作業療法士の履歴書におけるポイントとは?志望動機の書き方や例文もあわせて紹介
作業療法士として、初めて就職する場合でも、転職する場合でも必要となってくる履歴書。ここでは、基本情報の書き方から、作業療法士として就職する際の志望動機の書き方のポイントや例文を各職場に分けて紹介していきます。
履歴書における基本情報の記入方法
氏名や住所などは、省略したりせず住民票の通りに記載します。氏名のふりがなについては、「ひらがな」で記載されている場合は、ひらがなで、「カタカナ」で記載されている場合は、カタカナで書きましょう。生年月日については、西暦・和暦どちらという決まりはありません。ただし、履歴書全体を通して、統一するようにしましょう。
学歴・職歴の記入方法
学歴・職歴は、省略することなく正確に記入しましょう。また、あとで詳しく説明をしますが、必ず正式名称で記入するようにします。
学歴の書き方
学歴については、どこから記入するのか明確な決まりはありません。中学の卒業から、もしくは高校の入学から書いていくことが一般的です。高校以降については、入学した年、卒業した年の順に書きます。
学校名については、正式名称で書くようにしましょう。例えば、「高校」は「〇〇高等学校」。大学は、「〇〇大学〇〇学部〇〇学科」まで記入し、在学中の方は、卒業する年と学校名を書き、「卒業見込み」と書きましょう。
職歴の書き方
職歴についても、学歴同様に正式名称で書きます。例えば、「〇〇病院」は、「医療法人〇〇病院」。会社などは、(株)ではなく、「株式会社」など、省略したりせず書くように注意しましょう。
また、勤務した職歴は、短い期間のものであっても必ず記載します。入社した年、退職した年の順に記入していき、退職した年の横に「一身上の都合により退職」と書きましょう。
在職中の場合は、最終職歴の下に「現在に至る」、離職中の場合は、「以上」と記入します。
志望動機の記入方法|作業療法士のポイント
応募先の採用担当者は、職場にとって、戦力になる人・魅力的な人を採用したいと思っています。志望動機は、応募先に自分の魅力を伝える重要な部分です。作業療法士としての魅力をどのようにして伝えるのか、具体的に紹介していきましょう。
初めて就職する場合
初めて就職する際の志望動機はどのように書いたら良いのか、わからない方も多いと思います。
まずは、応募先についてホームページなどで、どのような理念の会社なのかを調べておきましょう。その上で、作業療法士になったきっかけや、自分の目指す作業療法士像、働き方などを企業の理念に寄り添いながら書いていきます。
志望動機例
私は、自身の経験から、相手の心に寄り添いながら訓練をおこなう作業療法士になりたいと強く思っていました。貴〇【※】の相手の心に寄り添うといった理念を拝見したとき、私の目指す作業療法士とぴったりだと感じました。また、貴〇で行われている、教育体制や研修に大変魅力を感じました。是非、貴〇で作業療法士としての経験を積みたいと思い応募させて頂きました。
※貴〇には、病院で働く場合は、「貴院」。企業で働く場合は、「貴社」などが入ります。
転職する場合
転職する場合は、今までの職場で培った経験や、資格・スキルなどをアピールしましょう。そのうえで、どうして転職をしようと考えたのか、応募先での目的などを書きます。
ただし、前の職場での愚痴などは書かないようにしましょう。あくまでも、前向きに転職を決意したことを書くのがおすすめです。
志望動機例
私は、今までの職場では、○○の担当をさせて頂きました。○○では~という経験をし、作業療法士として大きく成長できたと思います。この経験を活かしながら、貴〇では、~を身に着けたいと、強く思い応募致しました。
※貴〇には、病院で働く場合は、「貴院」。企業で働く場合は、「貴社」などが入ります。
志望動機の記入例を職場別に紹介
ここからは、さらに細かく病院・介護施設・保育関係など、具体的な就職先別の志望動機の例文を紹介していきます。
病院の場合
私が貴院を応募させて頂いた理由は、貴院の「心に寄り添った医療を」という理念に強く共感をしたからです。
祖母が入院した際、「リハビリの時間がとても楽しい」と話していたのを、よく覚えています。リハビリの時間の作業療法士の方との何気ない会話や励ましの声がとても嬉しかったそうです。その時から、私は患者様の心に寄り添いながら、リハビリのできる作業療法士になりたいと思っておりました。ぜひとも貴院で、作業療法士として働かせて頂きたいと思っております。
介護施設の場合
私が貴施設を、応募させて頂いた理由は、リハビリを通して、高齢者の方に関わりたいと思ったからです。
〇〇病院で、〇年働かせて頂き、身体や認知症の面から、介護の必要な高齢者の方と関わってきました。その中で、多くの方が、自宅で家族とともに生活したいと思っていることを知り、作業療法士として自分に何かできることはないかと考えるようになりました。
少しでも多くの利用者様が在宅復帰を目指していけるように、他業種スタッフの方々と連携を取りながら、支援させていただきたいと思います。
保育関係の場合
私は、子どもが好きで学生の頃より、ボランティアで保育園や、学童教室に通っていました。そうした経験の中で、障害のある子どもとの関わり方に、戸惑ってしまったことを覚えています。
そのことを後悔しており、障害のある子どもへの関わり方を深く学びたいと思ったのが作業療法士を目指したきっかけです。大好きな子どもたちと関わりながら、楽しく訓練や支援をおこないたいと思い、貴園を志望いたしました。
企業の場合
私は、前職で患者様のリハビリをおこなっていて、もっと使いやすいリハビリ器具や福祉用品はないのか?と探すようになりました。探している中で、次第に現場での経験を生かして、自分が開発に携わりたいという思いが強くなり、貴社に応募しました。
貴社の「現場の声を生かした商品作り」という理念に惹かれ、私の経験がお役に立てるのではないかと考えました。貴社に入社させていただいた暁には、自身の経験を生かし、現場で必要とされる商品の開発に尽力いたします。
志望動機の気を付けておきたいポイント
志望動機を書く上で気をつけておきたいポイントを紹介します。
まずは、何を伝えたいのかを明確にしておきましょう。自分のアピールしたい部分は何かを考えて、誤字・脱字に注意して書いていきます。
また、どんなに素晴らしい内容でも、長すぎる文は避けるのがベターです。150 文字から250 文字程度にまとめて書きます。一通り書き終わったら、誤字・脱字はないか、わかりやすくまとまっているかなどをチェックすると良いでしょう。
趣味・特技について
趣味や特技は、最近は記入欄のない様式のものもありますが、自分という人間をアピールするチャンスです。作業療法士は、人とのコミュニケーションが不可欠な職種。
例えば、「私はだれとでもすぐに打ち解けることができます!」といったアピールをすると、いい印象を与えることができるでしょう。ただし、コミュニケーション能力が高いことがわかるようなエピソードなどを用意して、面接で突っ込まれたときに対応できるようにすることが大切です。
その他の注意事項
履歴書は、手書きの場合は、黒のボールペンか万年筆で記入します。日付は、面接の当日の日付を、郵送の場合はポストに投函する日付を記入。
写真については、三カ月以内に撮影したカラー写真を貼付します。必ず本人単身で、胸から上が写っているものを用意しましょう。また、指定のサイズがあれば、そのサイズのものを使用します。なければ、履歴書のサイズに合わせましょう。
作業療法士として魅力的な履歴書を用意して就職につなげよう!
履歴書は就職活動をする上で、必要な書類です。作業療法士としての知識や経験をアピールし、さらには、応募の動機や熱意などが伝わるように書いていきます。
ひとつひとつを、丁寧に正確に作成するようにしましょう。ぜひ、応募先の施設や企業が、あなたに会って直接話を聞きたい、あなたと仕事をしたい、と思ってもらえるような内容のものに仕上げて、就職につなげていきましょう。