無資格からでも取得できる介護職員初任者研修とは|資格の内容やメリットについて解説
介護職員がキャリアを構築できるようすることを目的に、2013年4月からはじまった介護職員初任者研修。介護の道を極めたいと考えている方には、登竜門でもある資格のひとつです。
実はこの資格、無資格でも取得できることをご存知でしょうか。今回は、介護職員初任者研修の資格内容や資格の取得方法についてご紹介します。
介護職員初任者研修とは
そもそも介護職員初任者研修とは、介護をおこなううえで必要な知識および技術、考え方などを身につけていることを証明する資格です。
もともとホームヘルパー2級という名称だったため、すでに旧名称の資格を持っている場合には、介護職員初任者研修課程とみなされます。
介護職員初任者研修の資格
介護職員初任者研修の資格があれば、無資格者と比べて給料がアップしたり、就職にも有利となったりするため、取得しておこうと考える方が年々増えてきているようです。
ここでは、これから介護職員初任者研修の資格を取りたいとお考えの方に向けて、資格を取るうえでぜひ知っておいてほしい情報をくわしく解説していきます。
名称の変更
介護職員初任者研修とは、もともとあったホームヘルパー2級という資格に位置づけられるもので、2013年4月に今の名称に変更されました。
ホームヘルパー2級では資格を取得するために実習がありましたが、名称変更後から実習が廃止に。その代わりに、スクーリングの時間が長くなっています。また、認知症に関する内容のカリキュラムも追加されました。
資格の取得方法
この資格を得るためには、まず130時間で10項目のカリキュラムを修了する必要があります。また、実技の研修を受けたり、試験を受けたりする必要もあり、一定の時間はスクールで学ばなければなりません。
スクールで決められたカリキュラムを修了したら、筆記試験を受けるという流れです。この試験は落とすための難問な試験ではなく、これまで学習した内容の確認となるものですので、しっかりと学習を進めていれば難なく合格できるでしょう。試験に合格することで、資格が取得できます。
受講費用
介護職員初任者研修にかかる費用は選ぶスクールによって異なりますが、おおよそ、3~13万円程度が相場となっているようです。ただし、この試験は市町村によって資格取得のための費用を補助してもらえることがあります。
補助される金額および補助を受けられる対象者の条件は市町村によって異なるため、補助を受けようと考えている場合は必ず自分の居住する市町村のホームページ、もしくは市町村の窓口で確認しましょう。
ハローワークにて無料で取得することも
ハローワークの求職者支援制度を活用することで、介護職員初任者研修を無料で受けられます。また、一定の要件を満たしていると、訓練期間中に職業訓練受講給付金を月額10万円受給することも可能です。
ただし、選考試験に合格しなければ無料で受けられません。人気もあるため、まずはご自宅の近くのハローワークで確認をしてみてください。受講料はかかりませんが、テキスト代や通学のための交通費は自己負担となります。
介護職員初任者研修の資格を取得するメリット
介護職員初任者研修を受講することで、これからも長く介護分野で働いていきたいと考えている方にとっては、さまざまなメリットがあります。ここでは、資格を取得するメリットを確認しておきましょう。
「訪問介護」なども含めて介護のどの現場でも活躍できる
この資格を取得すると、どの介護現場でも働くことが可能です。介護施設の場合は無資格であっても働けますが、訪問介護に従事したい場合には無資格では働けません。さらに介護施設であっても、無資格の場合は生活援助のみとなってしまいます。つまり、身体的な援助はできません。
さまざまな介護現場で働いていきたい、利用者にケアを提供したいと考えているのであれば、介護職員初任者研修の資格を取るのがベストです。
年齢関係なくキャリアップできる
この資格は、キャリアパスの整備をしていくことも視野に入れた制度です。最終的に介護福祉士になりたい、介護の現場でリーダーとして活躍したいと考えているならば、介護職員初任者研修を取得しておくことで年齢に関係なく着実にキャリアアップを目指せるでしょう。
とくに介護福祉士になりたい場合には、介護職員初任者研修の次の資格である実務者研修の資格取得が必要ですが、この資格を持っていると一部のカリキュラムが免除となります。介護の現場でキャリアアップすることを視野に入れているならば、資格は持っておいて損はないでしょう。
介護職であれば全国どこでも就職できる
介護職員初任者研修の資格を持っているだけで、自分の介護に関するスキルと技術が認められますので、自分の介護スキルがどれくらいあるのかの証明となります。
そのため、資格を保有していることで、介護の現場であれば全国どこでも就職することが可能です。たとえば、配偶者が転勤する仕事で全国を回ったり、遠方の実家に帰らなければならない状況になったりしても、どこでも就職活動がおこなえます。
家族の介護の際に介護の知識が役立つ
介護に関する技術とスキルが身についているので仕事だけでなく、家族の介護が必要になったときにも役立ちます。ある程度の知識も身についているので、いざというときにも落ち着いて対応できるでしょう。
もしも介護現場ですぐに働く予定がなかったとしても、この資格を持っていて損をすることはありません。また、なかには家族によりよい介護を提供したいという目的で、介護職員初任者研修の資格を取得される方もいるようです。
無資格からでも介護職員初任者研修の資格がとれる
介護職員初任者研修の資格を取得するために、事前に必要となるような資格はありません。つまり、学歴など問わず、初心者や未経験者でも資格取得に挑戦できるということです。
実際に介護職員初任者研修を受講する方は、はじめて介護に触れるという方も多いので、これまで介護に携わったことのない初心者でも、無理なくはじめられます。
介護職員初任者研修と介護福祉士実務者研修の資格の違いとは
介護職員初任者研修と似た言葉の資格で、介護福祉士実務者研修という資格があります。この資格は介護福祉士国家資格の受験要件とされている研修で、資格を取得すればサービス担当責任者として働くことが可能です。
この資格では医療的な知識なども学ぶことになるため、介護職員初任者研修よりもより深い介護実践につなげられます。
ただし、介護職員初任者研修よりも研修科目や研修時間は多く、20科目、450時間の研修を受けなければなりません。そのため、まずは介護職員初任者研修で事前に介護に関する基礎的な内容を深めてから、実務者研修を取得するというルートで学ぶ方が多い傾向にあるようです。
介護職員初任者研修取得して無資格から介護のプロを目指そう
無資格からでも取得できる介護職員初任者研修。資格を取得することで着実に介護の現場でキャリアアップができ、最終的には介護のプロである介護福祉士の資格を取得できる可能性があります。
介護の世界で長く働いていきたい、介護職に興味があって介護の基礎的な知識を身につけたいと考えている方は、介護職員初任者研修という資格を取得することを検討してみるのがおすすめです。