ネイル施術に時間がかかりすぎる理由とは? 対処法を併せて紹介
ネイリストとして活躍している人のなかには、施術時間内に作業が終われないことを悩んでいる人も少なくないでしょう。これは、とくに経験の浅いネイリストにはよくあることです。
しかし、時間内に終わらなければ施術相手のお客様にも、その後に予約を入れているお客様にも迷惑がかかってしまいます。
本記事では、ネイルの施術にかかる平均時間や短縮のポイントを紹介します。お客様の満足度を下げることなく施術時間を短縮したいネイリストの方は、ぜひ参考にしてください。
施術にかかる平均時間
まずは、カウンセリングからオフ、ケアやベースづくり、塗るまでの施術内容とあわせて、施術にかかる平均時間を紹介します。
カウンセリングやデザイン決め|10分
お客様から書いてもらったカルテをもとに、カウンセリングを行います。希望のネイルや爪の状態、長さはどうするかなど細かな部分までヒアリングし、お客様に合ったネイルの提案をしてデザインを決める工程です。
所要時間は10分程度ですが、はじめて来店する人の場合、カルテの記入に慣れていなかったり、質問についてよく分からなかったりするため、時間がかかる可能性も考慮しておく必要があります。
オフ|ジェルネイルは30~40分
表面のトップジェルを削り、ベースジェルをキレイに取り除いてから、地爪の形や長さの調節まで行う工程です。ジェルネイルは、表面をしっかり削らなければキレイに落とすことができないため、時間がかかります。トータルで30〜40分は必要です。
ベースジェルが見えるギリギリまで表面を削り、アセトンを浸透させて、柔らかくなったベースジェルを取り除きます。地爪を傷つけてしまわないよう、細心の注意を払わなければなりません。
ケアやベースづくり|20~30分
ケアは、甘皮や角質を取り除いたり地爪の表面を滑らかにしたり、地爪の油分を除去する作業です。ケアからベースジェルを塗布するまでに20〜30分程度かかります。
甘皮や角質を取り除く方法にはドライケアとウォーターケアがありますが、ジェルネイルはドライケアを行うのが一般的です。
ドライケアは、キューティクルリムーバーとプッシャーを使って甘皮や角質を押し上げてから取り除く方法で、甘皮をふやかすウォーターケアよりも時間が短縮できます。
ケアが終わったら、ベースジェルを塗ります。
ジェルネイルを塗る|20分~120分
ベースジェルを塗り終わったら、カラージェルやビジュージェルを塗り、パーツを乗せた最後にトップジェルを塗ります。
ワンカラーの一度塗りであれば20分程度ですが、一般的な2度塗りだと30〜40分程度、グラデーションだと80分程度、パーツを乗せたり、3Dアートなどのデザインにしたりする場合は120分程度必要です。
デザインによって必要な時間は異なり、長さを出す場合はジェルを塗る前に行うため、さらにもう少し時間がかかります。
ネイル施術に時間がかかりすぎる理由と対処法を紹介
施術時間が長くなってしまう原因は、いくつか考えられます。経験を積んできたネイリストでも予想外に施術時間がかかることもありますが、経験の浅いネイリストのほうが、時間管理に悩むことが多い傾向にあります。
ここでは、よくある原因と対処法を紹介するので、思い当たる原因があった場合は、その対処法を試してみてください。
1. ジェルネイルの削りが足りない
トップジェルとカラージェルを、ベースジェルが見えるギリギリまで削っておくことこそ、オフの時間短縮の要です。
最近のカラージェルもアセトンが染み込まないものが多いです。そのため、トップジェルとカラージェルの両方をしっかりと削っておかなければ、アセトンが浸透しにくいため、オフに時間がかかってしまいます。
スムーズに削れるようにするためには、次に紹介する3つのポイントをしっかり押さえておきましょう。
事前にアセトンで表面を柔らかくしておく|ファイルを用いて削る場合
トップジェルを削る前に、アセトンで表面を柔らかくしておくことで削る時間を短縮できます。
やり方はベースジェルを落とす方法と同じで、アセトンをたっぷりとコットンに含ませてから爪に乗せ、アルミホイルで包んで数分放置するだけです。アセトンが染み込むわけではありませんが、トップジェルを柔らかくすることができます。
柔らかくなったトップジェルは硬いままのトップジェルよりも削りやすいため、オフの最初に行うことがおすすめです。
ファイルのグリッド数を下げる・エッジを使う
ファイルのグリッド数を下げると、一度に削れる量が増えます。また、ファイルのエッジを使うと深く削ることができるため、時間を短縮するには有効です。しかし、どちらの方法も削りすぎて地爪を傷つけないよう、力加減に注意する必要があります。
ネイリストによって使うファイルのグリッド数は違いますが、100~180グリッドのファイルが一般的です。グリッド数が低いほど粗く、削れる量が多いため、なかには80グリッドのファイルを使う人もいます。
厚手のコットンと揮発していないアセトンを使う
アセトンをしっかりと染み込ませてジェルを落としやすくするためには、厚手のコットンと揮発していないアセトンを使うことが大切です。
厚手のコットンにたっぷりとアセトンを含ませることで揮発しにくくなり、ジェルに染み込みやすくなります。
アセトンは揮発しやすいため、保管するときはビンに入れて揮発を防ぎましょう。オフするときにその都度ビンから取り出すようにすると、アセトンをたっぷり含んだ状態でコットンを使うことができます。
2. ネイルマシンの回転数が遅い
ネイルサロンは、ネイルマシンを導入していることがほとんどです。パーツを埋め込んだ厚みのあるネイルだと時間がかかってしまうため、ネイルマシンでジェルを削って時間を短縮します。
しかし、お客様の地爪を傷つけてしまったり、痛みを与えてしまうことを恐れて回転数を下げたりしてしまうと、ジェルは削れません。
適切な回転数に慣れ、効率的に作業を進められるようになるためには、繰り返しの使用が必要です。自分の爪で練習するなどして、適切な扱いを身に付けましょう。
3. ファイルの目が詰まっている
ファイルは消耗品です。繰り返し使用したファイルは目が詰まっているため、削るのに時間がかかってしまいます。作業時間が増えたり、下地が見えたり、印字されたロゴが消えたりしたら新しいものに交換しましょう。
また、ファイルの長期にわたる使用は雑菌が繁殖する可能性もあります。そのような、衛生面の問題からも、こまめな交換が大切です。
4. カウンセリングで答えにくい聞き方をしている
カウンセリングの際に、お客様が答えにくい質問の出し方をしていることで、施術時間が長くなってしまうこともあります。
とくにお客様がネイルサロンでの施術に慣れていない場合は、好みやなりたいイメージを言葉にすることが難しい場合もあるでしょう。
デザインを決めかねているお客様には、イメージを聞きながらこちらでデザインを絞り込んで選んでもらうなど、カウンセリングの工夫をすることで時間の短縮につながります。
たとえば「どういったシーンでネイルを楽しみたいか」、「AとBならどちらがイメージしているものに近いか」などの質問だと、選びやすくなるでしょう。サンプルを提示して、そこから好みに合ったものを探していく方法もおすすめです。
また、カウンセリングとケアはできるかぎり同時進行で行うことも、時間の短縮につながります。
5. 目の前のことに必死になりすぎている
目の前の作業に必死になりすぎて、次の工程や動作のイメージができていないことでもたついてしまい、全体的に施術時間が長くなってしまうケースもあります。これはとくに経験の浅いネイリストによく見られる傾向です。
ネイリストはお客様と会話しながら施術することも多いです。そのため、お客様の話を聞き、返事をしながら施術を行い、手を動かしながら次の工程にも意識を向けることが必要とされます。
最初は難しいかもしれませんが、繰り返し練習し、施術の経験を積むことで、次第に流れが身に付けられるでしょう。
6. 小さな筆を使用している
新たにジェルを塗る際、塗りやすさやはみ出ないことを意識して、小さい筆を使用していることも作業スピードの遅れにつながる可能性があります。
筆が短く小さいものだと、何度もジェルを付け直さなければなりませんし、塗れる範囲が狭いと時間がかかってしまいます。
爪からはみ出ない大きさで、小さすぎない自分が扱いやすいサイズの筆を選ぶことがポイントです。ジェルを付け直す回数を減らすことができ、塗れる範囲も広がります。1本1本塗る時間が短縮できれば、施術時間を縮めることが可能です。
7. 同じ作業を繰り返す
失敗しないようにと意識するあまり、同じ作業を何度も繰り返し、施術時間が長くなってしまうケースもあります。
たとえば、ネイルマシンの回転数が足りなくて同じ部分を何度も削ったり、アセトンが浸透しきらなくてアルミを巻き直すことになったりといったことがあげられます。
繰り返す必要がないよう、一回で作業を完了できるようになるためには、練習を積む必要があります。
ネイル技術を上達させるためのコツについては、下記の記事も参考にしてみてください。
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時短を意識するときに気をつけること
施術時間を守ることは、対応するお客様にとっても、その後予約しているお客様にとっても大切です。時間をオーバーしてしまうと、どちらのお客様にも迷惑が掛かってしまいます。
しかし、時間を意識するあまり雑な施術になってしまってはいけません。しなくてはいけないことをおろそかにしたり、お客様の地爪を傷つけてしまったりするような施術にならないよう、気をつける必要があります。
早くて雑な施術はNG|手際のよい技術を磨く
施術が早くても、削り残しやささくれをそのままにするなど雑な施術はNGです。スピードや時短ばかり意識していると雑になってしまいやすいため、お客様の地爪を傷づけてしまったり、仕上がりがキレイではなくなってしまったりすることがあります。
時間をかけて行わなくてはならない施術は、しっかりと手をかけることが大切です。ここまで紹介した、時間を短縮するための方法も活用しながら、手際のよいていねいな施術をするための技術を磨きましょう。
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雑な施術にならないよう手際のよい技術を磨こう
ネイルの施術には数多くの工程があり、スムーズに進まない作業があるとその分、施術時間が伸びてしまいます。施術時間の短縮にはさまざまな方法がありますが、いずれの方法にもネイリストのスキルアップが欠かせません。
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