着付け技能士の資格試験に必要な実務経験とは?どこで経験を積めばいいの?

日本で古来から着用されてきた着物(和服)も、現代では日常的に着る人は少なく、特別な日など限定されたシーンでのみ着られることが多くなりました。そのため、自分で着付けはせず、お店や美容室などで着付けてもらう方が増えてきました。

そこで、着付けに関する資格として「着付け技能士」というものがあります。ただし、着付け技能士になるためには実務経験が求められるので、どこでどのようにして経験を重ねればいいのか、詳しく見ていきましょう。

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着付け技能士とは?

着付け技能士とは、着物の知識や他人に着付ける(他装)技能を持ったことを証明する、厚生労働省認定の国家検定です。全日本着付け技能センターによって開催される、「着付け技能検定」に合格することで取得できます。1級と2級があり、1級が上位資格です。

着付け技能検定の試験内容と受検資格

つづいて、着付け技能検定の内容について解説していきます。

学科試験

まず、着物に関する知識を問う学科試験が行われます。2級の試験科目は、着物の歴史や各名称といった全般的な知識や、帯や小物の種類、合わせ方のほか、たたみ方や作法、技法などの11分野です。

2級といっても、着物に関する幅広い知識が必要な試験内容のため、しっかり勉強しておくことが求められます。着付けに関わる法的な知識も必要です。

1級では、2級の内容に「繊維の知識」がプラスされます。上位資格のためより難易度の高い内容が出題されることも予想できるため、入念に対策しましょう。

なお、学科試験の受検料は、1級2級ともに8,900円です。(2023年2月現在)

1級と2級の違い

1級と2級では合格点が違い、1級は100点満点のうち70点以上が合格であるのに対して、2級は100点満点中60点以上が合格です。また、1級は2級より科目が増えるぶん、より広い知識を身につけなければなりません。

実技試験

実技試験は、学科試験を合格した人が受検することができる試験です。「同級又は上位級の学科試験の合格者」とあり、1級の学科試験に合格した人が2級の実技試験を受けることもできます。

規定の時間内に、定められた種類の着物の着付けができるかどうかという技術が問われる試験です。

なお、実技試験の受検料は、1級2級ともに23,000円です。(2023年2月現在)

1級と2級の違い

2級では浴衣や訪問着、付下げ、街着、付下げ訪問着の着付け能力を求められ、1級では2級の試験内容に加えて、黒留袖・色留袖・羽織袴・中振袖の4種類が追加されます。合格基準は学科試験と同じく、100点満点中1級は70点以上、2級は60点以上です。

着付け技能検定の受検資格

学科試験の受検には、受検資格として必要な実務経験年数が設定されています。

1級は、着付けに関する所定の学校や訓練を経験している・美容師免許を持っていると2~4年、実務経験のみの場合は5年。ただし、2級合格者の場合は1年でOKです。

2級は、所定の学校や訓練を経験or美容師免許ありの人は実務経験が0でもよく、実務経験のみの場合は2年です。

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着付け技能士の実務経験とは?資格なしでも実務経験を積めるの?

着付け技能士試験の受検資格にある「実務経験」とは、どういう意味なのでしょうか。全日本着付け技能センターによると、

「実務経験とは、他装又は着付け指導の業務に携わった経験をいう。また、実務経験年数は、受検対象者欄に掲げる卒業、修了又は免許取得の後の実務経験の年数をいう。」

とされています。つまり、冒頭でも説明したように着付け技能士は「他装」に対する能力を認めるものであり、自分で着物を着ることは実務経験には含まれません。

着付け技能士の資格がなくても着付けの仕事はできる?

着付けの仕事をするのにあたって着付け技能士の資格が必須というわけではなく、資格がなければしてはいけない業務範囲もありません。ただし、着付け関連の求人は即戦力を求めていることが多いため、無資格だと就職に不利なケースがあります。

着付け技能士以外に着付けの資格はあるの?

着付け技能士は着付けに関する唯一の国家検定ですが、ほかにも「きものスペシャリスト技能検定」「着物免許」「着物着付講師」などいくつかの民間資格が存在します。

そこで、着付け技能士の検定を受ける前の実務経験を積むために就職したい場合、先に民間資格を取得しておくのもよいでしょう。民間資格取得を目指してスクールや教室に通えば、着物の知識や着付けの技術も自然と身につき、就職にも役立ちます。

着付け技能士の資格試験に必要な実務経験を積める場所は?

着付け技能士試験の受検資格である「実務経験」として認められる場面や場所には、一体どんなものがあるのでしょうか。

美容室

美容室のなかには、着付けサービスを提供している店舗もあります。晴れ着を身につける結婚式や成人式のような行事や、浴衣を着る人が多い夏祭りなどのイベントといった際に着付けを行っています。

なお、着付けの一環としてヘアメイクまで求められることがありますが、ヘアメイクを行う場合は美容師免許が必要です。

写真スタジオ

写真館では、美容室と同じく結婚式や成人式の際や、七五三などのお祝い・家族行事の記念写真、お見合い写真を撮る際など、着物を着て撮影するお客様のために着付けを行うことがあります。

美容室の場合とは異なり、メイクやヘアセットは専門のスタッフがいることが多く、着付け担当者は着付けに専念することができます。

呉服店や百貨店、レンタル店

呉服店や百貨店など、着物の販売・レンタルをしている店舗に所属し、着付けサービスを提供するパターンもあります。着物だけでなく小物や履物などを合わせてトータルでコーディネートする必要があるため、提案力やセンスも求められる職場です。

着物に関してお客様から質問されることも多いため、着物全般の知識をしっかりと身につけ、お客様に似合うように適切な提案を行いましょう。

また、観光地などではレンタルした着物を着たまま一日中散策する人もいるので、手早く着付けることや崩れないようにしっかり着せることが大切です。

結婚式場

結婚式場では、主役となる新郎新婦の和装を着付けるだけでなく、家族や一般参列客に着物を着る人がいれば、その人々の着付けも行います。大切なお祝いの席なので、美しく、かつ着崩れることのないようにしっかりと仕上げなければなりません。

着付け教室の講師

実務経験には「着付け指導の業務に携わった経験」も含まれます。着付け教室やスクールで講師をしている場合も実務経験として認められるので、教える立場として活躍したい人は、講師業で経験を積みましょう。

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着付け技能士の検定試験を受ける際に必要な実務経験とは、「他装や他者への着付け指導に携わった経験」のことで、人に着付けや着付け指導を行える場所に就職して所定の年数分の実務に就かなければなりません。

今回、どこで実務経験が積めるかも紹介しました。着付けの仕事そのものに必須の資格はないので、紹介した内容も参考にしつつ、着付けに関わることができる求人を探して実務経験を積んでください。

引用元
厚生労働省|技能検定制度について
全日本着付け技能センター|活動指針
全日本着付け技能センター|手続きの流れ
全日本着付け技能センター|よくある質問

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