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介護・看護・リハビリ 2025-09-24

薬膳漢方も整体も、行き着く先は心と体の健康【介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画 訪問看護師・薬膳漢方講師・整体師 松根亜裕美さん】#2

業界のさまざまな職業にフォーカスして、その道で働くプロにお仕事の魅力や経験談を語っていただく連載「介護・看護・リハビリ業界のお仕事企画」。今回は、訪問看護師で薬膳漢方講師・整体師としても活動する松根亜裕美さんにお話を伺います。

前編では、看護師のすべてを経験したくて派遣スタッフとして1週間毎日違う職場で働いたこと、現在の訪問看護のお仕事内容について伺いました。この後編では、薬膳漢方講師や整体師としての活動内容について教えていただきます。さまざまなことにチャレンジする松根さんですが、行きつく先は心と体の健康なのだとか。

お話を伺ったのは
訪問看護師・薬膳漢方講師・整体師
松根亜裕美さん


衛生看護学校卒業後、総合病院の外科病棟看護師として勤務。病院以外の働き方も見たい、看護師のすべてを経験したいと派遣登録し、クリニックや検診クリニック、訪問入浴などさまざまな職場を経験。産後は訪問看護師として勤務しながら、薬膳漢方講師や整体師としても活動中。小学生と保育園児3人のママ。

松根さんのインスタグラム

最強看護師コンビによる「漢方×食養生コラボ」

薬膳漢方講師として活動中の松根さん。「うちの夫は神様なんです。介護士として夜働いていますが、家事育児はわたしより得意。近所の小学生が一緒に遊ぼうと夫を誘いにくるんです(笑)」

――薬膳漢方講師の活動について教えてください。

不調や体に出るサインを紐解いて、その人に不足している食材をお伝えしています。またそれを自分で選べるようになるための知識を学ぶ講座を開催しています。

――薬膳漢方を学ぼうと思ったきっかけは?

看護師時代は頭痛薬や睡眠剤など薬漬けの生活をしていました。結婚してすぐに立て続けに3人出産したので、妊娠→授乳→妊娠→授乳の繰り返し。子供の泣き声でも片頭痛が起きて吐いてしまうけど薬が飲めない。わたしも泣きながら義母に電話して子どもをみてもらう日々でした。薬に替わるものをいろいろ調べていくうちにたどり着いたのが薬膳漢方だったんです

――薬膳漢方を取り入れてどんな変化が?

当時のわたしの体質を紐解くとニラが合っているということで摂り始めたところ、2週間ぐらいでピタッと頭痛が止まったんです。そうしたら心も軽くなってきて。これはみんなに知ってほしいと思って、伝えるための勉強を始めました。人前で喋るのは苦手でしたが、伝えたい気持ちが強かったので一生懸命学び、近しい人にちょっとずつ伝えていくうちに誰にでも喋れるようになりました

――どんなスタイルで伝えているのですか。

リアルとオンラインで定期講座を開催したり、ワンデイのワークショップも。ワークショップでは梅雨どきの不調のある人に、日焼けしてしまった人になど季節に合わせたテーマを設けてお悩み解消できるヒントをお話しています。

――定期講座はコラボ開催だそうですね。

はい。「漢方×食養生コラボ」は、食材の知識はあるけど料理が苦手なわたしが食材を選び、体になじむ簡単料理を作る看護師の友人が調理を担当。看護師の友人とは不摂生による体調不良や家事が苦手なことなど過去の共通点がたくさんあるんです。漢方と食養生、学んだことは別でしたが、楽しく簡単に健康になれる食事を作りたいという目的は一緒でした。実際にコラボして思ったのは、このコラボ最強ということ。それぞれが学んできたことをお互いに最高に活かしながらお伝えできると確信しています

――最強の看護師コンビなんですね。講座は何回コース?

最初は10回コースでしたが、長期間で集中力が続かないという意見があり、いまは7回コースに改定しました。

手前にあるのは松根さんがブレンドした漢方茶。デトックスにはトウモロコシのヒゲ、リラックスには黒豆やナツメが。

――漢方茶のブレンドもされているとか?

生薬に触れたくて、薬膳料理のお店で月に1~2回バイトしているんです。そこで食材を調達して漢方茶をブレンドしています。パート勤務している訪問看護ステーションにも福利厚生として5種類のブレンドを置いてもらっていて、その日の気分でスタッフに自由に選んでもらっています

訪問看護ステーションの福利厚生として整体を提供

ゆるぽか整体をする松根さん。「薬が飲めない妊娠中を機に、自分を後回しにするのをやめました。とにかく自分を健康にしないと」

――松根さんは整体師としても活動しているそうですね。

実は整体師になりたいと思って始めたわけじゃないんです。以前のわたしは頭が固くて、柔軟に物事を考えられない性格。とにかく疲れやすくて。そんなときに体と心は連動しているから、頭が硬いなら体をほぐせば柔らかくなるという先生を見つけて、あ、これやってみたいと思ったのがきっかけでした。

――整体をやってみていかがでしたか。

誰かの施術を受けたわけではなくて、最初からセルフケアの動画で学んだんですが、これが気持ちいいんです。ボールを使ってしっかりほぐしていくと、終わった頃には気持ちまで明るくなります。それまでは整体やマッサージに行くのが大好きでしたが、自分でケアできるようになったので行かなくなりました。もっと知りたい、もっと知りたいと学んでいくうちに整体師の資格をとることになりました。

――施術はどんな場所で?

こちらもパート勤務している訪問看護ステーションで、福利厚生として取り入れてもらっています。社長には毎月施術をさせてもらっていて、他のスタッフにも業務が立てこんでいないときに利用してもらっています。

――職場のスタッフの方にも施術ができるのはいいですね。

看護師は人に尽くすタイプの人が多いので、腰が痛いのにおむつ交換したり、いつも疲弊している人が少なくないんです。働く人が元気だったら、利用者さんにもその元気が届くと思うんですね。だから、働く人を助けたい。今後はそういう分野にも注力できたらと思っています

――最後に、薬膳漢方講師や整体師としての活動と看護師の仕事との相乗効果は?

看護師としての病気に関する知識は、薬膳漢方講師や整体師としての活動に役立っていると思います。逆に、個人の活動が看護師の仕事に役立っていることも多いですね。

個人の活動でSNSをやっているので、訪問看護の会社でもインスタグラムの運営を任せてもらっています。あとは薬膳漢方講師として食材の知識があるので、訪問看護で利用者さんの顔を見てこんな食材が不足しているのではということを話題にしてみたり。その人の姿勢からこういうストレッチがいいのではと提案することもあります。薬膳漢方も整体も、行き着く先は心と体の健康。そこに興味があるんですよね。

松根さんが看護師として充実している3つの理由は

1. 興味のあることはやってみる

2. 看護師の中でもやりたい仕事を見極める

3.「行きつく先は心と体の健康」と目的が明確

派遣スタッフとしてさまざまな看護師の仕事を経験したり、現在は訪問看護師をしながら薬膳や整体師としても活動する松根さん。看護師としての熱い思いと行動力が彼女を突き動かしているのだと感じました。

撮影/森末美穂
取材・文/永瀬紀子

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さざなみ訪問看護ステーションさてらいと
住所:神奈川県小田原市酒酔1385-6
電話:0465-20-3293

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