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どうなってるの?美容師の年収。高い?低い?様々な要因で変化する給与事情

現在美容師として働いている方、美容師を目指している方は、美容師の給与に対してどのように感じていますか?

厚生労働省は「賃金構造基本統計調査」により、平成26年の理美容師に対する調査結果を以下のように発表しました。

平均年収:263万円
男性平均年収:275万円
女性平均年収:256万円
平均月収:214,700円
平均時給:1,276円(短時間労働者)
平均年間賞与等:51,000円
平均年齢:30.2歳
平均勤続年数:5.8年
平均総労働時間:185時間/月
復元労働者数:28,220人
男性労働者数:9,980人(35.4%)
女性労働者数:18,240人(64.6%)

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(2015年2月19日公表)

近年のサラリーマンの平均年収が400~420万円と言われているので、美容師の収入は決して高いとは言えませんね。「えぇっ!? じゃあ、美容師辞めようかな……」と思ったあなた! 肩を落とすのは早すぎますよ!

1.美容師の男女別平均収入の推移

サラリーマンの平均年収はバブル崩壊後年々下がっていき、平成20年からは停滞していると言われています。では、美容師の平均年収は、どのように変化してきたのでしょうか。

「理美容師 平均年収推移」を男女別で見てみましょう。

年収グラフ

平成17年までは下降傾向にはありますが、近年では上昇と下降を繰り返しています。平成26年に関しては統計開始以降、平成17年に次ぐ低さになってしまっていました。

男女で比較すると、全体を通して男性の方が高いようです。この要因としては、女性は結婚・出産の影響で「休日が増え、収入が上がりにくい」「高くなる前に『短時間労働者(アルバイトなど)』に雇用形態を変える」などが考えられます。

では次に、短時間労働者の平均時給の推移を見てみましょう。

時給グラフ

短時間労働者の平均時給については平均年収のような性別によるはっきりした差はありませんが、年ごとによる変化は大きいようです。また、「男性は下がっているのに女性は上がっている」などの変化も見られます。ですが、これは「男性の時給が下がった」というわけではなく、「時給が高い人が多く辞めた」等の理由が大きいと考えられます。

2.美容師の企業規模別平均収入の推移

収入の差は男女の差だけではなく、美容室の規模によっても変わります。ですが、単純に「大企業は給与が高い」というわけではありません。

企業年収

全体的に見ると年収は「特大企業(従業員1,000人以上) > 大企業(100~999人) > 中小企業(10~99人)」のように見えますが、年によっては順位が逆転することもあります。また、上下幅が大きい特大企業、大企業に対して、中小企業は比較的安定した年収と言えます。

次は、「企業規模別の平均年間賞与等の推移」を見てみましょう。

理容師賞与

賞与については全体的に下降傾向にありますが、年によって大きなばらつきがあります。あくまでも「賞与」ですので、売り上げに直接関わってくるからでしょう。売り上げが良い年は賞与も高く、反対に売り上げが低い年は賞与も低くなるようです。

3.年齢・役職による収入の変化

平均年収が低いからと言って、ずっと低いわけではありません。役職・経験・人気によっても給与は変動していきます。

そこで、まずは「役職別の平均月給(各種手当は除く)」について見ていきます。

美容師役職別

アシスタント

美容師はデビューするまでの下積みが長いことでも知られていますが、その下積みがアシスタントです。その期間は店舗によって異なりますが、一般的には2~3年、青山や表参道の有名店では4~6年とも言われています。
初任給は低いと13万円前後、高いと18万円前後の店舗もあります。

Jr.スタイリスト

Jr.スタイリストとは、カットができるようになりたてのスタイリストのことを指します。店舗によっては、この役職があるところとないところがあります。アシスタントよりは基本給は高くなりますが、指名や担当もほとんどないので、インセンティブにはあまり期待できません。

スタイリスト

ある条件をクリアするとスタイリストになることができます。条件とは「Jr.スタイリストになってから○年」「実技テストで基準をクリア」など、店舗によって様々です。
スタイリストになると基本給が20万円前後になり、指名料や売り上げに対してのインセンティブがつき、金銭面に余裕が出てきます。

トップスタイリスト

スタイリストの中でも、ある条件を満たした者はトップスタイリストになることができます。条件には「経験年数・技術・売り上げ・顧客数」などがありますが、店舗によって異なります。収入は格段に上がり、人気のトップスタイリスト(カリスマ美容師)になると、年収1,000万円を超える人もいます。

店長候補・幹部候補

店長(幹部)になるための教育を施される地位のことですが、必ずしも将来店長になれるというわけではありません。これは他の役職とは違い、技術面よりも経営面が重視されます。統計結果ではトップスタイリストよりも高い収入になっていますが、トップスタイリストの次の職位が店長候補というわけではなく、店舗によってはトップスタイリストよりも店長候補の方が、収入が低いことも多々あります。

経営者・オーナー

雇用されているスタイリストよりも収入は高くなる傾向になります。また、多店舗展開を成功させているオーナーの中には、年収2,000万円を超える方もいます。もちろん、経営の手腕があってこその高収入ですが。

役職に対する収入について書いてきましたが、店舗によってスタイリストになるまでの期間が異なるため、「何年後に年収いくら」というイメージがつきにくいと思います。

そこで、次は「平成26年 年代別平均年収」を見てみましょう。

年代別

統計によると男女とも、40~49歳に最高年収に達するようです。先ほど、年収1,000万円以上稼ぐ人もいると述べましたが、実際はごく一握りだけで、現実的には600万~800万円ぐらいを目標最高年収に設定すると良さそうです。

また、美容師は一般的に「『自分の年齢×10,000円=月給』を目標にして頑張る」と言われていますので、そちらも参考にしてみてはいかがでしょう。

4.収入面以外のデータ

これから美容師になろうという方や美容室経営者にとっては、美容師人口の変動も気になるところです。これまで、美容師に関しては「就職売り手市場」と言われ、美容師が足りない状態でした。近年ではどのようになっているのでしょう。

理容美容者数

統計から、美容師人口は平成24年をピークに減少傾向にあるようです。求職者にとっては就職しやすいのでありがたく、経営者にとっては人材確保に苦しむ「売り手市場」がまだまだ続きそうですね。

男女の割合は統計調査開始当初から変わらず、およそ6:4になっています。

次に、美容師の平均年齢について見てみます。

平均年齢

一般企業のサラリーマンの平均年齢が35歳前後と言われているので、美容師は少し若いと言えます。つまり「美容師は一般サラリーマンに比べて、若くして独立する人・辞める人が多い」という事でしょう。では、実際にどの時点で独立や退職をするのでしょうか。

「平成26年 年代別人口」を見て、考えてみましょう。

年代別人口

男性で減少率が高いのが、40~44歳(82.6%減)と60~64歳(89.5%減)です。美容師の賃金は40~44歳をピークに下降していきます。40~44歳で急激に減るのはそのためでしょう。

※厚生労働省「賃金構造基本統計調査」は、従業員数10人未満の企業は調査対象になっていません。(独立して、従業員数8人のサロンを経営している人は調査対象外です)

60~64歳に減るのは一般企業の定年退職と同様の考え方と思われます。女性で減少率が高いのが、30~34歳(48.1%減)と55~59歳(58.7%減)です。

30~34歳で減るのは、結婚・出産が原因だと考えられます。また、55~59歳に減るのは男性の場合と同様の考え方と思われます。

そうなると気になるのが「勤続年数」です。「平成26年 企業規模別平均勤続年数」をグラフで見てみましょう。

勤続年数

最初に知っておいてほしいのが、これは「何年で仕事を辞めるか」ではなく、「現在働いている人が何年働いているか」のグラフです。

毎年およそ5~6年であり、平成26年も同様です。もちろん30年以上働いている人もいますが、理美容師は20代が62%を占めるために、このような結果になっています。

企業規模で見ると、平成26年に関しては大きな差はありませんが、毎年10~99人規模の企業の方が長く勤める傾向にあります。

最後に、「平成26年 企業規模別総労働時間」を見てみましょう。

企業勤続年数

毎年、従業員数1,000人以上の企業は総労働時間が多い傾向にあります。平成26年でみると、従業員数1,000人以上の企業が212時間、100~999人の企業が178時間で、34時間の差があります。一日に換算すると1時間以上の差があるので、少しでも早く帰りたい方にすると、その差はかなり大きいのではないでしょうか。

5.まとめ

美容師というのは初任給や平均年収だけで見てしまうと、とても良い待遇とは言いにくいですが、比較的若い年齢での独立が可能な職業のため、それによる高収入は期待できるかもしれません。

また、本記事で書いた「年収1,000万円稼ぐ美容師、2,000万円稼ぐオーナー」というのも、ごく一部ではありますが存在します。その方たちが取っている方法として以下のようなものがあります。

A.時間単価が高いサロンで働き、一流美容師として超有名になり、雑誌の撮影や講演などの副収入で稼ぐ。

B.経営者(オーナー)になって有名美容室を多店舗展開して、年商2億円の企業にする。

下積み時代はかなり大変だが、売れると大きな収入を得られるという点では、美容師も歌手や俳優、芸人と同じで一獲千金の職業と言えるかもしれません。

今回は「収入」をメインのテーマにして進めてきましたが、仕事に対するやりがいというものは「収入だけではない」というのは既におわかりのことと思います。

実際、美容系の仕事をしている人は、一般企業で働く人よりも「仕事に対してのやりがいを強く感じている」という統計結果も出ています。

どんな仕事もそうですが、それぞれの仕事に対するやりがいを見つけて、自分の良さを全面に出せる環境で働くことが労働者にとって大切なのではないでしょうか。

※グラフの元データは独立行政法人「統計センター」によるものです。

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