ヘルスケア&介護・看護・リハビリ業界の応援メディア
ヘルスケア 2024-06-25

利用者一人ひとりの心に寄り添えると信じて選んだ訪問介護【介護リレーインタビュー Vol.47/necodarumanさん】#1

介護業界に携わる皆様のインタビューを通して、業界の魅力、多様な働き方をご紹介する本連載。

今回、お話を伺ったのは…
25年介護福祉に従事し、今年3月から介護アロマケアセラピストとしても活躍しているnecodarumanさん。

訪問介護を専門にサポートが必要な方の生活を助け、休日には介護アロマケアセラピストとしてメディカルアロマを使った施術やワークショップの活動も行っています。

前編では、そんなnecodarumanさんが介護士になったきっかけや現在の訪問型という働き方にたどり着くまでの経緯を伺います。

おじいちゃんおばあちゃん子は介護士に向いている!?

――介護士になろうと思ったきっかけは?

もともと美容師を目指して上京してきたんですが、一人暮らしで生活するなかでホームシックになってしまって。おじいちゃんおばあちゃん子だった私は、年上の人に会えば心が癒されるかもしれないと思い、近所のデイサービスでボランティアとして働くようになったのがきっかけですね。

そこで先輩スタッフに「せっかくなら収入面も考えてバイトとして働いたほうがいいよ」と言われたんです。そこで美容専門学校を中退し、バイトとして働き始めました。その翌年の2000年から介護保険がスタートしたのですが、それに合わせて多くの利用者さんを助けられるよう本格的に働くことを決意したんです。そこで国家資格である介護福祉士の取得を目指すようになりました。当時受験に必要だった「ホームヘルパー2級」、「ホームヘルパー1級」の資格を取得したあと、3年の実務経験を積んで国家試験に挑戦し、合格することができました。

――実際に介護士として働くようになって、どのようなことを感じましたか。

すごく心が癒されました。介護の仕事では利用者さんと会話をすることも仕事になります。お話をしていて利用者さんが幸せを感じてくれている様子を見ると私も幸せな気持ちになるんです。ホームシックでぽっかり空いていた心の穴も埋められていきましたね。お互いがこんな楽しい気持ちになって、それでいてお給料をもらえる仕事があるのかと、驚いたのを覚えています

介護の仕事って難しそうという印象を持たれがちなんですよね。もちろん技術も必要ですが、私のようにおじいちゃんおばあちゃんとコミュニケーションをとるのが好きという気持ちがあれば、想像しているより技術が身につけやすいと思います。また一緒に働いている仲間のサポートがあったのも、安心して働けたポイントでした。

利用者さんに寄り添いたい。信念を大切にして訪問介護に転向

――現在、訪問介護を専門に働いていますよね。

そうですね。介護福祉士を取得して最初は老人ホームで施設介護をしていたのですが、1年ほどで辞めました。その後、デイサービスを経験して、現在は訪問介護事業所でサービス提供責任者として従事しています。訪問介護は、利用者さんやそのご家族の希望時間に家にお邪魔して、オムツ交換をしたり、お水を飲ませたりと生活の介助をおこなう働き方です。排泄、入浴、調理、掃除など決まったケアを実施し、だいたい1軒あたり1〜2時間の滞在で、1日に3〜8軒に伺います。

――施設介護も経験されていたんですね。なぜ1年で辞められたのでしょうか?

理由はいくつかありますが、大きい理由としては利用者さんに団体行動を強いらなければいけない場面があり、それが苦しかったからです。施設では30人程度の利用者さんたちが一緒に暮らします。そのため、食事、入浴、排泄など1日のタイムスケジュールがきっちり決まっていて、利用者さんは時間に合わせて生活しなければなりません。「気分じゃない」と言って嫌がる方もいるのですが、動いてもらわなければ施設の運営は難しい現状があり、体も心も疲れました。利用者さん一人ひとりに寄り添って対応できないことが、私に合わず辞めました。

――なるほど。利用者さんに合った生活をさせてあげたかったんですね。

そうなんです。ただ、施設介護の経験があったからこそ訪問介護ができていると思っていて。訪問介護は利用者さんと1対1での対応が主になるので判断力が求められるのですが、そこで必要な基本的な技術は、施設でひと通り身につけることができました

褒めつづけることで「会いたい」と思われる存在に

――necodarumanさんがお仕事で心掛けていることは何ですか?

好かれる行動をすることですね。私たちは利用者さんのプライベートな空間に訪問して業務を行うので嫌な印象を持たれてしまうと、利用者さんにとって大変なストレスになります。利用者さんに「早く家に来てほしい」、「会いたい」と思ってもらえるくらい好かれる行動を常に心がけていますね。

――好かれる行動というのは具体的にどんな…?

まず基本中の基本ですが、丁寧な接遇やマナーを心がけることです。失礼な行動や言動は介護の仕事関係なく、嫌われてしまいますからね。あとは利用者さんを褒めるようにしています。ただ、わざとらしくないようにですよ。「お家の中が片付いていて綺麗ですね」や「お洋服素敵ですね」とご本人を褒めるもいいですし、利用者さんの家族を褒めるのもいいと思います。褒められて悪い気がする人って少ないですよね。

もちろん、丁寧に対応したり褒めたりすればすぐに好いてもらえるというわけではありません。褒め続けて氷を溶かすように少しずつ好いてもらうんです。

――利用者さんとの関係作りには時間がかかるんですね。

そうですね。突然やってきた人に身体を触られたり、身の回りの世話をしてもらったりするので、初めは不信感を抱いている利用者さんも多くいます。急激に距離を詰め過ぎてしまうと、怖い印象を持たれてしまったりもするのでゆっくり丁寧に関係性は構築していますね。

――なるほど。訪問介護に携わる前に身につけておいた方がいいことは?

接遇やマナーはもちろんですが、料理も勉強しておくといいかもしれません。施設介護では多くの場合、料理専門のスタッフがいるので取り組むことはありませんが、訪問介護では利用プランによっては利用者さんのお宅で料理することもあります

その際に、料理ができないと味や食べやすさなどが悪くなってしまい利用者さんの食事に負担をかけてしまうんです。料理はプライベートでも役立つと思うので、勉強しておいて損はないと思います。


施設介護を経て、現在訪問介護に従事しているnecodarumanさん。利用者さん一人ひとりに寄り添った対応を大切にしているからこそ辿り着いた働き方だとわかりました。後編では、necodarumanさんが考える訪問介護士のやりがいや介護アロマケアセラピストとしても活動するようになった経緯を伺います。

再婚を控えていたnecodarumanさんは、ある日を境にパートナーと連絡が取れなくなってしまったそう。そこでネガティブな気持ちになっていたところを救ってくれたのがアロマケアだったといいます。また詳しい施術などもお聞きしました。後編もお楽しみに!

information

この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの介護福祉士求人をリジョブケアで探す

株式会社リジョブでは、介護・看護・リハビリ業界に特化した「リジョブケア」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄