ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
特集・コラム 2023-07-21

作業療法士が離職を考える理由|やめてよかったと思える転職にするためにやるべきことも紹介

作業療法士になるまでの道のりは、決して楽なものではありません。しかし、さまざまな要因で離職する人もいます。

この記事では、作業療法士が離職を考える理由や転職先、転職を後悔しないためのポイントなどを紹介します。

作業療法士が退職や転職を考える理由

どんな仕事も、やりがいや楽しさばかりを感じられるわけではありません。資格を取得するまでに苦労したであろう作業療法士であっても、やめたいと感じてしまう人がいます。

作業療法士がやめたいと考えるおもな理由は、人間関係・仕事内容に対するギャップ・疲労・給与や待遇への不満などです。一つずつ詳しく見ていきましょう。

人間関係の悩み|患者や職場の人

作業療法士は、患者やその家族と接するだけでなく、医師や看護師、理学療法士などさまざまな職種の人と、密なやりとりが欠かせません。そのため、うまく関係性が築けなかったり意見が対立してしまったりといった、人間関係の悩みを抱えることがあります。

周囲にとらわれず一人で黙々と業務をこなすことができない仕事でもあるため、ストレスを感じてやめたくなってしまう人がいます。

仕事内容への悩み

作業療法士は、身体機能の向上を目指したリハビリだけでなく、趣味や遊びなど人々にとって価値のある生活行為をサポートするのも仕事です。

しかし同じ疾患であっても、回復期と急性期の患者では一人に費やせる時間やおこなう作業療法にも違いがあります。やりたいと思っていた業務ができず、理想と現実との違いに悩む人もいるようです。

多忙による疲労

職場によって忙しさや時間的余裕、業務範囲には違いがあります。

多忙な職場では、勤務時間内はすべて患者の対応に追われ、事務作業やカンファレンスの準備などは時間外しかできないところがあります。

ほかにも、休みを返上して勉強会や研修に参加しなければならないケースや、人手不足でほかの人の仕事も担当せざるをえない職場など、多忙の原因はさまざまです。忙しさのあまり疲弊してしまい、退職や転職を考える人もいます。

給与や待遇への不満

作業療法士の給与は、ほかの医療職に比べて低く設定されていることがあり、不満を持つ人もいます。

また、職場によっては勤務年数を重ねてもそれほど昇給しなかったり、福利厚生が充分に整備されていなかったりといった理由で働きづらさを感じてしまう人もいるようです。

やめたいと思ったときはどうしたらいい?

やめたいと思ったとき、具体的には何をしたらいいのでしょうか。とっさの判断でそのままやめてしまうと後悔する可能性があるため、まずは現状を具体的に把握したうえで、今後を考えることが大切です。

悩みや問題と向き合う

自分の悩みや職場での問題と向き合うことで、解決策が見つかる可能性があります。

たとえば治療に関することであれば、勉強会などを通じて意見交換などをおこなうことで、相手の意見を受け入れることができたり、こちらの意見を理解してもらったりすることができるかもしれません。解決のために、自分から歩み寄ることも大切です。

離職を考える

どんな仕事でもストレスは少なからず感じるものですが、我慢し続けていると心身に支障をきたして働けなくなってしまう恐れがあります。

自分ではどうしようもない場合や、今の職場での解決が難しいのであれば、退職や転職を考えてもよいでしょう。

やめたあとの道はどんなものがある?

職場を退職したあと、どんな道に進んだらよいのか悩むこともあるかもしれません。実際にやめた人はどういった進路を選んでいるのか、作業療法士を続ける場合の選択肢とあわせて紹介します。

作業療法士として別の職場への転職

職場環境や人間関係に悩んでいる人のなかには、別の病院や施設で同じ作業療法士として働く人もいます。作業療法士は、病院やクリニック、介護や福祉施設などさまざまな場所で活躍できるため、やめたあとも同じ業界で働く人も少なくありません。

リハビリをおこなう分野や対象の障害領域を変える方法も

リハビリは急性期・回復期・維持期・終末期の各分野でおこなわれます。患者によって疾患も異なるため、これまでとは違う分野に従事することでキャリアアップやスキルアップを目指すという選択肢もあります。

また、身体・精神・老年期・発達といった4つの障害領域から、これまでと違ったアプローチができる領域に対象を変えてみるという道も。

自分の得意なことや患者に提供したいものは何か、よく考えてみるとよいでしょう。

作業療法士の経験が活かせる職場への転職

患者に対する作業療法から離れて、別の業界への転職をする人もいます。のちほど詳しく紹介しますが、これまでの経験や知識を活かせるような一般企業やフィットネスジムなどです。

新たに資格を取得する

作業療法士として働いているうちに、同じ職場で携わったほかの医療資格者に憧れを抱くことも珍しくありません。

そういった人のなかには、退職してすぐに次の仕事を始めるのではなく、新たな資格の取得を目指す人も。とくに多いのは看護師や社会福祉士で、退職後、大学や養成校に入学し勉学に励んでいます。

作業療法士の知識や経験が活かせる転職先

医療機関以外で、作業療法士の知識や経験が活かせる転職先を紹介します。

医療機器や福祉器具を扱う企業

医療機器や福祉器具を扱う企業は、作業療法士としての経験や知識が活かせる場面があります。

実際にさまざまな疾患を持つ患者と接していたからこそ、お客様に適したものを考えたり、営業担当者に助言したりすることが可能です。障害や病気に対する理解がないまま働いている人もいるなかで、正しい知識を広める役割を担うこともあります。

フィットネスジム

フィットネスジムのなかには、作業療法士が知識や経験を活かして、患者ではなくお客様を対象にトレーニングの指導をしたり、予防医療のためのリハビリなどをおこなったりしているところもあります。

機能訓練指導員として働くケースも

介護施設では、作業療法士の資格があれば機能訓練指導員として働くことができます。仕事内容は多岐に渡り、作業療法士の専門知識や経験が役立つ職場です。

利用者の身体機能やバイタル、生活習慣などを把握し、機能訓練の計画から実施までおこないます。ひとりひとりに合った訓練を通して、利用者が身の回りの生活動作をおこなえるようサポートしていく仕事です。

身体面のリハビリだけではなく、精神面のケアをするのも作業療法士の大きな役割と言えるでしょう。

ほかにも、利用者に合った車いすや福祉用具の選定をしたり、介護職員への指導をおこなったりと、幅広い業務を担います。

やめてよかったと思える転職にするためのポイント

転職活動は、しっかりとポイントをおさえておかなければ失敗してしまう恐れがあるため注意が必要です。

たとえば、
・条件だけを見て転職したところ、想像以上に仕事内容がハードだった
・知人からの紹介で安心して転職したものの、聞いていた話とは違った
などの失敗例があります。

失敗や後悔なく、やめてよかったと前向きに思えるようにするためのポイントを見ていきましょう。

やりたいことや転職したい理由を明確に

まずは、作業療法士を続けたいのかどうかも含めてしっかり自分と向き合いましょう。自分が本当にやりたいことは何かを考え、なぜ転職したいのか理由もはっきりさせる必要があります。

また、転職後の働き方にも目を向け、優先順位も考えましょう。作業療法士を続けるのであれば、携わる患者・職場環境・仕事内容など具体的なイメージを持つことが大切です。

転職の目的があいまいだったり、優先順位や譲れない条件が明確でないと、失敗につながる可能性があります。

応募先へ見学に行き、情報収集をおこなう

掲載されている求人情報やホームページだけでは、実際の仕事内容や職場の雰囲気など分からないことも多いですよね。転職先の情報が不足していると、転職後に「想像と違った」と感じてしまいやすくなります。

できるだけギャップを生まないよう、実際に応募先へ見学に行き、仕事内容や休日、残業の有無などしっかりと情報収集をおこないましょう。見学に行くことで、働いている職員や患者の様子を見ることもできます。

在職中に次の職場を見つける

転職活動は、ある程度時間がかかることを想定し、在職中からおこなっておきましょう。そして、次の職場が決まってから退職するのがおすすめです。転職を決意したからといって、すぐに仕事をやめてしまうと収入が途絶えてしまう恐れがあるためです。

希望する求人が見つからず、やめたあともしばらく転職先が決まらないということも少なくありません。収入が途絶えてしまうことで焦りが生じ、妥協して希望とは違った場所に転職し後悔する人もいます。

転職を考えるならやりたいことを明確に|情報収集を欠かさず自分に合った職場を見つけよう

作業療法士は、幅広い分野で活躍することができる仕事です。転職を考えるのであれば、自分自身としっかり向き合い、転職の目的ややりたいことを明確にしましょう。

「想像と違った」、「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、譲れない条件や優先順位などをはっきりさせておき、転職先を選ぶ際はしっかりと情報収集することも大切です。

焦って妥協することのないよう時間に余裕を持ち、自分の希望に合った職場を見つけましょう。

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの作業療法士求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄