【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.24】東京メディカルアロマスクール 堀 有紀恵さんが、この道を目指したきっかけとは
ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
今回は、鍼灸・指圧マッサージ師としての経験とメディカルアロマとの出会いから、オリジナルの「経絡アロマトリートメント」を考案した堀 有紀恵さんにインタビュー。堀さんがヘルスケア業界を目指したきっかけから、スクールを開校するに至った道のりについて、詳しく伺いました。
教えてくれたのは…
鍼灸・指圧マッサージ師 堀 有紀恵さん
東京メディカルアロマ ホリスキュア 代表講師。化粧品会社に勤務中、肌荒れに悩んだことから東洋医学に興味を持ち、鍼灸・指圧マッサージ師に転身。自身のアトピーがメディカルアロマで緩和されたことから、メディカルアロマの素晴らしさを伝えたいと思い、2007年に「東京メディカルアロマスクール ホリスキュア」を開校。東洋医学とアロマテラピーを融合させたオリジナルの施術、治療や臨床経験をいかしたレッスンの他、クリニックでのアロマ導入プロデュースなど幅広く活動中。facebookにてオンラインサロンも。(無料オンラインサロン 薬に頼らずメディカルアロマでヘルスケア「メディカルアロマレシピマスター」)
東洋医学とアロマとの出会いが大きな転機に
―まず、堀さんがヘルスケア業界を目指したきっかけを教えてください。
大学卒業後、化粧品会社に就職し、広報の仕事をしていました。その時、ストレスなどが重なり、ひどい肌荒れを起こしてしまったんです。化粧品会社の広報なのに肌荒れしていたら説得力がないので、なんとか改善できないかと、いろいろ試してみたんです。そこで、一番自分にとって効果があったのが漢方でした。それから「体の中から健康になってキレイになる」という東洋医学に興味を持ちました。
東洋医学を知り、「自分の体のなかから根本的に改善できるようなお手伝いがしたいな」と思うようになったときに、小さいころに鍼治療をしたことを思い出したんです。昔、小児喘息を患っていたころ、母に連れられて鍼灸院に行った記憶があって。それで、ちょっと親近感が生まれて、鍼灸・指圧マッサージ師を目指すことにしました。
―お仕事は辞められたんですか?
そうですね。化粧品会社がイヤになったわけではないんですが、すごく忙しくて時間も不規則な部署だったので…。当時は、家庭や子育てとの両立がまだまだ難しい時代でしたから、将来的なことを考えると続けるのは難しいかなというのもありました。それで、ヘルスケア業界に入る決心をして、専門学校に入学を決めたんです。
―卒業後は、どんな働き方をされていたんですか?
実は、専門学校2年生の時に、第一子を出産したんです。夏休みに出産して、9月には復帰したので休学せずに卒業できたんですが、小さい子供を育てながらフルタイムで働くことは難しかったですね。
それでも、専門学校の付属施術所で週2~3回は鍼灸の修行を積み、外部のマッサージ屋さんで週3日パートをして経験を積んでいきました。そのころに、メディカルアロマにも興味を持ち始めたんです。
―堀さんは、メディカルアロマと東洋医学を融合させたアプローチを提案されていますね。アロマに出会ったきっかけは?
最初は、化粧品会社時代ですね。同系列の会社が手掛けるリゾートで、アロマが導入されて。私自身、香りが好きでしたし、広報という仕事だったこともあって、独学で勉強し始めたんです。それから、自分で好きなアロマを買って炊いたりしていて。
東洋医学とアロマを組み合わせることを思いついたのは、鍼灸に若い女性のお客様を呼ぶ方法を考えていた時でした。当時、鍼灸って古めかしいというか、おじいちゃんたちが受けるイメージで、とくに若い女性には浸透していなかったんですね。「アロマと組み合わせたら、香りにも癒されるし、若い女性も来やすくなるんじゃないか」と思いました。
そこから、アロマをより詳しく学んでいく中で、メディカルアロマという分野があることを知りました。
メディカルアロマに魅了され、スクールを開校
―特にメディカルアロマに注目したのは、何か理由があったんですか?
アロマというと、リラクゼーションのイメージが強いと思います。でもメディカルアロマは、実際にヨーロッパで医療として使われているものなんです。もともと鍼灸と一緒にアロマを取り入れたいと思って勉強し始めたので、同じ医学的な視点のあるメディカルアロマのほうがいいんじゃないかと思って。
そんなきっかけでメディカルアロマを学び始めたんですが、いろいろ試していたら、自分のアトピーが改善したんですね。それで、「鍼灸もすごいけど、アロマの植物療法ってすごい!」と、より深く学んでいきたいと思うようになりました。
そのころ第二子の出産もあったので、臨床の現場を減らして、アロマに関連した資格をいろいろ取得したんです。その後、子育てが少し落ち着いたタイミングで、アロマトリートメントと鍼を融合したサロンとスクールを開業しました。
―では、現在の働き方について教えてください。
基本的には、スクールの授業が10~15時にあり、その後に19時くらいまで施術を行っています。一人で行っているので、施術は、1日に1~2人で埋まってしまいますね。
実技的なレッスンだと、途中休憩をはさみながら5時間くらい。施術は90分~100分くらいのコースが多いですね。アロマトリートメントだけでなく、深いところに凝りがある場合は鍼も取り入れるなど、その方に合わせたオーダーメイドでの施術をしています。
あとは、月2回ほど産婦人科に行って、産後ケアとしてアロマトリートメントを施術したり、今はコロナ禍でお休み中ですが、高齢者施設でアロマを教える活動なども行っています。
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東洋医学とアロマトリートメントの良さを体感したことで、サロンとスクールを開くまでに至ったという堀さん。子育て中でも、次を見据えた行動力で、新たな展開を生み出されたんですね。次回は、セラピストのお仕事の魅力と、ヘルスケア業界を目指す上でのアドバイスをお聞きします。
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.24】東京メディカルアロマスクール 堀 有紀恵さんが伝える、セラピストの魅力とは>>
取材・文/山本二季
撮影/高嶋佳代