後におこなわれる筆記試験で一定以上の評価を得ると修了となります。
なお、通信学習の上限を40.5時間として、通信制と通学制カリキュラムの併用も可能です。
介護職員初任者研修は介護職に従事する人が最初に受ける研修です。そのため、研修に参加するための条件は設定されておらず、基本的に誰もが参加できるようになっています。
介護タクシーと福祉タクシーの違い
介護タクシーに類似した言葉に、福祉タクシーというものがあります。両者の具体的な違いは、以下の表のとおりです。
項目 | 介護タクシー | 福祉タクシー |
サービス内容 | ・利用者の介助
・利用者の送迎 |
・利用者の送迎のみ |
サービス料金 | 制限あり | 制限なし |
利用範囲 | 介護保険の適用あり | 介護保険の適用なし |
同乗者 | 原則は不可 | 可能 |
介護タクシーと福祉タクシーの一番大きな違いは、介護保険が適用されているか否かです。
介護タクシーは介護保険が適用されており、利用者への介助が業務に組み込まれているため、介助を担当するスタッフは介護職員初任者研修の修了が義務付けられています。
その一方で、福祉タクシーの業務は、公共交通機関での移動が困難な利用者を車で送迎する業務に従事する仕事です。
介護福祉施設の送迎ドライバーは二種免許なしでもOKな場合も
介護福祉施設の職員が介護サービスの一環として利用者の送迎に携わる場合は、第二種免許取得が必要な「旅客」には含まれません。
そのため、送迎ドライバーとして働くなら、普通免許のみで送迎に従事できます。
また、車内で介助業務に携わらないため、介護職員初任者研修の受講も不要となっています。
介護タクシードライバーには第二種免許、さらに介助にも携わる場合は介護職員初任者研修も必要になる一方で、介護サービスに携わらない送迎のみのドライバーなら、どちらの資格も必要ありません。
介護タクシーサービスを開業する場合に必要なことは?
介護タクシードライバーとして働くためには、求人を出している介護施設などを探してみるのがおすすめです。
一方で、ある程度のドライバー経験を積んだら、開業をしてみるのもよいでしょう。続いては介護タクシーサービスを開業する場合に必要なことについて解説します。
法人を設立して訪問介護事業所の指定を受けておこう
大前提として、介護タクシーを経営する際には、法人を設立すると同時に法人格を取得し、訪問介護事業所の指定を受ける必要があります。
法人を設立するにあたっては資金の用意や各種申請などをおこなわなければならないため、時間的にも経済的にも十分な余裕を確保しておくことが大切です。
介護タクシーサービスを開業する場合、介護支援専門員(ケアマネジャー)、看護スタッフ、生活相談員、介護職員などの各人員を必要人数配置しなければなりません。
また、訪問介護事業所として運営する場合、管理者やサービス提供責任者、訪問介護員などの人員もそれぞれ満たす必要があります。
加えて、介護タクシーサービスでは、訪問介護事業所としての指定を受ける場合に限り、事務スペースや相談室、鍵つきの倉庫などの設備を施設内に設けなければなりません。
そのため、事業所の物件探しをする際には、これらのことを考慮したうえで敷地面積や間取りなどを確認することが大事です。
1. 許可要件を確認しよう!
介護タクシーサービスを開業する場合、許可要件を満たしたうえで申請をおこなう必要があります。続いては、満たす必要のある許可要件を種類ごとに確認していきましょう。
車両要件としては以下の2点が定められています。
・車いすやストレッチャーを使用するためのリフト、スロープ、寝台など特殊な設備がついている車両
・回転シート、リフトアップシートなど乗降をするための設備がついている車両
また、これらの車両は申請者が使用権限を持っている必要もあります。
続いて、車庫要件について定められているのは以下のことです。
・営業所から直線で2km以内にあること
・運行管理が可能であること
・配置するすべての車両を収容できること
・車両と車庫の境界、および車両どうしの間隔が50cm以上あること
・ほかの用途に使用される箇所と区画されていること
・申請者が土地・建物について3年以上の使用権限をもっていること
・関係法令に抵触していないこと
・車の点検、整備、清掃をおこなうための施設があること
・車の出入りに支障がない構造になっていること
・前面道路が車両制限令に抵触していないこと
営業所に関しては以下4点の要件を守る必要があります。
・営業区域内にあること
・土地・建物について3年以上の使用権限をもっていること
・関係法令に抵触していないこと
・規模が事業計画に合っていること
介護タクシーサービスの事業所では、休憩仮眠施設を用意しなければなりません。こちらの要件は以下のとおりです。
・営業所と車庫の両方から直線で2km内の場所にあること
・事業計画に合った規模と適切な設備が用意されていること
・ほかの用途に使用される箇所との区画がなされていること
・運転者が事業計画にもとづいてつねに使用できること
・申請者が土地・建物に対して3年以上の使用権限をもっていること
・関係法令に抵触していないこと
人員に関しては以下の3点を順守しなければなりません。
・法令試験に合格した役員が1名以上専従していること
・運行管理者と整備管理者を選任できること(車両が5両未満の場合は資格不要)
・事業計画に見合った人数の運転者が在籍していること
資金に関しては以下の要件が定められています。
・所要資金の見積もりが適切で、なおかつ合理的な資金計画が立てられていること
・所要資金の50%以上、事業開始当初に必要資金の100%以上が自己資金であること
このように、介護タクシーサービス開業には、多くの条件が求められるとわかります。
引用元
国土交通省:福祉輸送サービスを行うことを条件とした一般乗用旅客自動車運送 事業の申請に関する審査基準について
2. 運輸支局へ許可申請書を提出しよう
許可要件を満たしたら許可申請書の作成・提出をおこないます。この申請書の提出は営業所の所在地にある運輸支局に対しておこなう必要があるため、詳細な所在地などはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
3. 法令試験・事情聴取を受けよう
申請書が受理されたら、毎月1回実施されている法令試験と事情聴取を受けます。法令試験は実施日7日前までに、試験日程・試験場所が通知されるようになっています。
法令試験は不合格になってしまっても翌月に再受験することが可能ですが、スムーズな開業のためには1回で合格できるよう、入念に準備をしておくことが大切です。
事情聴取までが終了すると、申請された情報をもとに運輸支局による審査が実施されます。審査では上述した許可要件を満たしていることが基準となり、結果がわかるまでには約2カ月の期間を要します。
4. 許可証をもらおう
審査に通過すると許可証が交付されます。ただ、これですぐに開業できるようになるわけではなく、ここからは開業に向けた手続きをおこなっていかなければなりません。詳細な手続き方法に関しては、許可証の交付時に運輸支局にて説明してもらうことができます。
5. 登録免許税を納付して届出をしよう
開業をするためには登録免許税を納めなければなりません。また、登録免許税を納付する際には届け出をする必要もあり、この手続きも忘れずにおこなうようにしましょう。
6. 運賃・約款の認可申請をしよう
介護タクシーサービスを開業する際には、運賃と約款に関しても認可を得なければなりません。この認可は申請して、受理されれば得ることができますが、受理までには1カ月程度の時間がかかることもあるため、余裕をもって申請をするようにしましょう。
介護タクシードライバーの求人を見つけるのにおすすめの方法
自分に合った介護タクシードライバーの仕事を見つけるためには、介護福祉業界に特化した転職エージェントや求人サイトを有効活用するのが効果的です。
ここでは、自分に合った求人を見つけるのにおすすめの職探しの方法をご紹介します。
介護福祉に特化した転職エージェントを利用する
介護タクシードライバーになるためには、介護タクシードライバー専門の事業所や介護福祉施設に絞って求人を探す必要があります。一から自分に合った求人を見つけ出すのは難しいため、介護福祉業界の求人を専門的に扱う転職エージェントを利用しましょう。
自分に合った介護タクシードライバーの求人を見つけてくれる可能性が高いです。
案件が豊富で条件を細かく設定できる求人サイトを利用する
介護福祉業界に特化した転職サービスには、求人サイトもあります。自分で給与水準や福利厚生・働き方・職場の雰囲気などを確認した上で比較検討できる点がおすすめです。本当に納得できる求人を探したいなら、求人サイトを活用してみてはいかがでしょうか?
介護タクシードライバーには普通自動車第二種免許が必要!自分に合った求人を見つけよう
この記事では、介護タクシードライバーに必要な資格や福祉ドライバーとの違い、開業するための必要なもの、おすすめの求人探しの方法をご紹介しました。
介護タクシードライバーになるには、普通自動車第二種免許の取得と介護職員初任者研修の修了が求められます。なお、送迎のみに従事する福祉ドライバーは第二種免許だけでOKです。
また、介護タクシードライバーとして開業するためには、あらゆる審査基準に合格し、そのほかの開業に向けて必要な書類を不備なく提出しなければなりません。
自分に合った介護タクシードライバーの仕事を見つけるためには、介護福祉業界に特化した転職エージェントや求人サイトを有効活用するのが賢い選択でしょう。
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