【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.24】東京メディカルアロマスクール 堀 有紀恵さんが伝える、セラピストの魅力とは
ヘルスケア業界のさまざまな職種にフォーカスし、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく『もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事』の企画。
東洋医学とメディカルアロマを組み合わせた「経絡アロマトリートメント」の施術と、スクールでの講義を行っている堀 有紀恵さん。前回はヘルスケア業界を目指したきっかけと現在までの道のりを伺いました。今回は、セラピストのお仕事の魅力や、セラピストを目指す人へのアドバイスをお聞きします。
アロマなら身体面だけでなく精神面もケアできる
―堀さんが感じるセラピストのお仕事の魅力はなんですか？
一番うれしいのは、みなさんの身体がラクになられて、笑顔になってお帰りになることです。それが、自分にとっての癒やしにもなります。
とくに私が行っているアロマトリートメントでは、肉体面はもちろん、香りの効果で精神面にもアプローチできるんです。最近は、精神的な不調を抱えている方も多いので、身体も心も合わせてラクになっていただけるのは、素晴らしいことだなと思います。
―逆に、大変だと感じることはありますか？
アロマを取り入れてからは、大変だと感じたことはありません。一番大変だったのは、専門学校を卒業した後ですね。第一子を出産して、第二子が生まれるまでの間、すごく焦った時期があったんです。卒業後、周りがバリバリと仕事をし始めて、開業する方も増えてきて…。その中で、自分は小さな子供もいるので限られた働き方になり、指名が取りにくかったりして。
今では逆に「もっと子供との時間を作ればよかったな」と思うこともありますが、当時はやっぱり焦っていましたね。鍼の修行も、マッサージの施術もして、子どもの世話もして…。できる限り、仕事も詰め込みました。でも、そんな生活をしていたら、落ち着いていた喘息が再発してしまったんです。身体が悲鳴をあげてしまったんですね。
―それは、どうやって乗り越えたんですか？
第二子が生まれた後、逆にインターバルを取りました。こんな状態は、自分のためにも、家族のためにもよくないと思って。
鍼の技術は忘れたくなかったので細々と続けつつ、マッサージの仕事は一度やめて、身軽にしました。その期間に、自分を見つめ直したり、アロマの資格を取ったりしました。
その時に取った資格のおかげで、スクールもできています。モヤモヤしている時期を、次への一歩に転換できたことで逆に幅が広がり、新しい展開が生まれたので、よかったなと思います。
お客様にとってベストな施術をするために何ができるか
―堀さんがセラピストとして大切にしていることは何ですか？
その方にとって何が一番必要なのかを考え、ベストなものを提供できるように意識しています。施術の内容もそうですし、精油の選び方もそうですね。何を求めていらっしゃるかをよくお聞きして、ていねいにカウンセリングし、体質診断をするようにしています。
生徒さんにもよく話すのですが、その方にとってベストな施術ができるように、自分もしっかり準備すること。心の余裕を持って施術できるように、知識の上でも、技術の上でも、しっかり準備をしておくことが大切だと思っています。
―ではセラピストを目指す人にアドバイスをお願いします。セラピストにとって必要な素質は何だと思いますか？
向上心と素直さでしょうか。
セラピストって、ずっと勉強かなと思うんです。ある程度学んでいくと、自分のやり方が出来上がってきます。そこで固まってしまうと、それ以上伸びなくなってしまう。これで終わり、完璧、ではなくて、常に向上心・探求心を持って、素直に吸収すること。まずは素直に取り入れて、そこから自分のものに発展させていくほうが、伸びていけると思います。
―セラピストを目指す上で、学んでおくとよいこととは？
いっぱいありますが…、ベースとなる解剖学はしっかり学ばれるといいと思います。鍼灸師だと専門学校で学ぶんですが、セラピストだと学ぶ場がない場合もあるので。うちのスクールではセラピストコースに解剖学を入れています。やっぱり、人の体に触れる仕事ですので。
―ありがとうございました！ では、今後の展望をお聞かせください。
メディカルアロマのよさを、もっと多くの人に知ってもらいたいですね。今、こういう時代だからこそ、おうちでの時間をもっと豊かにしたいとか、メンタル面でお医者さんに行くほどじゃないけど辛いっていう時は、いっぱいあると思います。その中で、上手にアロマを取り入れていただくと、すごく役立つことがあると思うんです。
アロマを知っていただくきっかけになればと思い、無料のオンラインサロンを、フェイスブックライブで始めました。季節ごとのお悩みに効果的な精油の紹介など、今までアロマに触れたことのない方にもわかりやすい内容で、お届けしています。ぜひアロマについて知っていただき、生活に取り入れていただけたらと思います。
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スクール開校から13年、多くのセラピストを育成してきた堀さん。ずっと大切にされてきた、「お客様のベストを提案する」「向上心を忘れない」というマインドは、セラピストにとってとても大切なことなのだと感じました。次回は、堀さんが提案する「経絡アロマトリートメント」の施術内容についてご紹介します。
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【もっと知りたい「ヘルスケア」のお仕事 Vol.24】東京メディカルアロマスクール 堀 有紀恵さん流 セラピストの手技・技術>>
取材・文／山本二季
撮影／高嶋佳代
教えてくれたのは…
東京メディカルアロマ ホリスキュア 代表講師／鍼灸・指圧マッサージ師
堀 有紀恵さん
化粧品会社に勤務中、肌荒れに悩んだことから東洋医学に興味を持ち、鍼灸・指圧マッサージ師に転身。自身のアトピーがメディカルアロマで緩和されたことから、メディカルアロマの素晴らしさを伝えたいと思い、2007年に「東京メディカルアロマスクール ホリスキュア」を開校。東洋医学とアロマテラピーを融合させたオリジナルの施術、治療や臨床経験をいかしたレッスンの他、クリニックでのアロマ導入プロデュースなど幅広く活躍中。（無料オンラインサロン 薬に頼らずメディカルアロマでヘルスケア「メディカルアロマレシピマスター」）
