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忙しい師走だけど、ちょっと寄り道気分で、羽子板市へ! 【縁起物・前編】

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11月の縁起物 前編

師走までは、まだひと月もあるけれど、年の瀬の焦燥感あふれる東京の街。

ハロウィンが終わると、徐々にクリスマスの飾り付けへと気が早い変化を遂げてゆくのですが、その前に酉の市を楽しむのが、ちょっと粋でおススメです。

このコーナーでは、江戸の雰囲気が残る場所を、江戸東京と呼ばしていただこうかと思うのですが、そんな場所では、町内に「酉の市」の掲示が出たりして、街全体が少し色めき立ち始める季節でもあります。

霜月=11月の江戸東京といえば、酉の市。

東・東京方面の玄関口JR上野駅の11月は、気の早いクリスマスの気配はなくて、酉の市の飾りでスタート。もしも、この季節にJR上野駅で乗車&下車される機会があるのならば、見逃さないでいただきたいのが、中央改札口に飾られた酉の市の巨大な「飾り熊手」です。

飾り熊手

今年も、猪熊弦一郎氏の壁画をバックに、華やかに駅の改札口を彩っております。

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さあ、それでは、熊手を求めて、江戸東京の酉の市へ。

酉の市といえば、門前の露店で売られる「飾り熊手」。しかし、ここでご紹介するのは、あの派手で大きく賑やかな熊手ではありません。もっと小粋で、入手しやすい、神社の社務所で授与いただける「熊手御守り」。

「熊手御守り」って?

酉の市の時のみ、神社から授与される熊手のカタチのお守りです。

飾り熊手

豪華な「飾り熊手」に対し、シンプルで小さいということもあって、1000円前後で神社から授与いただけるというのが魅力。ご商売をやっているなら、派手な熊手を少しずつ大きく買い換えてゆくのもいいけれど、そうでないなら、こちらのほうがしっくりとくるかもしれません。これがまた、けっこうなデザイン・バリエーションで、眺めるだけでも楽しいかと思いますよ。

酉の市といったら浅草・鷲神社。

酉の市の発祥は、江戸時代初期。江戸郊外の農村花又村(現在は足立区花畑)の大鷲(おおとり)神社で始まった農業市がそれであると言われています。あたりは、現在でも田畑の残る場所で、当初ももちろん肥沃な土地の広がる農村。酉の市は、お酉さまの門前に立つ農具市だった。だから、その縁起物が「熊手」なんでしょうね。

それが、江戸後期になると、徐々に繁華街・浅草にも伝わって、酉の市も都市型へとカタチを変えてゆきます。

この平成の世なら「酉の市といえば浅草鷲神社」。まずは、その「熊手御守り」を。

冬晴れの空に映える提灯の群れをくぐって境内に入り、左右にぎっしり飾られた豪華な飾り熊手を眺めつつ拝殿へ。

お参りを終えたら、その両側の社務所で、この日いちばん人気なのが、この「熊手御守り」です。

飾り熊手

農具の熊手を竹で模り、お札と稲穂をあしらい、中央に金箔を飾ったシンプルな意匠がなかなかに素敵です。稲穂はもちろん豊作祈願の意味を持ち、開運のお札に、金箔は金運を呼び込むためのもの。ということで、ご利益は「開運・金運向上」だそうです。

山手線をぐるりと移動して、巣鴨のお酉さまへ。

おばあちゃんの原宿がある巣鴨でも、味ある酉の市が開催されており、おススメです。浅草・鷲神社が伝統的な酉の市のスタイルとすれば、こちらは地元の方々によるアットホームなお祭りという気軽な楽しさが特徴でしょうか。

巣鴨のお酉さま、巣鴨大鳥神社は、おばあちゃんの原宿「巣鴨地蔵商店街」と、JR巣鴨駅を挟んで山手線の反対側。街のあちこちにこんなポスターがあるので、それを目印に向かうのがいいかもしれません。

ポスター
巣鴨大鳥神社の「熊手御守り」は2種類。

巣鴨大鳥神社の「熊手御守り」は2種類。

飾り熊手

ひとつは、浅草・鷲神社とそっくりですが、こちらのほうは、稲穂がたっぷりあしらわれています。もうひとつは、中央におかめをあしらったデザイン。…ですが、写真のモノは、王子神社で授与いただけるもの。実は、昨年遅くに行ってもうおかめデザインのものは授与ならず。

そこで、かなり似ているのでここに登場させてしまいました。

(ちなみに、王子神社では、酉の市ではなく「熊手市」として、毎年12月6日に開催されています。)

新宿・花園神社の「熊手御守り」のセンスの良さに括目!

そのままJRを乗り継いだ新宿・花園神社でも、大きな酉の市が開催されます。新宿駅東口を出て、靖国通りを直進。通りを挟んで、伊勢丹メンズ館の反対側に花園神社の参道入口が見えますのでアクセスは簡単です。

ここは、「飾り熊手」の露店はもちろん、ほかに、お祭りらしい飲食の露店が多いのも特徴。加えて見世物小屋があったりもして、明治時代に始まった酉の市ですが、その佇まいは江戸っぽい。

さて、そんな露店も気になりますが、まずは拝殿にお参りをする。お参りが済んだ拝殿横の社務所に目当てのモノがあります。

これが、花園神社の「熊手御守り」。

飾り熊手

小ぶりな熊手と稲穂の量のバランスが秀逸。そして、稲穂が上に伸びる配置もステキです。実は、それが入った袋まで美しいのです。(写真がなくてすみませんっ!)売られている様子に、毎年うっとりさせられるのは、ここの「熊手御守り」だけかもしれません。

酉の市は、11月の酉の日に開催。

干支の日付は、神社で売られる暦や、インターネットなどでも調べられますが、今年は、一の酉11月5日、二の酉11月17日、三の酉11月29日と、三の酉の年。年末近い慌ただしい時期でも、これだけあれば、一社ぐらいは訪ねるのが可能かもしれません。

さて、「熊手御守り」を出す、神社は、まだまだ都内に多数。後編では、西の大鳥神社の中から、特にデザインが面白い「熊手御守り」を授与いただける場所をご紹介してゆきます。

文・写真

タオミチル ブックレビュアー

ブログミチル日々・本を読むhttp://michiruhibi.com/category/book/でも、本のレビューを更新中。

“霜月”を華やかに彩る、江戸東京の熊手御守り【縁起物・後編】 >>

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