鍼灸師になるための勉強は大変? 国家試験は難しい? 国家試験対策にオススメの勉強方法とは
鍼灸師になるためには、専門学校で勉強するだけでなく、自身でも国家試験対策をする必要があります。年度によって試験の難易度は変わりますが、きちんと学んでいれば、試験内容は特別難しいものではありません。
今回は、鍼灸師における国家試験の難易度やおすすめの勉強方法についてご紹介します。学校での授業はもちろん、問題集やアプリをうまく活用して合格を目指しましょう。
鍼灸師になるための勉強はどれくらい大変なの? 国家試験は難しい?
鍼灸師になるためにははり師ときゅう師の資格を取得する必要がありますが、鍼灸師になるための勉強はどれくらい大変なのでしょうか。まずは両方の国家試験における難易度について解説していきます。
国家試験の試験科目とは?
はり師の試験科目は医療概論(医学史を除く)・衛生学・公衆衛生学・関係法規・解剖学・生理学・病理学概論・臨床医学総論・臨床医学各論・リハビリテーション医学・東洋医学概論・経絡経穴概論・はり理論および東洋医学臨床論です。
一報、きゅう師の国家試験を同時に受ける場合は、はり理論またはきゅう理論以外の共通科目について、受験者の申請により一方の試験が免除されます。試験はいずれも筆記でおこなわれます。
国家試験の難易度はどれくらい? 最新情報をチェック!
はり師ときゅう師の合格率は比較的高い傾向にあります。国家資格の難易度がどれくらいなのか、近年の推移を見ていきましょう。
はり師の合格率はどれくらい?
はり師の合格率は平均70%前後となっており、受験者数は毎年5,000人くらいです。ここ数年では2010年の5,483人が受験者数のピークで、2016年には4,527人まで減少しましたが、2018年には4,861人となりました。年別の合格率は以下のとおりです。
2009年:75.5%
2010年:83.0%
2011年:72.8%
2012年:77.7%
2013年:77.3%
2014年:76.5%
2015年:73.4%
2016年:67.0%
2017年:57.7%
2018年:76.4%
きゅう師の合格率はどれくらい?
きゅう師の合格率もはり師と同様に平均70%前後で、受験者数も約5,000人です。はり師ときゅう師の合格率と受験者数が毎年同じくらいなのは、同時に受ける人が多いためです。年別の合格率は以下のとおりとなり、2017年に合格率が62.5%と大きく下がりましたが、2018年には78.5%までふたたび上昇しました。
2009年:74.9%
2010年:83.6%
2011年:70.0%
2012年:79.0%
2013年:79.0%
2014年:77.1%
2015年:75.0%
2016年:67.7%
2017年:62.5%
2018年:78.5%
学校の模試以外にも|国家試験対策にオススメの勉強方法とは?
はり師・灸師の国家試験における合格率が比較的高いとはいえ、試験に受かるためにはきちんと勉強しなくてはなりません。ここからは、国家試験対策にオススメの勉強方法について解説していきます。
1. 過去問をノートにくりかえし解く
試験勉強において重要な点は、過去問を繰り返し解くことです。試験の傾向がわかると具体的な対策ができるようになるので、まずは過去問にチャレンジしましょう。
具体的な勉強方法としては、まず最新の過去問から6年ほどさかのぼり、問題を解いていきます。6年分の過去問をすべて解き終えたら、同じ問題集をもう1周解いてみましょう。1周目は正解したのに2周目は不正解の問題と、1周目も2周目も不正解の問題は理解できていないということなので、問題をコピーしてノートに貼り付けます。
解説を書き込んでスキマ時間にノートを読み通せば、苦手な問題が克服できるでしょう。また、試験会場には過去問題集ではなくノートを持っていくことをおすすめします。苦手な問題の最終確認をすることで気持ちの整理ができ、落ち着いて試験に取り組めるはずです。ノートに詳しく解説を書き込んだ経験が自信にもつながります。
東洋療法研修試験財団|過去の国家試験問題等(無料)
東洋療法研修試験財団のホームページでは、無料で過去問を見ることができます。サイトをうまく活用して過去問に取り組んでください。
http://www.ahaki.or.jp/examination/archives.html
2. 国家試験対策の本を利用して勉強する
対策本を利用して勉強する方法も合格への手助けとなります。試験勉強に役立つ本として、今回は3冊ご紹介します。また、外出先やスキマ時間で手軽に勉強できる、おすすめのアプリについても見ていきましょう。
『一問一答 国家試験完全対策 解剖学問題集【改訂版】 あん摩マッサージ指圧・鍼灸・柔道整復師』
過去の試験で出題された解剖学分野の傾向を洗い出し、出題される可能性の高い問題を集めた本です。一問一答方式なので効率よく知識を身につけることができるでしょう。
この本では、解剖学分野の人体の構成・循環器系・呼吸器系・消化器系・泌尿器系・生殖器系・内分泌系・神経系・感覚器系・運動器系が網羅されています。人体構造は複雑ですが、一問一答だと構造を理解しやすくなります。
『マッサージ・ はりきゅう・柔道整復 国家試験模擬問題集』
こちらの本は、あん摩マッサージ指圧師・はり師きゅう師・柔道整復師国家試験の本番を想定した問題集です。過去問をベースとした問題とアレンジした応用問題で構成されており、各科目1回分の模擬問題と解説がセットになっています。
本の使い方と求人募集情報も掲載されているので、受験勉強や将来像の設計に役立つでしょう。時間配分や苦手科目の確認に最適といえます。
『はり師きゅう師国家試験対策過去問集 【アプリ付き】2020年度版』
こちらの本は、はり師ときゅう師の過去問題集ですが、アプリがついているので重い本を持ち歩かずにスキマ時間で勉強することができます。本を購入後にアプリをダウンロードして、本に記載されているシリアルコードを入力するだけですぐに始められるので、購入したその日から家でも外出先でも勉強ができて便利です。問題の解説は鍼灸師と看護師が共同監修しているため詳しく丁寧で、とてもわかりやすいでしょう。
アプリで効率的に勉強を進めていけば、知識が記憶に定着しやすくなります。一番のメリットはスキマ時間を活用して繰り返し学習できることで、自然と勉強する習慣が身につきます。
アプリ|鍼灸師 国家試験&就職情報【グッピー】
鍼灸師 国家試験&就職情報【グッピー】は、はり師・灸師の国家試験対策と就職活動ができるアプリです。過去問題がほぼ網羅されており、全過去問を解き終えた後は、年度や分野別に問題を解き進めていけます。
間違えた問題や、もう一度解き直したい問題に付箋をつけておく機能があるため、繰り返し問題を解いて知識を身につけていけるでしょう。友人と問題を解く早さを競う機能もついていて、楽しみながら試験対策ができます。
試験対策だけでなく就職活動の際にもこのアプリが役立ちます。アプリ内で求人情報を検索して応募することができるので、気軽に求人情報を調べられるのです。写真がたくさん掲載されているので職場の雰囲気がわかりやすくて便利でしょう。
性格・社会性・心理イメージ・対応力・自己評価の適性検査をおこない、自己分析をすることもできます。就職活動中に採用担当者からスカウトメッセージが届くこともあるので、鍼灸師を目指すなら、アプリをダウンロードしておくことをおすすめします。
自分に合った勉強方法で国家試験突破を目指そう!
はり師・灸師いずれの場合も、国家試験の難易度は70%前後、受験者数は毎年約5,000人となっており、コツコツと知識を身につけていけば合格することは可能です。はり師ときゅう師を同時に受験する場合は一方の共通科目が免除になるため、できれば同時に受けたほうがよいでしょう。
試験を突破するためには、自分に合う勉強法を見つけることが大切になります。問題集やアプリなど、勉強方法はたくさんあるので色々と試してみましょう。自分に合う勉強方法を見つけられれば効率的に勉強でき、試験突破に弾みがつくはずです。
引用元:
厚生労働省「はり師国家試験の施行」
公益財団法人「東洋療法研修試験財団過去の受験者数」