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ヘルスケア 2023-03-14

チネイザンは人を介して自分を知ることができるツール。ヨガインストラクター浦西千織さん

のべ8万人以上にレッスンを行ってきたというヨガインストラクターの浦西千織さん。前編ではインストラクターとしてどのようにキャリアを築いてきたか、また大事にしてきたことを伺いました。生徒さん1人1人に向き合うようになり、ヨガインストラクターとしての充実度が変わったと話す浦西さん。その転機となったのが、ある生徒さんから受けた人生相談だったといいます。

後編では現在の浦西さんが、ヨガと同じくらい力を入れているチネイザンの施術について詳しく伺います。ヨガとは違い、チネイザンは人を介して客観的に自分を知ることができるツールだと話す浦西さん。また会社に所属した経験がある浦西さんだからこそわかる、フリーランスの魅力やメリットについてもお聞きします。

今回、お話を伺ったのは…

浦西千織さん

ヨーガ指導者/チネイザンセラピスト/気功愛好家

パン職人として働いていたときに、過労で腰痛を起こし仕事を辞めざるを得なくなった経験から、身体の調整の為にヨガを始める。初めて受けたヨガのクラスで大号泣するという浄化を経験し、ヨガの可能性を感じて、ヨガインストラクターの道へ。大手ヨガスタジオにてのべ8万人以上に向けてレッスン講師を担当したほか、12年間トレーナーとして1000人以上のインストラクターの採用、教育、査定、資格取得講座を担当した経験を持つ。2017年にはフリーに転向し、現在は 主に陰(いん)ヨガ指導者をメインに、チネイザンセラピストとしても活動中。

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instagram:@chiori.u

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人を介して自分を知ることができるチネイザンに衝撃を受ける

浦西さんが現在取り入れているチネイザンの施術の様子

――チネイザンとはどのような施術なのでしょうか。

チネイザンは漢字で書くと「気内臓療法」と書くのですが、中国で発祥した気功療法の1つです。気で内臓の調子を整えていくもので、瞑想法、気功法と言われています。最近よく見るおなかのマッサージなどとは違い、臓器と会話をしながら感情や心と深く向き合う施術になります。

――衝撃を受けて、取り入れるようになったとのことでしたが、どういったところに衝撃を受けたのでしょうか。

初めてタイで体験した際、おへそを触ってもらったときに今まで感じたことのない感触や痛みを感じました。それと同時にこれまでは少し半信半疑だったヨガで教わった哲学、自分のなかに宇宙を見るとか、全体性を見るということが肚落ちするのを感じたんです。自分のなかに世界の全体があるということを理解できた瞬間でした。

そのときに分かったのは、何かが起きたときにだれかの責任にしたり、人を変えてやろうと思っても世界は変わらないということ。自分のなかを変容させるしかないんだということをはっきりと感じました。ヨガに初めて触れたときのように衝撃を受け、この体験をみなさんにも届けたいと思い、すぐにチネイザンのスクールに通い始めました。

――チネイザンとヨガ、どちらも自分に向き合うという共通点があるとのことですが、逆にヨガと違うところはどんなところでしょうか。

直接触れる、触れられ続けるという点で圧倒的に深い個のコミュニケーションがなされる点でしょうか。肌の触れ合いはこの数年とても減ってしまったように思いますが、話さなくても何か伝わる、伝えられることがあるなと感じます。自分が受けることもあるのですが、セラピストに完全に委ねていくと、自分が知らない自分に気づかせてもらうことが良くあります。受けてくださる方もそのような体験を良くされますね。

フリーランスになり、自分のなかの摩擦が減った

フリーランスになってから開設したという浦西さんのホームページ

――フリーランスになって6年ほど経つと思いますが、フリーランスの働き方のメリットはどんなところだと思われますか?

チネイザンを取り入れるようになって、自分のなかに起きた変化にもつながるのですが、一番思うのは、自分のなかの摩擦が減ったことです。私が勤めていた会社は本当にいい会社だったので感謝しかないのですが、会社の意向という大きい枠のなかで自分がやりたいこと、やるべきことを見出してきたところがあったと思います。そういう考えでいるとうまくいかないことがあったときに、半分会社のせいにしてしまうところがあって。

でもフリーランスになると、一から自分がどうしたいと考え、自分の裁量でやっていくことになるので、うまくいってもいかなくても自分で責任を負えるとようになります。あとはスピード感ですね。自分にやりたいことができたら、誰にも相談せずにすぐに取り組めるところが魅力です。

――フリーランスになったからこそ、気を付けていることはありますか?

会社員のとき以上に自分とは違うタイプの人と関わるようにしています。自分ができることや考えることは限られていると思うので、フリーランスのように1人で活動をしていると凝り固まってしまいます。なるべく自分とは違うタイプの人に、意見を聞いたり、相談したりするようにしていますね。

――実際に人に相談して、考え方を変えた経験もあるのでしょうか。

はい、オンラインクラスやYouTubeチャンネルを始めたことです。元々の私の考えでは、ヨガは対面のエネルギー交換こそが大事だと思っていて、オンラインクラスもYouTubeも乗り気ではありませんでした。

でも自分とは違うタイプのYouTubeやオンラインに力を入れている方と話したときに、「これからはオンラインの時代だから絶対やってみたほうがいいよ。自分が伝えたいことを地球の裏側の人にも伝えられるんだよ」と言われ、自分の視野をもう少し広げてみようと思ったんです

最初は義務感でやっていた部分もありましたが、YouTubeを見た方がオンラインクラスに参加してくださったり、チネイザンを知ってくださったりということがあり、自分の知らないところで広がっていくのがオンラインの力だなと思って、そこにはもう摩擦がなくなりました

泣いても怒っても落ち込んでもいい。常に等身大の自分で

常に自分に正直に、等身大の自分でいたいと浦西さん

――ヨガインストラクターとして、セラピストとして、今後こういう姿でありたいという目標はありますでしょうか。

正直でいたいという思いがありますね。一般的にヨガの先生というと、なんとなく健康に気遣われているとか、いつも優しいとか、聖人っぽいというようなイメージがあるかなと思うんです。でも私はよく怒りますし、すぐ泣きます。私は今年44歳なのですが、去年不妊治療に半年くらい取り組んで、結局授かることができませんでした。このように自分ではどうにもできないことを経験すれば、やはり落ち込むこともあります。でもこういう自分の弱い部分を助けてくれるのが、ヨガというツールなのではないかと思うんです。

ヨガを人間臭く伝えていくことしかできないですし、そういう自分でいることで生徒さんも等身大の自分でいいんだと思ってもらえたらうれしいです


取材が始まってからすぐに、自分の内面を正直に、まっすぐに話してくださった浦西さん。普段からヨガやチネイザンを通して、自分と深くつながっているからそれが可能になるのだと感じました。ヨガインストラクターやチネイザンセラピストとしてもっと活躍したい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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