【美容師のカット技術】drive for garden 一番合戦 彩さん流『アレンジしても好バランスなレイヤースタイル』#1

再現性の高さはもちろん、「基本のダウンスタイルもアレンジした時も両方いい感じに見せたい」というのが、イマドキ女子の本音かも。今回は、そんな女性ならではのこだわりを叶えるヘアを、「drive for garden」の一番合戦 彩さんが提案。

前編では、技術力向上やキャリアアップについて、一番合戦さんのリアルな体験談をもとにお届けします。

drive for garden一番合戦 彩さんにインタビュー

「drive for garden」トップスタイリスト 一番合戦 彩さん

自分の強みを作ることで、さらに前に進めた

――美容師を目指したきっかけは?

2歳上の姉がいるんですが、美容師をしていまして。小さい頃から、姉が美容師になるまでをいつも近くで見ていました。そんな影響もあり、私も同じような道に進みました。あとは美容師の『自由』なイメージに憧れがあったかもしれません。髪を染めてみたい、お洒落もしたい、それに美容学校って何か楽しそう! 当時はそんな思いも強くて。佐賀から福岡の美容学校へ行って、そこからGARDENを受けました。

――アシスタント時代はどのように過ごしましたか?

入社が決まり、最初は原宿のGARDENへ。アシスタント時代は他の店舗にも行ったりして、とにかく朝も夜も練習してましたね。もう辛い、眠いの連続(笑)。アシスタントの時の同期は27人いましたが、当時のGARDENはまだ2店舗だったのでかなり多いですよね。スタイリストになってから辞めてしまった人もいて、今同期で残っているのは4人。途中でとてもお世話になっていた先輩が辞めてしまったり…そんな中でも続けられたのは、やっぱり同期の仲がよかったからかもしれません。

もう早くスタイリストになりたくて、目の前のことを夢中でやっていました。1個上の先輩を抜いてやろう! っていう勢いで、次々とテストをクリアしていくのを目標にしていました。パワー系ですね(笑)。その甲斐もあって、新卒の同期の中では一番早くスタイリストデビューできたんです。若い頃は、将来のイメージとかはあまりできていなかったかも…ただいろんなやりたいことはあって、撮影もしたいしメイクもしてみたい、だからそういう仕事をすでにしていた先輩に付けた時は嬉しくて、ありがたくて、めちゃくちゃ頑張りました。

――いち早くスタイリストデビューした、その後は?

大きなサロンだったので、お客さんは毎日たくさん来てくださり、指名がなくても切る機会はありました。でもデビューしたてはお客さんがなかなか付かなくて。私はいち早くスタイリストデビューできたものの、その後から同期もデビューしていって、追い抜くようにどんどん活躍していくんですよ。一番にデビューしたのに私全然ダメじゃん、お客さん付かないじゃん…って。すごく落ち込んだ時期がありました。

よく考えてみると、みんなそれぞれ得意なものがあったんです。パーマが得意だ、メンズカットには自信があるとか。私も何か得意なジャンルを作ってみよう! と思い立ち、そこでヘアアレンジをやろうと動き出したんです。私の中では変化でした。「日々お客さんをこなすだけじゃ、絶対に伸びないんだな」、そう痛感したのもこの頃でしたね。

アレンジから広がるスタイル提案もある

――アレンジに力を入れてから変わったことは?

雑誌のアレンジ特集を担当させてもらうことが増えたり、当時はまだあまり盛んではなかったインスタに自分が作ったアレンジを投稿したりとか。専門学校からアレンジの講師依頼もいただけました。いろんなきっかけがつながって、進んでいけましたね。アレンジに力を入れてからは、お客様からの指名も増えていきました。私が好んでやっていたアレンジは少し大人っぽいテイストのものが多くて、原宿から銀座のサロンに移動してからは、さらにたくさんの指名をいただくことに。お客様の年齢層とよりマッチしたんでしょうね。多い時は、ヘアセットで年間250人くらい(!)ということも。これが私の転機であり、でも地道にコツコツと登ってきて今に至るという感じです。

――強みを作ることの意味とは?

自分の強みを作った方が、お客様も選びやすいと思うんです。この美容師さんはこれが得意なんだ、というのがあると、イメージしやすいし入りやすい。そして、こちらからはその強みをいかした提案ができますよね。私だったら、「顔まわりをこういうカットにすると、アレンジもしやすいですよ」とか。カットした後に、通常のスタイリングの方法に加え、アレンジする時のやり方や後れ毛の巻き方などもお客様に伝えると、とても喜んでいただけます。

――サロンワークで心掛けていることは?

お客様に合わせて接客は変えるようにしています。この人はしゃべるのが好き、伝えるのが苦手そう、そういう部分を最初にしっかりキャッチして、サロンワークの中でどういう対話ができるのか考えます。最初の『つかみ』は肝心。こんな風になりたいこうして欲しい、というお客様の気持ちと、美容師側から提供できる技術とアドバイス。それらができるだけうまく合致するように。お客様一人一人と向き合うことが大切で、少しでも妥協してしまうと、やはり離れていってしまうんですよね。忙しい時もあるけれど、ちゃんと時間をかけて向き合うこと。日々の反省は、流してしまわず考える機会を持つこと。それが大事だと思っています。

――どんな美容師を目指していますか?

「ガッセンちゃんじゃないとダメなんだよね〜」って言ってもらえるような、頼りにされる美容師になりたいですね。会うことでポジティブになれる、元気になれる人。会いに行こう=髪切りに行こう、そうなれたらすごく嬉しい。

美容師も、最近では個人が強い時代になってきました。お店というよりも、美容師個人からの発信が強い。でも考えてみれば実は一緒で、私がアレンジで個人ブランディングしたのと同じことなのかも。今はSNSでいろんな表現ができるから、それがやりやすくなって、目に入ってくることも多くなったのでしょうね。何かに特化して強みを持つことは、昔も今も変わらず大切なんだなと感じています。

もちろん、サロン自体にも注目してもらいたいです。いろんな個性を持つ美容師がたくさん集まった、めちゃくちゃ頼りになる濃い〜サロン。大手、有名店だからの安心感は、先輩達が築き上げてくれたものなんですが、それも含めて「ガーデンってやっぱスゴイよね〜、いいよね!」って思ってもらえる、それが理想です。

――今回のヘアスタイルについて教えてください。

ショートもボブもまだまだ流行っていますが、レイヤースタイルも増えてきていますね。私のおすすめは、アレンジがしやすいミディアムくらいのレイヤースタイル。おろしている時はいいけれど、アレンジで髪を上げたり結んだりすると、顔まわりの生え際のところが薄く透けて見えたり、不自然な隙間ができる、サイドの後れ毛のバランスが取りにくかったり。そういう不安がないように、顔まわりとサイドバングのデザインを工夫しています。ダウンスタイルでもアレンジしても自然に決まって可愛く見える、バランスの取りやすいヘアです。

一番合戦さんが提案する『アレンジしても好バランスなレイヤースタイル』

今回は、ロングの状態から7cmほどカット。あごより少し下からレイヤーを入れて軽さを出し、動きをつけやすく。前髪からサイドバングへ自然なつながりを作り、アレンジで髪を上げた時も顔まわりのバランスが取りやすいようになっている。

『アレンジしても好バランスなレイヤースタイル』のいいところ

1.おろしてもアレンジしてもバランスのいいヘア

2.ワンカール巻くだけでこなれ感アップ

3.前髪とサイドバングの作りで小顔に見える

テクニックを積み上げるだけでなく、自分なりの強みを作ることで集客につながり、スタイル提案にも幅が出たという一番合戦さん。今回作っていただいたスタイルも、得意ジャンルのアレンジ目線から発展して生まれたもの。後半では、そのスタイルの作り方を詳しく教えていただきます。

▽後編はこちら▽
【美容師のカット技術】drive for garden 一番合戦 彩さん流『アレンジしても好バランスなレイヤースタイル』#2>>

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:高嶋佳代
ヘア:一番合戦 彩(drive for garden)
メイク:飯田南帆(drive for garden)
モデル:安藤ちあき

教えてくれたのはこの人!

一番合戦 彩さん
GARDEN CREATIVE DIRECTOR
drive for gardenトップスタイリスト

トレンド+女性ならではのこだわりを重視したスタイル提案がモットーで、お洒落を楽しむ女性達から絶大なる支持を得る。また、『360度キレイに見えるヘアアレンジ』も得意。ほどよい抜け感とバランスで顔まわりの引き立て効果抜群と評判に。ファッション誌や業界誌の撮影、セミナー講師などを務める他、GARDENのシーズンビジュアルを担当、LIVEチームにも積極的に参加するなど、多岐に渡り活躍している。
インスタグラム:@ayagassen

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Salon Data

drive for garden(ドライブ フォー ガーデン)

住所:東京都中央区銀座6-8-3銀座尾張町TOWER5F
TEL:03-6274-5500
URL:http://garden-hair.jp/drive_for_garden/

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