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特集・コラム 2020-08-14

介護予防運動指導員とは? どんなお仕事をするの?|介護予防運動指導員になる方法とは

高齢化が進む我が国においては介護サービスに対する需要も高まっています。その仕事に従事するために必要な介護関係の資格取得を目指している方も多いのではないでしょうか。しかしながら、このような介護サービスを必要とする状態にならないよう、健康なうちから対策を講じておくという考え方もまた重要であり、これに関連する資格も存在します。

ここでは、このような介護を必要としない健康な状態を維持するためのサービスを提供するうえで必要な資格のひとつである「介護予防運動指導員」について解説します。

介護予防運動指導員とは? 仕事内容を紹介!

そもそも介護予防運動指導員という資格自体を、知らないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、介護予防運動指導員がおこなう「介護予防」の概要について確認しておきましょう。また、介護予防運動指導員がおこなっている仕事の詳細な内容についてもご紹介します。

介護予防とは?|高齢者の健康維持

高齢者が介護を必要とする状態になってしまうきっかけとしては、加齢による衰弱だけでなく、転倒などの事故や病気なども挙げられます。したがって、これらの事故・病気を未然に防げれば、介護を必要とする人の数も減少させることができ、高齢化が進行することによる社会福祉システムへの圧迫を弱めることも可能です。

介護予防とは、このような介護が必要になってしまう原因として挙げられる、事故や病気を未然に防ぐことを目的としておこなわれています。具体的には運動機能や栄養状態・心身機能・生活環境などを改善することが介護予防としておこなわれているケースが多く、すでに介護予防活動の強化を図っている自治体も少なくありません。

介護予防運動指導員はどんなお仕事をするの?

介護予防を効果的におこなうためには、介護予防を必要とする人のどこに改善すべき点があるのかを調べ、さらにそれに見合った改善プログラムを立てなければなりません。しかし、これらを独自におこなうことは困難であるため、多くの場合、介護予防運動指導員によるサポートが必要となります。

介護予防運動指導員とは、このような介護予防に関して、おもに運動にかかわる改善プログラムを提案・指導する職種です。この改善プログラムは、介護予防を必要とする人それぞれの健康状態などにあったものでなければならないため、介護予防運動指導員にはより専門的な介護に関する知識が必要となります。

介護予防運動指導員になるにはどうすればいいの?

介護関係の資格保有者が活躍する場は非常に多くなっており、現在ではケアマネジャーなどの国家資格として認定されている資格も存在します。介護予防運動指導員もまた取得を目指す人が多い介護関係の資格のひとつですが、こちらは国家資格ではありません。そのため、そのぶん取得することのハードルは若干低くなっています。

続いては、資格の取得方法も含めて、介護予防運動指導員になるための方法について確認しておきましょう。

受講資格を確認しよう|医師や看護師・介護福祉士など

介護予防運動指導員になるためには、後述する研修に参加することが必須です。この研修には受講資格が定められており、この資格を満たしていない人は受講自体ができないため、注意しましょう。

介護予防運動指導員の養成を目的として実施されている研修では、医師や看護師・介護福祉士・栄養士・柔道整復師などの指定された資格を保有していることが受講条件です。詳細な対象資格に関しては、研修をおこなっている事業者のホームページなどで確認するようにしましょう。

指定研修の受講で資格取得できる!

介護予防運動指導員になるために受講しなければならない研修は、東京都健康長寿医療センターによって実施されています。同センターの指定を受けて研修を実施している事業者は多数存在することから、受講を希望される方は近隣の対象事業者を探してみるとよいでしょう。

介護予防運動指導員の資格は、この研修を受けたあとに登録をおこなうことで取得できるため、国家資格のように難易度の高い試験を通過しなければ取得できないということはありません。

指定研修ではどんな内容を学ぶの?|介護予防・認知症予防についてなど

介護予防運動指導員の研修では、31.5時間にわたって、その仕事で必要となる介護に関する知識を身につけるための講義と実習がおこなわれます。この資格には試験がないぶん、研修にてしっかりと知識とスキルを身につけなければなりません。

研修で学ぶこととしては、介護予防や認知症予防といった業務に直接かかわることだけでなく、リスクマネジメントや行動科学に関するものも含まれます。

一方で、受講資格に介護や医療などに関係する資格を所持していることが定められているのは、これらの分野に関する予備知識をまったく持たない方が、いきなりこの研修を受けても内容を理解するのが難しいためです。

指定研修はどこで受けられるの?

介護予防運動指導員の資格を取得するためには、東京都健康長寿医療センターの指定を受けた事業者がおこなう研修を受けなければなりません。この指定を受けている事業者は東京都以外の自治体にも数多く存在しているのが特徴です。

そこで、指定研修を受けることができる事業者のなかから、とくにおすすめのものを3つピックアップしてご紹介します。

東京療術学院|介護予防指導員養成講座

東京療術学院は整体をはじめとした療術やリラクゼーション・心理・スポーツなどに関連する講座を開いているスクールです。こちらのスクールは東京都健康長寿医療センターによる指定を受けており、介護予防運動指導員の養成研修も実施しています。

同スクールで実施されている養成講座の特徴としては、東京・名古屋の校舎だけでなく通信でも受講が可能であることです。自分の都合に合う方法で参加ができるのは大きなメリットといえるでしょう。

出典元:東京療術学院 介護予防指導員養成講座

セントラル|介護予防運動指導員の養成講座

セントラルは介護サービスの提供をおこなっており、介護予防運動指導員の派遣なども実施している会社です。人材の育成にも力を入れている同社は東京都健康長寿医療センターの指定を受けており、介護予防運動指導員の養成講座も実施しています。

同社の研修には日本全国の会場でおこなわれているという特徴があり、都心在住の人だけでなく地方在住の人も受講しやすいです。実際に介護予防運動指導員として働いた経験を持つ人の講義を受けられるという点も、この会社が実施している研修のメリットといえます。

出典元:セントラル 介護予防運動指導員の養成講座

ニチイ|介護予防運動指導員養成講座

ニチイでは介護に限らず、多種多様なジャンルの講座を実施しています。東京都健康長寿医療センターの指定を受けており、通学方式の介護予防運動指導員養成研修が実施されているのが特徴です。

ニチイの介護予防運動指導員養成研修は全国の教室でおこなわれているため、こちらもまた通学がしやすいのがメリットといえます。

出典元:ニチイ 介護予防運動指導員養成講座

介護予防運動指導員の需要はある? 求人情報をチェック!

介護予防運動指導員の仕事は、その名称からもわかるとおり介護に関連するものです。しかし、まだ介護が必要な状態にはなっていない人を相手に運動指導をするという点では、インストラクターのような側面もあるといえます。

そのため、介護予防運動指導員の求人情報は、介護関係の施設だけでなく高齢者向けのフィットネスジムなどからも募集されていることが多いです。よって介護予防運動指導員を必要とする施設は多く、求人市場における需要も高いといえます。

介護予防運動指導員は介護予防サービスのお仕事のひとつ

介護予防運動指導員の仕事では、高齢者が介護を必要とすることなく、健康的な生活を送り続けるためのサポートをおこなうことから、人の役に立つ仕事がしたいという方はとくにやりがいを感じられるでしょう。

介護予防運動指導員の資格は研修を受けるだけで取得できますが、この研修には受講資格が定められています。そのため、介護や医療関係の資格を持たない方がいきなり介護予防運動指導員の資格を取得することはできません。

したがって介護予防運動指導員の資格は、あくまでも対象資格を持っている人がキャリアアップをするために取得するのが推奨される資格であると、認識するのがよいでしょう。

出典元:
神奈川県 「かながわ介護予防・健康づくり運動指導員」の養成に関する指針
読売理工医療福祉専門学校 介護予防運動指導員
東京都健康長寿医療センター研究所 介護予防運動指導員養成事業

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