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ヘルスケア 2023-08-31

犬にだって知ってほしい!?地方の自宅サロンが地道な広報活動で人気に!「facial & body care salon lampo」

「facial & body care salon lampo」のオーナーセラピストの横澤美穂さん。某大手企業の美容部員時代に月1500万円の売り上げを達成しながらも、数字の圧のないサロンを目指して独立。開業後すぐに、2カ月先まで予約の取れない人気のサロンとなりました。

前編ではどのようにしてお客さまファーストを実現しているかをお聞きしました。後編では、周囲を山に囲まれた郊外の自宅サロンとして開業した「facial & body care salon lampo」が、どのように集客を行い、開業と同時に予約が埋まった状態にすることができたのかを伺います。効果を発揮したのが、開業までの1年をかけて行った広報活動。ポイントは共感を集めるブログと居酒屋のトイレだそうです。

今回、お話を伺ったのは…

横澤美穂さん
「facial & body care salon lampo」オーナーセラピスト

大手企業の美容部員、個人のエステ化粧品販売店を経て、お客さまファーストを実現したいという思いから独立。ボディにアプローチするとフェイシャルにも大きな影響があることを実感し、深層部リンパ、整体、リラクゼーションを組み合わせた独自の施術を生み出す。

当初は自宅サロンの形態で開業。周囲を山に囲まれた場所にも関わらず、オープンからすぐに、2カ月先まで予約のとれない人気サロンとなる。慢性的に予約が取りづらい状態だったため、2年後に店舗に移転。現在は4名の仲間とともに、お客さまの心と体をゆるめることに邁進している。

instagram:@lampo_yokozawa

周囲は山ばかりの自宅サロン。集客成功の秘訣はブログと居酒屋のトイレ

子ども部屋の一部を自宅サロンにしたという「facial & body care salon lampo」。サロンはすぐに人気に

――最初は自宅サロンから始めたそうですが、開業と同時に予約の枠が埋まっていたそうですね。どのようにして実現したのでしょうか?

独立前の1年をかけて、とにかく人に知ってもらうことにしました。私は愛知県岡崎市の自宅で開業したのですが、岡崎市のかなり端の方で、山と畑で囲まれているような町でしたので、放っておいてもお客さまが来てくれることはないと思ったんです。

――人に知ってもらうために、どのような活動をしたのですか?

当時は2015年くらいで、集客の主流はブログだったので、私も始めてみることにしました。最初は誰も読んでくれなくて、何のためにやっているんだろうと心が折れそうになったことも多々…。ですが、1年も続けているとだんだんと読んでくれる人が増えてきたんです。

――ブログを書くときに心がけていたことはありますか?

サロンをいつ、どこでオープンする予定かということは、ブログの最後に必ず入れていました。あとはその日起きた出来事をただ書くのではなく、心を開いて、自分の思いを書くようにしていましたね。格好いい、できる人風のブログではなくて、等身大の自分を発信するようにしました

たとえば開業準備をしているとき子どもが3歳と1歳とまだ小さく、仕事をすることの心の葛藤をそのまま書いたり。自分の素直な気持ちを書いていたので、より深く私を知り、共感してくださるお客さまが、オープンと同時に次々と予約を入れてくださいました。ちなみにいまだにブログを全部読んで、遠方から来てくださるお客さまもいらっしゃいます。

――ブログ以外にも集客のためにやっていたことはありますか?

チラシを作ってポスティングをしたり、お店に置いてもらったりしました。その時の思いとしては、男性や年配の方など老若男女問わず知ってもらいたい、犬にだって知ってほしいくらいの気持ちでした(笑)。たとえチラシをお渡しした方が来店されなくても、紹介につながるかもしれないと思ったんです。ポスティングはただポストに入れるだけでなく、庭に人がいたりすると声をかけて直接お渡ししたりして。ビビりでそんなことができる性格ではなかったのですが、オープンしたときに予約がまったく入っていない状態になってしまう方が心が折れると思っていたので、そこは勇気を出しました。

ちなみに色々なお店に置いていただきましたが、一番来店につながったのは居酒屋さんのトイレでした。持ち帰り用の小さく折りたたんだチラシを個室のなかに置かせてもらっていましたが、それだけだと中を開いて見てくれることはないと思ったので、パウチしたA4のチラシも貼らせてもらっていました。ひとりになれる空間ですし、適度に時間もあって、目の前のチラシをよく見るんだと思うんです。地道な広報活動を続けたことで、午前と午後の1日2枠しかなかったということもありますが、オープン時には予約がほぼほぼ埋まる状態を作ることができました。

「もっと自信を持って」お客さまに言わせてしまったひと言

順調にお客さまを増やしている横澤さん。しかし開業当初は失敗も多かったと振り返る

――お話を聞いていると、とても順調にサロン経営をされていると感じます。

いえいえいえ、オープン当初は今から考えると失敗も多かったですよ。とくに印象に残っている失敗が2つあって。1つは来店したお客さまにいいところを見せようとしてしまったところ。ブログには本当の自分を書いていたのに、サロンでは緊張してしまって、汗が滝のように流れている状態で(笑)。でもそうやって自分を開いていないとお客さまも心を開いてくれることがないんですよね。自分の弱さも出していいんだと思います

――もうひとつの失敗は?

正反対のような話なのですが、お客さまから「プロなんだからもうちょっと自信を持ってやって」って言われたことがあったんです。開業した当初、すごく自信がないのに、お客さまはどんどんきてしまって、アタフタしてしまうことがあって。そのときに言われのが、冒頭の言葉でした。言われてしまったときは「お客さまにこんなことを言わせてしまった」と、とてもショックでしたが、そこからプロとしての意識が生まれたと思います。成長させてくれるお客さまには、日々感謝です。

お客さまを思う所作は、かならず伝わる

これからも長く、セラピストとしての仕事を続けていきたいと横澤さん

――最後に、セラピストとして横澤さんが大切にしてきたことを教えてください。

技術も知識ももちろん大事ですが、お客さまのことを思って施術することが、とても大事だと思っています。セラピスト対お客さまではなく、人と人としてどうお客さまと関われるか。私は丁寧な所作ができるわけではないですが、お客さまのことを思ってやっていることは、必ずお客さまに伝わると思うんです。セラピストとして、ひとりでも多くのお客さまの心と体をゆるめていくことができたらうれしいです。


売上を一旦脇に置き、お客さまとスタッフの満足を追求している横澤さん。「効率を重視していないから、そんなに儲けが多いわけではないですよ(笑)。でも細く長く、大好きなお客さまと仲間たちに囲まれて、ずっとこの仕事を続けていきたい」と笑顔で話す姿が印象的でした。

Salon Data

facial & body care salon lampo

住所:愛知県岡崎市本宿町一里山15

撮影 stella mama

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