【子育て応援メソッド】「子連れOK」じゃダメ。ママになって気づけた「託児サービス」の必要性/Le Lac(ル ラック) なかむらゆきこさん #2

美容業界で働くワーママ・パパに仕事と育児の両立について伺う「子育て応援メソッド」。前回に引き続き、「Le Lac(ル ラック)」のオーナー・なかむらゆきこさんにインタビュー。

エステの道一筋、歴22年の大ベテランで、出産後はママさん向けメニューを積極的に展開。「自分時間が取れない」というニーズに応えてコンパクトな施術メニューを考案するなど、数多くのママさんたちに寄り添ってきました。

後編では、託児サービスを導入した経緯、「仕事が大好きなママ」をお子さんに受け入れてもらうために日頃から行っているコミュニケーション方法をお聞きするとともに、美容業界で働くママさん仲間に応援メッセージをいただきました。

教えてくれたのは…
「Le Lac(ル ラック)」のオーナー・なかむらゆきこさん

専門学校卒業後、大手エステサロンに就職。その後、インストラクター、サロンの立ち上げ&運営、店長・マネージャー職を経験。2007年に結婚、2015年に出産。2016年にご主人の地元に自宅を構え、一室にプライベートサロン「Le Lac(ル ラック)」を開業。息子さんは現在小学一年生。

先輩ママさんに協力を仰ぎ、施術中に子どもを見ている託児サービスを導入

「本当に都内から電車で20分!?」と疑うほど、自然に溢れた場所でした

――コロナ禍前に「お子さま見守りサービス」という託児サービスを導入されていましたね。

「家族に子どもを預けて来ました」というママさんは、「見てもらって」「お願いして」とどこか罪悪感を感じて来られる方が多くて。自分だけの子どもではないのに。その罪悪感を取り払ってあげたくて、「だったらうちに連れて来ちゃえば良いじゃん」と思ったんです。

しかし、よくある「子連れOK」ではダメだなと。うちの子がそうだったんですけど、例えば子連れOKの美容室に連れて行っても「一人で遊んでいられる」「ころんと寝てくれる」タイプの子ばかりではないんですよね。赤ちゃん差があるので、単に「子連れOK」ではやっぱりママさんは不安なんです。

家族に見てもらっているという罪悪感もなく、連れて来ても誰か大人に任せられる環境であれば最高ですよね。自分がそういうお店に行きたいなと思って。ということで、ここにもう一人大人の女性スタッフを置き、施術中にお子さんを見ていられるサービスをつくったんです。

――個人サロンとしては珍しいですよね。そのスタッフさんはどのように手配したのですか?

個人でやっているお店なので、どうしてもプロの方に来てもらうのは難しくて。それで、子育て経験のある知り合いのママさんだったり、義母世代の知り合いに頼みました。近所のおばあちゃんやお姉さんに抱っこしてもらっている、という感じだったんですけど(笑)。

人気のコースだったのですが、コロナ禍ということで、密を避けるために今は停止中です。代わりに、近所の託児所と提携してやっています。

息子には「仕事が好きなママをわかってくれてありがとう」と感謝を

――個人サロンの場合、保育園からの呼び出しなど、急な対処が難しいですよね。

そうなんです。だから、仕事を再開するにあたり、前もってありとあらゆる予防策を張っておいたんです。義母のサポートはもちんですが、病児保育を下調べしておいたり、ママ同士の集まりに積極的に顔を出し、お互いが困ったときにママ同士で助け合うという輪を繋いできました。

けれど、息子は体調を崩すことがほとんどなく、仕事をしている母親想いの子で助かりました。

――現在、お子さんは小学一年生とのことですが、保育園から小学校に上がったことで生活スタイルもやはり変わりましたか?

そうですね。学童クラブに入っているので、仕事時間が減ることはありませんでしたが、朝が早くなったことと、毎日夜に宿題を見てあげるのが大変ですね。あと、保育園は保護者が働いている前提で年間予定を組んでくれたり、呼び出しをしてくれるのですが、小学校はもちろんそうではなく…。昼間に保護者会があったり、年間予定にない行事が増えたり、とさっそく小学校の洗礼を受けているところです(笑)。

――エステの仕事が大好きと話してくださいましたが、仕事と子育てとの葛藤はありましたか?

息子が乳児の頃に仕事復帰し、しかも主人ともにサービス業のため、世間がお休みの日も仕事をして来たので、息子は保育園に育ててもらったようなものだなと感じています。そこには賛否両論があると思いますが、私は息子に「ママはこの仕事が大好きで、この仕事をしているとこんな風に幸せなんだよ」といつも話しています。「だから一緒にいる時間がなくてごめんね」というのは違うと思っていて、「仕事が好きなパパとママをわかってくれてありがとう」という風に感謝を伝えています

息子も「パパもママも本当に仕事好きだよね」と理解してくれていて、私たちが仕事をすることに対してマイナスイメージは持っていないんじゃないかな。

――働く親の背中は、お子さんにとっても誇らしいと思います。他に、お子さんと向き合う上で大切にしていることはありますか?

主人が飲食店で働いているため、夜は息子と二人っきりで食卓を囲んでいるわけですが、どうしても喧嘩になりやすいんですよね。心穏やかなお母さんだったら喧嘩になる前に息子の言い分を受け入れてあげられるんだろうけど、私もつい言い返しちゃったりして…。あと、こちらが疲れているときや、気分が落ち込んでいるときにそのまま子どもに接してしまうこともありましたね。

今は、寝る前に必ず仲直りするようにしています。喧嘩を次の日に持ち越さない。うちは夜に反省会です。

自慢の借景。春は桜、秋は紅葉が景色を彩るのだそう。「この景色に注目してもらいたいので、部屋にはディプロマは置かず、インテリアも最小限にしているんです」となかむらさん

――日頃のリフレッシュ方法はありますか?

とにかく体を動かすことが好きなので、ヨガやダンスをやっています。この周辺は自然がいっぱいなので、近所を散歩するだけでとても良いリフレッシュになるんです。半日時間があいたときは、高尾山が意外と近いので、すぐに登りに行きますよ。パッと登って、パッと帰ってきて、午後の施術をやる、という日も。疲れているときやモヤモヤしているときは、家の中でじっとしていても解決しないので、とにかく外に出るようにしています

座って、黙って考えていると脳の動きも停滞してしまうんです。体を動かしていると脳も血行が良くなり、思考もリフレッシュすると言われているので、新しいメニューを考案するときなんかもデスクに座っているより、ウォーキングしている方がアイディアが沸いてくるんです。

――最後に、美容業界で働くママさんたちにアドバイスをお願いします。

私もあまり偉そうなことは言えませんが…。ママであることは女性に寄り添う上ですごく強みになると思うんです。共感できたり、経験しているからこそ思いつけるサービスがあるわけで。自分が子育てで悩んだことや嬉しかったことは、他のみなさんだって同じように経験しているはず。それらを仕事に活かせたらかなり強みなるんじゃないかなって。

美容のお仕事をしているのであれば、「ママだからこそできること」を自信を持ってやっていれば、世の中の働くお母さんたちもみんな幸せになる気がします。ママであることをデメリットではなく、プラスのオプションだと捉えてほしいですね。

「ママ」になって、仕事する上でプラスとなったことは?

1.お客様の悩みや不調に共感しやすくなった

2.女性の体に対する労りの気持ちや細やかな気配りがより深まった

3.「子連れOK」では安心できない。「第三者が見てくれる」サービスの重要性を理解

取材・文/佐藤咲稀(レ・キャトル)
撮影/喜多二三雄

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Le Lac
住所:埼玉県所沢市 ※詳細は予約時にご案内
MAIL: lelac.tokorozawa@gmail.com
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